コロナウイルス下で必要となったパソコンとスマホの役割とスキル

コロナ ネットワーク

1.コロナウイルスの前と後で変わってきたもの

コロナの下でパソコン教室をずっと営業していて感じることは、以前よりも益々パソコンやスマホが必要になってきたということです。

特に、私自身として感じたのが、これまでスマホだけで生きていけると考えていた人達が、パソコンを買い始めたということです。

これは、会社のテレワークなどで、遠隔で仕事する場合には、パソコンでないと太刀打ちできないということがわかったからだと思います。

ただ、ここにきて必要となってきたパソコンのスキルは、従来型のソフトを使う能力というようなものとは異なり、ネットワークを介したファイルの管理や、遠隔という環境の中で、どのように仕事を効率的に行っていくかという「仕事の構成力」といったものになってきています。

当然ですが、多くのアプリや、それにかかわるネットワークの理解などは必要なのですが、無駄のない仕事のやり方を自分の頭で考えながら、会社のシステムの限界と戦ってゆくというようなサバイバル的な能力が必要になってきているということだと思うのです。

 

2.会社のセキュリティやシステムとの戦い

日本の会社は、旧来型の非常に古い考え方に支配されており、紙ベースの書類を作成することや、保管することが仕事であり、それと並行してローカルサーバーやクラウドサーバーなどのITの利用を促進しています。

このため、紙ベースの情報とオンラインベースの情報が入り交じり、情報としての統一性が全くない状態で、多くの会社では仕事をしています。

日本の多くの会社で見られる現象として、それぞれのデータは、個々のコンピュータの中ではエクセルファイルとしてまとめられているけれども、サーバーの中にあるデータベースとの情報とは絶えず差異が生じており、その情報の差異を埋めるために多くの社員が残業をしているという変な構造になっています。

つまり、個々のデータと、サーバー内のデータベースが並列して存在している状況を放置している状態がずっと続いているということです。

さらに、サーバー内のデータベースについても、部署が変われば別々のデータベースになっており、会社全体としての包括的なデータベースが構築されていないというような状況になっています。

このような不完全なIT化の中で、テレワークをしているわけですから、当然仕事は制限され、十分な成果を発揮できないというジレンマに陥っていることがとても多いように見受けられます。

加えて、テレワークを想定していない情報セキュリティシステムのために、複雑なネットワークを介した遠隔操作は、ネットワークスピードを低下させており、まともなネット環境の中で仕事ができるようになっていません。

 

3.コロナ下で必要とされるパソコンとネットワーク機器のスペック

今回、多くの方がテレワークでわかったことは、遅いネットワークスピードでは仕事はできないということです。

クラウドサーバーの場合、一見して便利そうに見えますが、多くの社員が一斉にアクセスすると、クラウドサーバー自体のアクセススピードが低下して、フォルダを開くだけで多くの無駄な時間が必要になったりしています。

また、クラウドサーバーへの接続は、セキュリティ上、権限を与えられたコンピュータからしかできないように制限されているので、会社所有のパソコンに限定されることと、権限のレベルにより出来ないことが多いと考えられます。

これに対して、リモート接続では、通常使っている会社のパソコンに1対1でアクセスして、会社のパソコンの画面を手元のパソコンで操作することができるので、環境も変わらず仕事の効率を高めることができます。

ただ、リモート接続のタイプによっては、ネットワーク機器の性能が低いと、接続が切れたり、再接続ができなかったりと問題もあります。

また、手元で操作するパソコンのスペックが低いと画面を表示するスピードが遅くなり、非効率となります。

このように、ネットを介して仕事をする場合は、パソコンの性能や、会社にあるネットワーク機器の性能により、大きく影響を受けることになります。

 

4.パソコンとスマホの連携で仕事をする

一方、スマホについても、コロナ下で様々な仕事を効率化するためのアプリが開発されてきています。

スマホがパソコンより優れている点は、写真を撮影して、それをネットワーク上にすぐに配信できるという点です。

これまで、紙ベースのものを相手に送るような場合は、プリンタや複合機で紙をスキャンしてPDFや画像ファイルとして、メールで添付して送るという必要がありました。

しかし、スマホの場合は、写真や動画に記録できることはもちろん、スキャン機能をもつアプリなども出てきており、簡単に情報の共有ができるようになってきています。

ここで重要になってくるのが、パソコンとスマホの両方に存在しているようなアプリです。

(1)情報やファイルを共有するためのアプリ

・OneDrive
・Google Drive
・DropBox

(2)遠隔でのコミュニケーションのためのアプリ

・Zoom
・Microsoft Teams
・Google Meet

(3)スマホの種類によらず使えるアプリ

・Gmail
・Google Photo
・Google Calendar
・Evernote ←無料は2つのデバイスまで

また、スマホ独自のアプリの中で仕事に使えるソフトがあります。

(4)画像をPDF化するアプリ

・Office Lens
・Adobe Scan ←店長お薦めです

これらのアプリを使って取得したデータをパソコンと共有するとことで、より早く仕事の材料をパソコンに取り込むことができます。

最終的には、パソコンでまとめて形にすることで、共有の資産になっていきます。

 

5.データベースと上級エクセルのスキルがこれから必要になる

上にも書きましたが、テレワークに限らず仕事の効率を上げたり、仕事の見える化を行うためには、社内のデータの一元化を実現していく必要があります。

ただし、実際のデータはパソコンで入力していくものなので、個々のデータを統合して統一的なデータベースをリアルタイムで構築していくような仕組みを作ることが最も合理的です。

これまでのエクセルから卒業して、データベースを考慮に入れたデータ構造を持つエクセルファイルの作成が最も必要なことだと思われます。

同時に、これまでの情報セキュリティの在り方を見直して、効率的で理解しやすいセキュリティの仕組みを作ることも大切です。

そして、そのための第一歩しては、社内のペーパーレス化と、ファイルの保管、ファイルの維持・廃棄をどのようにするかを考えることだと思います。

個人のレベルとしても、今後は上級エクセルとデータベースがわかる人材が増えていくことが必要だと思われます。

世の中ではAIという言葉が頻繁に出てきますが、データベースなくしてAIは存在できませんので、まずはしっかりしたデータベースを作ることが大切となります。

 

6.コロナ下で必要なってきた動画作成スキル

最近は、新しい仕事の形として、動画作成のスキルが求められてきています。

これは、ユーチューバーということではなくて、従来の仕事の延長線上に動画を使ったサービスを始めていくという意味です。

これまでは、イラストや文字を使って、スライドを作るというパワーポイント的なものが主流だったと思いますが、ここに来て、動画でより分かりやすく広まりやすい形のものを作ることが求められてきているようです。

動画の作成は一朝一夕で覚えられるものではなくて、計画→撮影→編集という流れで作成する必要があります。

最近は、スマホを使った撮影が最も簡単でいいのですが、問題は撮影した動画をパソコンに移して編集ソフトで編集していく部分です。

Macパソコンでは、「iMovie」というソフト、Windowsでは、「フィモーラ(Filmora)」というソフトが人気があります。

編集ソフトは簡単なほどいいのですが、いかに早く編集して、わかりやすいものを作るかという部分が最も大変な部分です。

いずれにしても、Youtubeなどにアップして見せるか、ホームページなどに組み込んで見せるかが、最終的な形になると思います。

 

7.個人として何ができるかを考える

コロナ下で、私達は制限された日常を送っていますが、少しづつですが、それぞれの個人が新しい何かを模索しているように感じます。

特に、芸術関係(演劇、音楽など)の方は、多くの模索を行っている最中だと思います。

個人としての仕事の仕方や、会社としてのサービスの在り方などが変化してゆく時代なのかもしれません。

ノコテック・ラボも、オンラインレッスンなども行っておりますが、遠隔で教えるということの難しさも感じています。(教えるという効率は落ちます)

やはり、動画などで配信した方が、より多くの方に届くし何度でも見れるので、今後はそちらの方にも力を入れていきたいと考えています。

また、ネット上の便利なツールを使うことで、不可能と思っていたことが実現できたりすることもあるので、これから出てくる様々なツールをいち早く試しながら、皆さんに紹介できたらと思っています。

固定概念にとらわれず、何事も、まずは、やってみてから考えるということが、今の私達に必要なことだと思います。

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