月別アーカイブ: 2015年2月

久しぶりにノコテック・ラボのHPをメンテしました

「紺屋の白袴」という言葉があるように、かなり前からノコテック・ラボのホームページについてあまり変更してきませんでした。

ホームページというのは作ってしまうと、トップページだけはいつも見て気にしているのに、その他のページはほとんど無視ということが多いんですね。

今回、営業時間などを変更したついでに、いろいろとページを見ていたら、これは古すぎるだろう!という文章もあり、あらためて更新を行いました。

ノコテック・ラボも2004年に始めてから、12年目になってしまいましたが、パソコン周辺の状況は本当に大きく変わってきたと思います。

もちろん、私自身も年をとりまして、体力勝負というわけにはいかなくなっています。

何よりも、最近はパソコンより、スマホやタブレットという世の中になってきて、アプリも山ほどあるなかで、最近の若い人はいったい何を考えているのかが、だんだんわからなくなってきました。

というのも、若い人がパソコンを習わなくなったように思うのです。

しかし、この現象は若い人たちがパソコンを十分に使えるスキルを持っているという意味ではなく、パソコンを持っていない若者が増えていることと、習いたくてもパソコンが買えないという若者が多いということではないかと危惧しています。

確かに、スマホやタブレットでインターネットやメールは使えますが、仕事で使うような細かい書類や、データの解析などはできません。一見して使えている人であっても、セキュリティに関する知識がなかったり、フォルダやファイルの整理がずさんだったりすることもあるようです。

そういう意味でも、若い人たちに、パソコンをきちんと習って使えるようになっていただきたいと思っています。

新橋駅前の写真です。(新橋教室のあるビルから)

新橋駅前

パシフィコ横浜の「CP+」に行ってきました

パシフィコ横浜で開かれているカメラ関連の展示会「CP+」に今年も行ってきました。

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たまたま行ったのが土曜日だったので、かなり混んでいましたがそれほど待たずに入場できました。

今回目にした新しい製品は、Canonの「Connect Station CS100」というものです。

Canon CS100

この機器は、例えていうと、近距離無線通信機能(NFC)と無線LANを備えた1テラバイトのハードディスクで、カメラを近づけるだけで、撮影した写真をハードディスクに取り込むことができ、さらにその写真を日付やカメラの種類別など自動で保存してくれます。また、HDMI端子を持っているので、テレビなどで直接写真を見ることができます。

この商品の一番のポイントは、写真を保存したり、整理したりするのに、パソコンを用いる必要がないということです。

NFCというのは、Near Field Communicationの略で、すでにSUICAやPASMOで使われている非接触型の通信技術のことです。最近は、NFC機能を持ったカメラが発売されるようになっていて、カメラをこの機器に近づけるだけで、写真ファイルのデータが自動で転送されるということだそうです。

カメラの裏に「NFCマーク」が付いていれば、対応できるそうですが、残念ながら私の古いカメラでは無理のようです。

この機器の詳しい説明が知りたい方は、こちらのPDFを参照してください。

CP+の会場は、例年は1階部分だけの展示なのですが、今年は2階の会場に写真の展示や、アウトレット販売などもあって、機器関連とそれ以外を分けていたようです。

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昔なつかしいカメラたち

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2階の会場入り口 (親子連れですね~)

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ジャングル大帝みたいな風格の猫 (写真の展示会場にて)

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肩と腰の柔軟体操をする猫 (写真の展示会場にて)

今年も、かなり盛り上がっていた展示会でした。

毎年、この時期に横浜で開かれているので、興味のある方は、来年行ってみてください。
ホームページでCP+を検索すれば、無料で入場できる申し込みがあります。

Surfaceの電源に関わるトラブルとBIOSのしくみ

Surface Pro3

以外と知られていないようですが、タブレットの電源のトラブルは、結構多いようです。

タブレットはノートパソコンと違って、電源の交換ということができません。もちろん、分解することも不可能なので、個人でなんとかできるような代物ではありません。

不思議なのは、アンドロイドのスマホだけは、簡単に背面パネルが外せて、バッテリーの交換ができる構造になっていて、この点は妙に感心したりします。

スマホやタブレットで充電が突然できなくなったというトラブルは、結構あるのですが、購入してすぐであれば、新品と交換したりできるので大きな問題にはなっていないのかもしれません。

昨年末に、知人の持っているSurfaceで、この電源問題が起こり、マイクロソフトに電話していろいろと試したのですが、解決することができませんでした。

問題となったSurfaceはSurface RTという初代のタブレットPCなのですが、聞いてみると、去年の8、9月ごろに行ったWindows Updateを境に充電ができなくなったということでした。

症状としては、AC電源をつなげて放置しても、バッテリーが0%から全く上がってこないというものでした。もちろん、AC電源がないと、全く起動することもできない状態でした。ネットで調べてみると、同じようなトラブルが多数発生していることがわかりました。

最終的には、問題が解決しない場合は、定価の半額程度の値段で新品と交換するサービスがあるとのことでしたが、その料金で別のタブレットPCを購入した方が賢明と考える人も多いのではないかと思います。

マイクロソフトのサポートに、いろいろと聞く中で、Surfaceのシステムが一般のパソコンとはかなり違ったものになっていることがわかりました。

Surfaceには、Surface RT(単にSurfaceと呼ばれることもある)というタブレットタイプと、Surface Proというパソコンタイプの2つのタイプがあります。現在広告等でよくみるSurface Pro3というのは、パソコンタイプになります。この2つのタイプは、外見上はよく似ているのですが、そのOSの構造はかなり違ったものになっています。

Surface RTは、一見すると通常のパソコンと変わらないように見えますが、マイクロソフトのアプリをダウンロードすることはできても、一般のソフトやフリーソフトをインストールすることは全くできません。一方、Surface Proは、通常のパソコンと同じように、一般のソフトやフリーソフトなどを自由にインストールすることができるWindows 8.1を搭載しています。

この2つのSurfaceですが、実は一般のパソコンと根本的に違うことがあります。それは、BIOSというシステムに関する点です。

通常のパソコンでは、マザーボードに接続されたデバイスを管理するBIOSというプログラムを持っており、このBIOSを直接アップデートするBIOS Updateという仕組みを持っています。

ところが、Surface RTおよび、Surface Proについては、BIOS自体を直接Updateするのではなくて、BIOSとOSの間をつなぐ、Unified Extensible Firmware Interface (UEFI) というファームウェアをアップデートすることでBIOSの機能を変化させていくという仕組みを持っています。

このUEFIと呼ばれるファームウェアは、未来のBIOSということで、パソコンのブート時のセキュリティを強くしたり、起動時間の短縮に貢献したりする優れた機能をもっており、今後のパソコンやタブレットで普及していくしくみになるようなのですが、今回のSurfaceのバッテリーの不具合は、このファームウェアの不具合により発生したものらしいということです。

一般に、BIOSは起動の管理、CPUの管理、メモリの管理、記録装置の管理、電源の管理、日時の管理などパソコンの基本的な管理を行うものです。このためBIOS Updateは慎重に行わなければならず、Updateに失敗するとパソコンが起動できなくなります。

一方、UEFIと呼ばれるファームウェアは、BIOSを変更することなくパソコンの管理レベルに変更を加えることができるソフトウェアというものらしいのです。BIOSを直接変更することがないので、一見して安全に運用ができると思われるのですが、実はUEFIと呼ばれるファームウェアの更新に失敗してしまうと、パソコンに致命的な影響がでるという危険性もあるのです。

SurfaceRTやSurface Proの場合、UEFIファームウェアの更新は、Windows Updateでやってきます。ですから、Windows Updateの途中で何等かのトラブルが生じてしまい、UEFIが正常に更新されなければ、今回のようなバッテリーのトラブルを引き起こしてしまう可能性があります。

昨年、Suface RTおよびSurface Proに対して行った、UEFIのアップデートにおいて不具合があり、それをその後修正したプログラムを配布したのですが、最初の不具合のあるファームウェアをインストールした時点でUEFIのプログラムに関わる部分にエラーが生じ、その後の修正プログラムが有効に働かないということで、問題が発生したようです。

これに対して、マイクロソフト側は、Surface Proに対しては、手動でUEFIファームウェアをダウンロードできるサイトを公開して対策をとり、これによってSurface Proのバッテリー問題は解決したようです。

しかし、Surface RTにおいては、一般のプログラムをダウンロードしても、それを実行することができないというOSですので、直接UEFIをダウンロードすることはできず、Windows Updateで修正パッチをインストールして元に戻らなければ打つ手がないということでした。

つまり、結果的に見れば、UEFIというファームウェアが、一般のWindows Updateといっしょに配布されることが、今回のようなトラブルのキッカケが作ったのではないかと思われます。

できれば、Windows Update以外のメンテナンス画面などで、UEFIファームウェアの更新は行われるべきではないかと個人的には思いました。

ちなみに、私もSurface RTを持っているのですが、バッテリーの不具合もなく今まで正常に動いています。おそらくWindows Updateに失敗しなかったのだと思われます。

この問題は、単にSurfaceだけの問題ではなく、一般のタブレットについても、同じような危険性があることを示しています。タブレットのシステムの根幹にかかわるBIOS自体をどのような形でアップデートするのが一番いいのかは、今後の課題になっていくと思います。

USBメモリーは壊れることがあります

最近のことですが、使用していたUSBメモリからデータが読み出せなくなったという相談を受けました。
(いずれも、SONYのUSBメモリでした)

sony-USBメモリ
(SONYのUSBメモリ、たぶん、持っている人が多いと思われるタイプです)

最近は、大容量化が進んで、価格も安くなったことにより、USBメモリは外部ストレージとして頻繁に使用している方が増えてきているようです。

しかしながら、USBメモリは、あくまでもメモリであり、何らかの電気的なショックで壊れることがあるということも知っておくべきだと思います。

たとえば、パソコンからUSBメモリを外そうとした時に、
「このデバイスは使用中です」
というような警告が出た場合、あなたならどうしますか?

すでに、デスクトップ上には、開いているファイルがない状態だとしても、上記のような警告が出てくることがたまにあります。

このような場合は、USBメモリを勝手に引き抜くと、内部のメモリに不具合が生じて、最悪の場合メモリからデータが読み出せなくなってしまうこともあります。

Baffalo USBメモリ
(BaffaloのUSBメモリ)

実は、USBメモリには、2つのタイプがあります。それは「SLC」と「MLC」というタイプの2つです。
・SLC(Single Level Cell)
・MLC(Multiple Level Cell)

SLCのタイプでは、1つの記録素子に対して、1つの情報を書き込むというタイプで、高速でかつ、耐久性の高い書き込みや読み込みが可能ですが、価格はそれなりに高くなります。

一方、MLCのタイプでは、1つの記録素子に対して、2つの情報を書き込むタイプで、SLCに比べると、高速ではなく、耐久性も劣りますが、大容量化しやすく、価格が安いという特徴があります。

実は、パソコン量販店などで、USBメモリを購入する場合、商品の説明の中にはSLCとMLCの区別は書かれていません。これは、メーカーのサイトでも同じで、そのような仕様を書いていないことが多いのです。
(おそらく、現在のUSBメモリはMLCタイプの方が主流かもしれません)

一般的には、耐久性が高いという表現や、10万回以上書き込みができると書かれていたら、SLCタイプと考えていいと思います。

これまで、USBメモリは壊れないと考えられてきたのですが、最近のUSBメモリはMLCのタイプが増え、大容量になってきているので、中には壊れやすいものがあるようです。

しかし、使い方さえ間違わなければ、すぐに壊れるということはありませんので、誤解のないようにしてください。

一般に、ハードディスクの場合は、壊れるときには、ゆっくりと壊れていくのですが、USBの壊れ方は一瞬で壊れるといった感じです。つまり、おかしくなったときには、データのバックアップは全く取れない状態になります。

ですから、USBメモリにデータを保存する場合は、パソコンのハードディスクの中にも同じデータがあるようにしておくとか、外付けハードディスクにデータをバックアップしておくとかの用心が大切です。

USBメモリが壊れたときの現象としては、「フォーマットしてください」というメッセージがでてきます。

私も壊れたUSBメモリからデータ救出ソフトを使って、データを取り出すことができないかを検討してみたのですが、データには全くアクセスすることもできませんでした。

最終的には、特別な業者さんでUSBメモリを分解して、メモリ部分から壊れていないデータを取り出すことしか手段はなくなりますが、料金的には、かなりの金額(5万~10万円程度)が必要になります。

このようなことにならないように、日ごろから「データは2か所にバックアップする」という鉄則を実行するようにしてください。

さらに、もう一つ、大切なことがあります。

一般に、USBメモリはWindowsとMacintoshの2つのOSに対応させるために、FAT(exFAT)形式でフォーマットされているのがほとんどです。もしあなたが、WindowsだけでUSBメモリを使うような場合は、購入後すぐに、Windowsのパソコンで、NTFSフォーマットに変えた方が、ファイルやフォルダにエラーが生じにくくなり、データの安定性が増すと思います。

このことは、外付けハードディスクを購入した場合にも同じことが言えます。FAT(exFAT)のフォーマットではハードディスクのデータは壊れやすくなりますので、Windowsでお使いの方は、NTFSフォーマットで再フォーマットしてから使うようにしてください。(Macintoshの方は、Mac OS 拡張形式[HFS+]でフォーマットする)

ちなみに、LANハードディスクの場合は、EXT3というLinuxで使われるフォーマット形式となっていますので、これは別物と考えてください。

いずれもしても、ハードディスクにしても、USBメモリにしても、SDカードにしても、フォーマット形式というものがあって、使用するOSや機器により、最適なフォーマット形式があるということです。