年末から年始にかけては、ウイルス対策ソフトの更新時期の方も多かったのではないでしょうか?
WindowsであってもMacであっても、ウイルス対策ソフトをインストールしないで使うことは、家のドアの鍵をしないで出かけることと同じくらい危ないことです。
Macにはウイルス対策ソフトを入れないでも大丈夫と考えている方は今でも多くて、セキュリティの意識が希薄なユーザーが結構います。
パソコンやスマホをお持ちの方は、何らかのウイルス対策がなされているかを再度確認していただければと思います。
今回は、私が長年使っている「カスペルスキー」というウイルス対策ソフトについてご紹介したいと思います。
1.カスペルスキーを選んだ最初の理由
最初にカスペルスキーというセキュリティソフトと出会ったのは、今から10年ほど前になると思います。
そういう意味では、メジャーなセキュリティソフトの中では、新しい部類に入ると思います。
もともと、1990年代、セキュリティソフトと言えば、「ノートンセキュリティ」が元祖で、その後「ウイルスバスター」とシェアを二分していました。
そのころは、1年更新のソフトが主流で、1年ごとにソフトを購入してインストールしなければならず、結構手間がかかるものでした。
その後、Windows XPの普及と共に、安いセキュリティソフトが人気となり、更新期限がない「ウイルスセキュリティZero」が主流となった時代もありました。
その後、単に価格だけではなく、ウイルスの検出率や、動きの軽さといったことがだんだんと重要になってくる中で、古いOSから新しいOSまで幅広く対応できる「NOD32」というセキュリティソフトが輸入され、キヤノンが販売するようになりました。このソフトは、その後「ESET」という名称になり、現在もキヤノンが引き続き販売を行っています。
いつの頃かは記憶が定かではないのですが、店頭に突然「カスペルスキー」というロシア風の名称のソフトが並び、非常に低価格で売られるようになりました。
カスペルスキーは、もともとソ連のKGBの諜報局で働いていた人が、ロシア時代になって会社を作って開発したソフトと言われています。
もともと日本での販売経路がなかったのですが、日本では代理店の会社経由で、大々的に販売されるようになりました。
当初は、5000円くらいの価格で、10台までインストールできるというあり得ない安売り攻勢で、他社のソフトのシェアを奪っていくような販売をしていました。
私もちょうどこの頃に、カスペルスキーというソフトを知り、使い始めました。
パソコン教室の会員さんも、できるだけ安価なウイルス対策ソフトを望まれる方が多かったため、カスペルスキーを薦めたことがあります。
このような中で、それまで価格が高かった「ノートン」や「ウイルスバスター」も、次第に価格を下げざるを得ない状況に追い込まれて、現在の価格帯になってきたように思います。
一方、カスペルスキーは、最初の発売から数年経った頃、価格を他のソフトと同じような価格に値上げしたために、セキュリティソフトの価格は横並びとなり、現在に至っています。
カスペルスキーの特徴は、それまで1台単位で売っていたソフトを5台単位や10台単位のライセンスで売り始めたところだと思います。
さらに、それまで1年単位のソフトだったものを3年単位までの長期間に伸ばしたことも特徴の1つです。
このような流れの中、現在では「ノートン」「ウイルスバスター」「マカフィー」「ESET」などのメジャーなソフトでも、複数ライセンス、多年度単位のソフトを販売するようになってきました。
蛇足になりますが、3,4年前から「マカフィー」は、台数無制限という形でソフトを販売しているのですが、実は「カスペルスキー」も専用のサイトでは台数を問わないというライセンスも販売しています。(※お店では販売していません)
2.カスペルスキーの特徴とは?
(1)インストールが簡単である
私が長年カスペルスキーを使っている理由の1つとして、インストールがとても簡単であるということが挙げられます。
通常のウイルス対策ソフトの場合、インストール時に多くの情報を入力したり、インストールが非常に長い時間かかるようなことが多いのですが、カスペルスキーの場合は、その手間がかからず、アクチベーションキーだけでインストールできるという特徴があります。
最後に、使用者のメールアドレスとパスワードを求められるのですが、この部分は必須ではないのと、使用する人のメールアドレスとその場で考えたパスワードを入れるだけですので、それほど難しくありません。
(メールアドレスとパスワードは記録しておく必要があります)
(2)バナー広告対策の機能がある
もう1つ、カスペルスキーを使う理由としては、その機能の中に「バナー広告対策」という機能があることです。
この「バナー広告対策」をONにすると、ネットのページで表示される広告バナーがほとんど表示されなくなります。
この機能を持つセキュリティソフトは、カスペルスキーだけです。
実は、広告バナー自体の中に、ウイルスが潜んでいたり、悪いページに誘導したりすることが非常に多いので、広告バナーをブロックすることは、とてもいいセキュリティ対策なのです。
さらに、広告バナーをブロックすることで、不要な読み込みが減ってウェブの表示が速くなり、快適にインターネットを見ることができるようになります。
(3)未知のウイルスに対しても対応している
さらに、これはESETなどのソフトにもある機能なのですが、未知のウイルスに対しても防御できる仕組みを持っており、より安全にパソコンを守ることができます。
たまに、この機能が災いして他のソフトの通信が妨害されることもあるのですが、より強固なセキュリティということで、ノートンやウイルスバスターなどにはない機能の1つです。
(4)アンインストールが簡単である
セキュリティソフトのアンインストールが簡単であるというのは特徴といえるのかと思う方も多いと思います。
ウイルス対策ソフトを別の会社のソフトに変更する場合は、必ず前のソフトをアンインストールしておかないと、新しいソフトがインストールできないということになっています。
実は、ウイルス対策ソフトのトラブルの多くは、アンインストールできないという現象なのです。
特にシステムの奥深くに入り込むソフトである「ノートン」「ウイルスバスター」などのソフトは、アンインストールできないというトラブルが非常に多く報告されています。
この点、カスペルスキーは、そのようなトラブルが少なく、アンインストールしやすいソフトの1つです。
もし、アンインストールに失敗する場合は、各社のサイトからアンインストールツールがダウンロードできます。
3.ウイルス対策ソフトを選ぶ基準とは?
(1)ウイルス対策ソフトは、パソコンの速度に影響する
最も大切なことは、ウイルス対策ソフトとパソコンの間には相性があるということです。(たぶん、相性なんて絶対にないと思っている人もいると思いますが)
ウイルス対策ソフトを入れたら、パソコンの動きがかなり遅くなったという方もいるのではないでしょうか?
ウイルス対策ソフトによっては、パソコンをやたら遅くする場合もあります。
これは、ソフト側の問題というよりも、パソコン側のCPUの種類やメモリ容量が原因になっていることが多いようです。
また、無料でインストールできるようなウイルス対策ソフトでは、無料の対価として広告が出たり、常時監視されたりしているので、パソコンが遅くなることが多いと思います。
(2)ウイルス対策ソフトがトラブルの原因になっていることもある
一般的なソフトであれば問題ありませんが、専門的なソフトなどでウイルス対策ソフトがソフトの動きをブロックしたり、動きを遅くしたりすることもあります。
特に、ネット接続を常時行っているようなソフトでは、ウイルス対策ソフトのファイアーウォールなどの設定を変更しないと正常に動作しないというような場合もあります。
(3)更新しやすいウイルス対策ソフトを選んだほうがいい
ウイルス対策ソフトでは、ユーザーIDとパスワードでログインして、ソフトの管理画面に入って更新などの操作を行うことがよくあります。
ところが、ユーザーIDやパスワードをきちんと記録しておらず、忘れてしまったような場合、どうすればいいのでしょうか?
特に、パスワードを忘れてしまったというケースは多いようです。
ところが、ユーザーIDはメールアドレスになっていることが多く、ウイルス対策の会社では同じIDは使えないようになっているので、同じメールアドレスでの再登録ができないことが多いのです。
一度インストールすれば、最低でも1年、長い場合は3年も全くアクセスしないような管理ページのIDやパスワードをどうすれば確実に保存することができるのかをしっかりと考えておく必要があります。
特に、クレジットカードを利用して更新を行っている場合は、そのような情報がパソコンの中のみに保存されているので、パソコンが故障した場合に、ソフトの情報を見ることができません。
このようなことから、情報は1か所ではなく、数か所に保存しておく必要がありそうです。
一方、カスペルスキーの場合は、更新はとても簡単で、購入したアクチベーションキーをソフトの画面から入力するだけで、更新が完了します。
たとえ、メールアドレスやパスワードを忘れたとしても、更新できないということがないのが、「カスペルスキー」というソフトなのです。