12月だから考えるパソコンデータのバックアップ

fideco パソコン教室

今年も12月になって、お掃除の季節ですね。

部屋のお掃除も大切ですが、パソコンの中のお掃除もきちんとやっておきましょう。

1.パソコンのお掃除は、「こんまり」みたいにはいかない

※「こんまり」とは、近藤麻理恵さんのことで、片付けコンサルタントしてして活躍されている方です。(こんまりさんのホームページはこちら

パソコンで作成したファイルやダウンロードしたソフトなどをじっくり見てみると、使っているわけじゃないけど捨てられないというものが多いと思います。

パソコンの中でのファイルデータは一旦削除してしまうと、復元することはかなり難しいので、安全のためにとりあえず保存しておこうと考えてしまうからです。

かといって、同じようなファイルデータが重複したり、どれが新しいデータかわからないというような場合には、整理して、いらないものを削除することも大切です。

私の経験から言えば、本当に必要なファイルは、ここ1年くらいのものだけで、それより前のファイルは、大方はいらないファイルだと思います。

ところが、パソコン教室をやっていると、昔の生徒さんが突然来て、以前作成したファイルを持っていないかと聞かれることがあるので、不要なファイルと思われるファイルであっても、後生大事にとっておくという習性があるんですね。

一般的な会社であれば、経理などのデータであれば5年間は保存しなければならないという決まりがあるので、普通で考えれば5年を越えたものは捨てても問題ないと思います。

 

2.捨てるのはなく、アーカイブという方法がある

そこで、考え出したのがアーカイブという方法です。

アーカイブという意味は、「書庫に入れる」という意味なのですが、要するに今使っているパソコンの中のデータを、そのまま別のハードディスクに移動して、そのハードディスクを保存するという方法です。

必要なものだけをパソコンに入れておいて、昔の物は必要になったときに、ハードディスクの中から探してくるというわけです。

その方法は、こんな感じです。

 

(1)外付けのハードディスク(SSD)にすべてのデータを保存する

外付けのポータブルハードディスク(もしくはSSD)の中に、「2019年データバックアップ」(今年の場合)というフォルダを作成します。

そのフォルダの中に、パソコンの中の「デスクトップ」「ドキュメント」「ピクチャー」「ビデオ」「ミュージック」「ダウンロード」「お気に入り」「OneDrive」などのフォルダをコピーして保存します。

この時、特に整理とかはする必要はなくて、現状のまま保存します。
※コピーした後に、きちんと保存できていることを、十分に確認してください。

 

(2)その後、パソコンの中のいらないファイルやフォルダを削除する

外付けのハードディスク(SSD)にすべてのデータが保存されたら、今度はパソコンの中の不要なファイルやフォルダを削除していきます。

すでにバックアップが取られているので、安心して削除することができます。

ついでに、フォルダ構成などを変更して整理するようなこともできます。

そして、来年に向けて、きれいに整理したパソコンが出来上がります。

 

(3)外付けのハードディスクやSSDは机の引き出しに入れて保管する

今年のデータが保存されたハードディスク(SSD)には、必ずシールを貼って、その上に「2019年データバックアップ」という文字を書いておきます。

ちなみに、このハードディスク(SSD)は、日頃使わないようにしてください。そして、再び年の終わりになったときに、次年度のデータのバックアップを同様の方法で行います。

もし、突然昔のデータが必要になったときは、ここから探してパソコンにコピーすればいいだけです。

一つだけ必要なことがあります。ハードディスク(SSD)は、環境が悪いと故障することもあります。湿気や埃のない環境で保存するようにしてください。

 

3.日々の安全なバックアップを考える

年末のバックアップは、前述のことでなんとかなったとしても、日々のデータを安全にバックアップするためにはどうしたらいいでしょうか?

規模の大きな会社では、「専用のファイルサーバー」や「クラウドサーバー」があり、システム部門の人もいるので心配はいりませんが、ネットワークの不具合などによりデータにアクセスできないという不具合が生じる可能性はあります。

規模の小さな会社では、NAS(Network Attached Storage)といわれるネットワーク上の専用ファイルサーバー機器を導入しているところが多いと思います。このNASと言われる機器は、内部にハードディスクを持つ簡易ファイルサーバーですが、365日稼働しているので、機器の故障なども考えられ、定期的にデータをバックアップをすることが必要です。

もっと規模の小さい自営業や個人の方は、USBハードディスクなどに、大切なファイルデータのバックアップなどをとっているか、OneDriveなどのクラウドに同期バックアップを行っていると思います。個人の方の場合は、USBハードディスクの寿命も考えて、2つ以上のUSBハードディスクにコピーをとっておくことが安全といえます。

 

4.クラウドへの大容量のバックアップは向かない

クラウド上にデータを保存することは、とても安全です。

一部では、クラウドにあるデータは安全なのかと疑問を持つ人もいますが、私の経験から言えば、他人との間で共有データを持つような設定さえしなければ、全く問題ないと思われます。

特に、最近のOneDriveでは、パスワード管理ができる「Vault」という機能もできていますので、上手に使えばかなり安全に使えると思います。

ただ一番問題なのは、インターネット回線を利用してデータを保存することは、保存スピードがかなり遅いという点です。つまり、大容量のデータを保存するという点は、あまり効率的とは言えません。

クラウドにデータを保存することの利点は、いろんな場所でパソコンやスマホからデータにアクセスできるという点です。本当に必要なデータに絞ってクラウドに保存することが大切だと思います。

 

5.NASでのデータ共有は便利だが、データのバックアップには時間がかかる

NASといえば、バッファローが有名ですね。Link StationやTera Stationなどのブランドがあり、これまで多くの方が使ってきていると思います。

Tera Stationは、かなり高額な機器ですが、4台のハードディスクを使ったRAID5システムを組むことができるので、ハードディスクの故障にも柔軟に対応でき、ネットワーク上で安定してファイルサーバーとして使用できます。

ただし、大容量のデータの移動や、バックアップに対しては、ネットワーク回線を使うので、実際には長時間のバックアップ時間が必要になります。昼間は稼働しているので、夜にバックアップと行うようになると思います。

一方、Link Stationは2台のハードディスクを内蔵しており、2台を1台のハードディスクとして使用するストライピングや、1台のデータをもう1台で常時バックアップするミラーリングなどの機能を持っています。

しかし、購入時にはストライピングで設定されているため、もしハードディスクが故障した場合は、データの復旧がとても大変で、問題のある機器になってしまいます。

このため、Link Stationを使用する場合は、別のハードディスクへ頻繁にバックアップするか、もう1台のLink Stationへのミラーリングといった手段でデータを守る必要があります。

いずれにしても、NASの場合は、ハードディスクのフォーマットもLINUXタイプのフォーマット形式になっていることもあり、データ復旧は専門の業者に依頼するしか方法はありませんので、運用にはバックアップが必須となります。

 

6.USBハードディスク(USB-SSD)へのコピー速度は最高に速い

最近のパソコンの場合、USB3.0もしくはUSB3.1といった端子が付属しており、これに対応しているUSBハードディスク(USB-SSD)であれば、かなりの高速でバックアップが可能です。

特に、パソコンで毎日バックアップを取るような場合は、所謂、差分バックアップソフトを使用すれば、非常に高速でバックアップが可能です。

恐らく、ネットワーク回線に比べれば、10倍~50倍近い速度だと思います。

個人の方であれば、この方式でバックアップを取るのが最も効率的だと思います。

問題は、ハードディスクやSSDの寿命という部分だけです。

最近は、SSDの価格が低価格になっていることもあり、「外付けUSB-SSD」という製品もかなり増えてきています。SSDはハードディスクよりも、高速で読み込みや書き込みができ、さらに低電力で振動もないという優れものです。

ただし、同一場所への書き込みが一定数を超えると書き込み性能が落ちるという性質もあるので、寿命は3年~5年というのが一般的です。

ハードディスクも3年~5年でエラーが増えてきますので、SSDだからというわけではなく、バックアップストレージは、3年程度で交換していくということは大切です。

 

7.「HDD/SSDスタンド」という共有&バックアップシステムを提案しています

個人的な話ですが、NAS機器が高額であるという点や、NASだとバックアップに時間がかかるという点を考慮して、「HDD/SSDスタンド」という新しいタイプのファイル共有&バックアップシステムを提案しています。

下の図は、FIDECOという会社の製品ですが、3.5インチハードディスク、2.5インチハードディスク、SSDなどを2つ接続することができる「HDD/SSDスタンド」です。

WindowsパソコンやMacパソコンに対応しています。

HDD/SSDスタンド FIDECO

3..5インチハードディスクを2台接続することもできますし、SSD1台とハードディスク1台という組合せでも大丈夫です。

個人的なお薦めは、SSDを2台購入して、この「SSD/SSDスタンド」にすることです。

この「HDD/SSDスタンド」はUSB3.0でパソコンに接続できます。パソコン上では、2台のSSDは別のドライブとして認識されます。

さらに、このFIDECOの「HDD/SSDスタンド」は、HDD(SSD)→HDD(SSD)の完全コピーにも対応しており、パソコンのハードディスクの交換時などにも利用できます。

さらに、前面にはSDカードの差し込みや、USB3.0の端子2つもついていて、ドッキングステーションとして、別の機器を接続することもできます。

HDD/SSDスタンド FIDECO

HDD/SSDスタンド FIDECO

このスタンドの手前に接続されたSSDドライブの中に「share」というフォルダを作成して、それを「フォルダ共有」します。

つまり、フォルダ共有することにより、小規模LANの中でファイルサーバーとして利用することができます。(本機器を接続するパソコンで共有の設定は必要になります。また接続するパソコンが起動していないとフォルダの共有はできません。)

特に、SSDドライブでファイル共有すると、非常に高速で読み書きが可能になります。

一方、スタンドの奥に接続されたSSDドライブは、共有されたフォルダ「share」のバックアップを行うためのものです。この奥のドライブは、3.5インチや2.5インチのハードディスクでもかまいませんが、ハードディスクの場合は、振動や熱がでるので、バックアップ側もSSDドライブにするととても静かです。

本機器を接続するパソコンに、差分バックアップ用のソフトを入れて、定期的に手前のSSDのデータを奥のSSDにバックアップすることができます。

USB3.0での接続ですし、どちらもSSDドライブということで、バックアップ時間は非常に短く、効率的なバックアップが可能になります。

さらに、接続するSSD(ハードディスク)は、パソコン側でフォーマットできますので、何かあったときでも、WindowsやMacのパソコン側ですぐに認識できるという利点もあります。

また、何よりも電源を落とせば、すぐにSSD(ハードディスク)を取り外せるので、交換も容易です。

興味のある方は、購入してみてください。なお、SSDは別に購入する必要があります。

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