パソコンのスキルとプログラミング教育

パソコンスキル向上 パソコン教室

最近では、小学校でプログラミングの授業が始まるというようなニュースもありますが、果たして小学校でそのような授業が必要なものなのか?と疑問に思っている人も多いのではないでしょうか?

長年、パソコン教室で大人の方を教えているのですが、若い時にパソコンが存在していなかった世代から、子供の時からパソコンがあった世代まで、幅広くお教えしていて共通して感じることがあります。

それは、パソコンが苦手だと感じている人は、世代に関係なく、自分が自由に使える「自分のパソコン」を長らく持っていなかったという人たちか、手元にはあったのだけど、ほとんど使うことがなかったという人たちです。

逆に言えば、絶えず携帯していつでも手元で見れるスマホは、他人のスマホではなく自分のスマホを持っているはずです。それと同じように、いつでも使える自分のパソコンを手元に持っていれば、おのずと使っていたはずなのです。

パソコンスキル向上

 

1.要は手元にいつでもあるかどうかです

道具というものは、いつも手に持って使っていれば、手に馴染むし、使い勝手もよくなります。

つまり、いい道具を手に入れることが最も大切なことです。

昔のパソコンは、デスクトップパソコンが主流であり、持ち歩くことは不可能でしたが、今や持ち歩けるくらいの軽いノートパソコンが主流となっています。

もちろん、画面を見たり簡単な入力だけであれば、タブレットでもかまいませんが、やはり様々な高度なソフトウェアを使うためには、パソコンである必要があります。

しかしながら、パソコンには道具として決定的な欠点があります。

 

2.パソコンは時々不調におちいることがあります

昨日まで、順調に動いていたパソコンが、今日になって突然変調をきたすことがあります。

それは、いろんな外的要因が考えられます。

1つはアップデートです。OSのアップデートやソフトウェアのアップデートが原因で、何かが変化しておかしくなるということがあります。

2つ目は、アドウェア(ウイルスやそれに準じる悪意のあるプログラム)が勝手に土足でパソコンに入って来ようとすることです。

3つ目は、スパムメールや詐欺サイトにより騙される危険性です。

そして、最後の4つ目は、使っている人が、使い方を誤ってパソコンを不調にさせる危険性です。

要するに、すごく気を付けて使わないと不調をきたす道具なのです。

冷蔵庫や洗濯機みたいに、何も考えないでも10年は使えるというような道具ではないのです。

 

3.つまり日々刻刻と変化する道具なのです

パソコンは、毎日毎日少しづつ自分自身を変化させている道具なのです。

このような道具は、他にはあまり例がない道具なのですが、ある意味で可能性は無限大と言っても過言ではありません。

パソコンは、1970年代に生まれましたが、ほぼ50年の歴史の中で飛躍的に進化して今のパソコンになっています。さらにこれからも飛躍的に進化していくことは間違いありません。

パソコンとインターネットは、今後も大きく変化して、私たちの生活にかかわってくることになると思います。

 

4.パソコンは学ぶものではなく、使うものです

パソコンは「使ってなんぼ」の道具です。自分が使えるようになればなるほど、道具の価値が上がってきます。

自分なりに工夫して、パソコンを使い込むことが大切です。

自分自身で工夫してパソコンを使うことで、逆にパソコンを自分の能力の一部として使うことができるようになります。

例えて言えば、脳の機能の中にパソコン機能が組み込まれてくる感覚です。

それは決してデジタル的な感覚ではなく、むしろアナログ的な感覚に近いと思います。

一方、不安定な道具ではありますが、その道具のクセをよく知り、ご機嫌をとりながら使いこなすということも大切な能力の一つです。

 

5.パソコンのスキルの向上のために

パソコンスキルを高めるために、私たちは何から取り組めばいいのでしょうか?

それは、まず愛すべき「自分のパソコン」を手に入れることです。

それは新品のパソコンでなくても構いません。安い中古のパソコンでもいいのです。

そして、そのパソコンをガンガン使い込むことです。何に使うのかを考えるのは、自分の頭で考える必要があります。

パソコンを買えば何かを得られるわけではなく、これから得られる何かを想像することが一番大切なことなのです。

ネットから情報をとることも必要ですが、何よりも自分の頭でたえず想像することで、パソコンに慣れていくと思います。

知らない用語や英語のエラーなどに出くわすこともあります。

完璧に理解できなくても前に進むことと、はじめて遭遇することであっても前に進むことと、失敗を恐れないこと、そして偏見を持たないことが大切です。

いろんな困難にも日々出会いますが、すべてパソコンの経験を高めることにつながります。

そして、壊すくらいに使い込んだ時に、見えてくる世界があります。
(私の場合は、壊してしまって何度もリカバリーしたことがあります。一晩に5回のリカバリーをしたこともあります。)

そこからは、変化にも対応できるようなスキルがついてくると思います。

 

6.プログラムが、いずれ製造業になります

コンピュータを深く知ってくると、プログラムの素晴らしい世界が見えてきます。

プログラムというのは、単にコードを書くというような作業ではなくて、モノ作り全般にかかわる設計をするということです。

設計をするためには、モノをよく知ることが必要ですので、多くの知識や経験が必要になることもあります。

パソコンの初心者であっても、多くの知識や経験をこれまでしてきた人であれば、このようなことがプログラムで組めればというアイデアを生み出すことが可能です。そういうアイデアを形にしてゆくのがプログラムなのです。

現在のプログラムは、ゼロから作成するというようなものではなくて、すでにある部品を組み合わせながら、大きな製品にしてゆくという流れになっています。

これは、海外からの部品を組み合わせて製品を作っている製造業と似ています。

IT会社も、昔からの資産と新しい部品を組み合わせて新しい製品やサービスを製造しているのです。

つまり、プログラムは新しい製造業と言えます。

ただし、通常の製造業と異なる点もあります。それは、プログラムは直接は目に見えない部分があるということです。そのために、技術の評価や継承がとても難しくなっています。

このようなことから、プログラムを作る場合には、その構造や仕様を目に見える形で残すドキュメントが最も重要になります。

プログラミングの教育は、PDCAサイクルを学ぶことであり、目に見えない部分を可視化するための設計図を作る訓練だと思うのです。

※PDCAサイクル(PDCA cycle、plan-do-check-act cycle)は、生産技術における品質管理などの継続的改善手法。

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