Windows10でスタートボタンが反応しなくなる原因を解明

spotify パソコントラブル

先日、いつも使っているWindows10のパソコンで、突然スタートボタンが全く反応しなくなるというトラブルに遭遇しました。

この種のトラブルは、だいぶん前からWindows10で報告されているトラブルなのですが、とても分かりにくいトラブルの一つだと思います。

今回、スタートボタンの反応が全くなくなったのは、パソコンを起動してすぐではなくて、通常どおり使用している最中に突然起こってきました。

また、スタートボタンだけではなくて、タスクマネージャを起動しても、画面上に画面が全く出てこないことや、スタートボタンの右にあるCortanaまでも全く反応しない状態になりました。

1.トラブルの原因はウイルスではない。

最初、このようなトラブルで最初に疑うのはウイルス感染ですが、ウイルス対策ソフトでスキャンしてみても、全くウイルスらしきものは発見されませんでした。

2.ハードディスクのエラーでもない。

次に疑ったのは、エラーによるものかもしれないということです。

そこで、ハードディスクのエラーチェックやディスクのクリーンアップなどを行いましたが、全く症状はよくなりませんでした。

3.ウイルス対策ソフトとの競合の問題でもない。

ウイルス対策ソフトとOSとの間での何らかの競合が起きたのでは、ということも考えて、ウイルス対策ソフトをアンインストールしてみました。

ウイルス対策ソフトをアンインストールしても、症状は全く改善されませんでした。

4.システムの復元の画面を表示できない。

こうなったら、システムの復元をしてみようと考えました。コントロールパネルは起動しましたが、システムの復元の画面まで行こうとすると、パソコンが動かなくなり、待機状態となりました。

5.終了も再起動も、正常にできない。

パソコンを終了したり、再起動したりを何度もやろうとしましたが、パソコンの終了動作中に、永久ループに入ってしまったかのように、終了ができません。

しょうがないので、パソコンを強制終了して、再度起動しましたが、症状は全く改善されませんでした。

6.インターネットの接続を切ったら、スタートボタンが反応した。

いよいよ、あきらめかけた時に、インターネット接続を切ってみようと考えました。パソコンは有線LANでしたので、LANケーブルを外してみたところ、不思議なことに、スタートボタンが反応し、スタートメニューが見えるようになりました。

7.システムファイルチェックを実行したが、効果はなかった。

インターネットの接続を切ると、スタートボタンは正常に戻ったが、再びインターネットに接続すると、スタートボタンは反応しなくなりました。

そこで、インターネットの接続を切った状態で、システムファイルチェックを実行してみました。

しかし、結果的には全く効果はありませんでした。

8.システムの復元を行ってみたが、改善しなかった。

インターネットの接続切った状態で、システムの復元が動いたので、1週間ほど前までシステムの復元を実行しました。

結果として、システムの復元が終わったときに、「システムの復元は正しく完了しませんでした。コンピュータのシステムファイルと設定は変更されませんでした」というメッセージが出て終了しました。

このシステムの復元の問題について、詳しくネットで調べてみると、以下のサイトを見つけることができました。

Windows 10 System Restore Feature Broken Down by Microsoft Store App

このページの中で、以下のような一文があります。

「A number of users running Windows 10 Fall Creators Update (version 1709) and installing the Spotify app from the Microsoft Store are complaining that they’re hitting a pretty odd error on their systems, as the app appears to break down Windows Restore.」

「Windows10のFall Creators Update を適用して、マイクロソフトストアからSpotifyアプリをインストールしている多くのユーザーにおいては、システム上でかなり奇妙なエラーが引き起こされているという不満があがっており、Spotifyアプリが、システムの復元も壊しているように思われる。」

9.Spotifyアプリとは何なのか?

Spotifyとは、マイクロソフトアプリから供給されているアプリで、音楽配信を行うアプリです。他の音楽配信アプリと異なるのは、全く無料で4000万曲以上の音楽を聴けるというものです。なぜ無料なのかというと、すべて広告が画面上にあることで広告収入で音楽配信料をまかなうという仕組みのようです。

10.Spotifyは削除できないアプリだった。

私自身は、まったくSpotifyのことを知らなかったが、なぜか私のパソコンのスタートメニューの中に、Spotifyアプリは存在していました。

このアプリを開くと、ログインという項目がありますが、これまでログインした経験は一度もありません。

まず、このアプリをアンインストールしようと考えましたが、コントロールパネルのプログラムのアンインストールには表示されないため、削除もできません。

11.スタートアップの中にSpotifyが存在していた。

インターネット接続時に、スタートボタンのエラーが出ているということから、何らかのアプリがインターネットと常時接続している可能性が考えられ、おそらく、そのアプリ自体が動くことで、スタートボタンの動きが止められるのではないかと考えました。

そこで、インターネット接続を切った状態で、タスクマネージャを起動して、スタートアップを表示してみました。

(タスクバーを右クリックして、タスクマネージャをクリックし、スタートアップタブを表示させます。)

なんと、スタートアップに「Spotify」を見つけました。

「Spotify」と「Spotify Web Helper」という2つの項目があり、それが有効となっていましたので、すぐに無効に設定しました。

さらに、その他の項目についても大部分を無効にしてみました。

12.症状が改善し、エラーがなくなりました。

スタートアップ項目の中の、Spotifyアプリを起動させないようにしただけで、すべてのエラーがなくなり、パソコンの動きが正常に戻りました。

インターネットを接続状態にしても、
→ スタートボタンが反応する。
→ タスクマネージャが起動する。
→ 設定画面が表示できる。
→ 正常に終了や再起動ができる。

というように、完全に回復することができました。

13.なぜ、このようなことが起こるのか?

今回、体験した問題は、Windows10が抱えている重大な問題を暗示しているようです。

Windows10はもともと、Windows8.1で存在した2つのOSである、デスクトップOSとアプリOSを統合して、1つの環境で動作するように作られています。

今回問題となったは、デスクトップOSの不具合ではなく、アプリOS側の不具合であるという点です。

アプリOSのことを、マイクロソフトは、UWP(ユニバーサルWindowsプラットフォーム)と呼んでいます。このUWPは、Windows10における様々な機能を担当しています。

その代表的なものが、スタートメニューなのです。スタートメニュー自体は、デスクトップOSの管理下にはなく、アプリOSの管理下にあるということです。

つまり、アプリOSの不具合が起きると、スタートメニュー、Cortana、設定などの機能がまひ状態となって、そのためパソコンの起動や終了も正常に行われなくなるという現象のようなのです。

14.これからはスタートアップ項目はできるだけ無効にした方がいい。

Windows10においては、スタートアップ項目はできるだけ少ない方がいいようです。実際にスタートアップ項目をすべて無効にしても、問題なく起動します。

特に、Windowsアプリストアからのアプリが起動項目にあった場合、原因不明のトラブルを発生させる可能性があるかもしれません。

また、これらのアプリが、システムの復元を壊すという点も、非常に怖いことだと思います。

 

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