RufusでWindows10をWindows11に安全にアップグレードする方法

RufusでWindows10をWindows11に安全にアップグレードする方法 パソコン・タブレット

Windows10をWindows11へアップグレート出来るか否かは、「Windows PC正常性チェック」というチェック用のアプリを実行することで、判別できます。

Windows PC正常性チェックアプリの使用方法(マイクロソフト)

すでに、このチェックを行い無理だと思っている方も多いと思いますが、パソコンのスペックがそれなりにあれば、全く問題なくWindows11にアップグレードする方法があります。その方法が、「Rufus」というアプリを使ったアップグレード方法です。

 

1.安全にWindows11にアップグレードするために、パソコンのスペックと状態をチェックしてください

Rufusを使えば、Windows11の必要なスペックを無視してどんなパソコンでもアップグレードが出来ると考えてはいけません。Windows11になった時に快適に使えるための最低限のスペックやパソコンの状態を考えてアップグレードするか否かを決定する必要があります。

私個人が考える最低限のスペックと状態を示します。これはマイクロソフトが発表しているシステム要件とは必ずしも一致していませんが、快適な使用と安全なアップグレードのために必要なスペックです。

(1)ハードディスク(SSD)の空き容量が最低でも64GB以上あること
パソコンは、OSがインストールできればいいだけではなく、その後のWindows Updateやアプリのための容量も必要です。

(2)メモリ容量は、8GB以上あること
マイクロソフトが示すシステム要件は4GB以上となっていますが、4GBではWindows11になったときに、絶えず仮想メモリを使用することなるので、実用的には4GBだと快適な使用にはならないと思われます。8GBのメモリがあれば、十分な性能で動作します。

(3)Windows10のWindows Updateが最新になっていること
これは、Windows11をインストールするにあたり、安全にインストールするためにはWindows10のアップデートレベルが低すぎると、トラブルに発展する危険性が高いためです。特にドライバやBIOSなどのアップデートがあれば、事前に積極的に行っておく必要があります。(Windows10のオプションのアップデートもすべて行っておく必要があります)

(4)ハードディスク(SSD)の暗号化をOFFにしておくこと
Windows10のパソコンでもハードディスク(SSD)が暗号化されているものがあります。暗号化されていると、トラブルがあったときにパソコンが起動できなくなるなどの危険性があります。設定などを確認して、暗号化されていたら、必ず暗号化をOFFにしてください。

(5)パソコンのエラーを完全になくしておくこと
アップデート途中で最も危険なことは、ハードディスク(SSD)のエラーや、システムのエラーです。以下の方法で、エラーの修復を行ってください。

  • ディスクのクリーンアップ
    エクスプローラーでPCの中のCドライブを右クリックして、プロパティを選択します。プロパティの画面で、「ディスクのクリーンアップ」ボタンを押して、出てくる画面の中のチェックボックスをすべてチェックしてOKボタンを押し、削除を実行します。
  • エラーチェック
    上記のプロパティの中の「ツール」タブを開き、エラーチェック項目の中の「チェック」というボタンを押します。続けて「ドライブのスキャン」という文字の部分をクリックすると、スキャンが始まります。通常5分以内に終わります。
  • スタートメニューのプログラムからコマンドプロンプトを探し、右クリックして「管理者として実行」を選択します。ユーザーアカウント制御のダイアログが出るので、「はい」を選択します。コマンドプロンプトの中に「sfc /scannow」と入力して、Enterキーを押します。チェックが始まりパーセントが上がってきます。このコマンドを実行することで、システムファイル内のエラーがチェックされ、修復が行われます。

上記の処理が終われば、いよいよRufusのダウンロードをしましょう。

 

2.RufusとWindows11のISOファイルを用意する

Rufusというアプリは、無料のアプリとして信用できるサイトで手に入れることができます。このアプリを使用することで、Windows11の要求スペックに達していないパソコンであっても、Windows10をWindows11にアップグレードしてくれるという優れたアプリです。

現在、窓の杜というサイトからダウンロード可能です。
Rufusのダウンロードページ

RufusでWindows10をWindows11に安全にアップグレードする方法

具体的には、このアプリに加えて、Windows11のISOファイルというものが必要になります。こちらのISOファイルもMicrosoftのWindows11のダウンロードページから貰ってくることができます。

Windows 11 のダウンロードページ
このページからのISOファイルのもらい方は、以下の図のようになります。

RufusでWindows10をWindows11に安全にアップグレードする方法

最初に、Windows11(x64デバイス用のマルチエディションISO)を選択して、「今すぐダウンロード」ボタンを押して、ダウンロードする言語を選択します。最後に「64ビット ダウンロード」ボタンを押すと、ダウンロードが開始されます。

RufusでWindows10をWindows11に安全にアップグレードする方法

上記2つのファイルをダウンロードフォルダに入ったら準備完了です。

 

3.8GB以上のUSBメモリを用意してください

Rufusというアプリは、Windows11のインストールUSBを作成してくれるアプリです。このため、8GB以上のUSBメモリが必要となります。ここで使用するUSBメモリは、インストールUSB作成のために、最初にフォーマットが行われますので、中に入っているデータはすべて消去されてしまいますので、注意してください。

最近は、家電量販店だけでなく、コンビニなどでもUSBメモリが購入できますので、新しいUSBメモリを購入されるのもいいかと思います。ちなみに、現時点で8GBのUSBメモリは販売されていませんので、おそらく32GBのUSBメモリを購入することになるかと思います。

 

4.ダウンロードされたRufusを起動します

まず、パソコンに周辺機器が接続されていたら、すべて外してください。それから、使用するUSBメモリをUSBポートに差し込みます。

ダウンロードされたRufus(ここでは、rufus-4.8.exe)をダブルクリックしてください。
それから、以下のような画面になるように設定を行ってください。

RufusでWindows10をWindows11に安全にアップグレードする方法

一番上にあるデバイスには、接続されているUSBメモリの名前が表示されています。
選択ボタンを押して、ダウンロードしたWindows11のISOファイルを選択してください。そうすると、ブートの種類という欄にISOファイルの名称が入ります。

その他は自動的に設定された状態になるので、変更する必要はありません。
USBメモリの名称は、最終的に「CCCOMA_X64FRE_JA-JP_DV9」となります。

そこで、「スタート」というボタンを押すと以下の画面が出てきます。

RufusでWindows10をWindows11に安全にアップグレードする方法

この画面がとても重要な設定画面です。すべてチェックをして、ローカルアカウントを次の名前で作成という欄には「user」と書いておきましょう。実は、このローカルアカウント名には特に意味はなくて、既に使われているマイクロソフトアカウントやローカルアカウントが変更されることはありませんので、安心してください。

すべてチェックしておけば、いろんな制約から逃げられると考えてください。
次に、OKボタンを押すと、以下の警告が出てきます。

RufusでWindows10をWindows11に安全にアップグレードする方法

簡単に言えば、USBメモリはフォーマットされるので、データがすべて消去されてしまうという警告です。OKボタンを押します。

ここで、元のRufusの画面に戻って、Windows11インストール用USBの作成が開始され、緑の帯が少しづつ伸びていきます。かなり待ちますが、終了すると以下のような画面となります。

RufusでWindows10をWindows11に安全にアップグレードする方法

緑のバーの上に「準備完了」が出たら、終了です。Windows11インストール用USBが完成しましたので、Rufusの役割はここで終わりです。「閉じる」ボタンを押して画面を閉じます。

 

5.Windows11へのアップグレードを開始します

いよいよWindows11へのアップグレードの実行になります。

エクスプローラーのPCアイコンを開けて、USBメモリを確認してください。

RufusでWindows10をWindows11に安全にアップグレードする方法

上記の図のように、USBメモリの名称として「CCCOMA_X64FRE_JA-JP_DV9」が確認できます。それでは、このUSBのドライブをダブルクリックして開きましょう

RufusでWindows10をWindows11に安全にアップグレードする方法

この中に、「setup.exe」というファイルがありますので、このファイルをダブルクリックしてください。

RufusでWindows10をWindows11に安全にアップグレードする方法

これは、警告だけなので、「はい」を選択してください。

次に出てくるのは「Windows11のインストール」という画面ですが、ここで注意が必要です。
ここでは、必ず、「セットアップでの更新プログラムのダウンロード方法の変更」という青い文字をクリックしてください。

RufusでWindows10をWindows11に安全にアップグレードする方法

「セットアップでの更新プログラムのダウンロード方法の変更」という青い文字をクリックすると、以下の画面になります。

RufusでWindows10をWindows11に安全にアップグレードする方法

ここでは、「今は実行しない」をチェックしてください。
さらに、一番下にある「インストールの品質向上に協力する」のチェックは、必ず外してください。

そして、次へボタンを押します。

RufusでWindows10をWindows11に安全にアップグレードする方法

こちらは、ライセンス条項ですので、もちろん「同意する」ボタンを押してください。

次に出てくるのは以下の画面です。

RufusでWindows10をWindows11に安全にアップグレードする方法

この画面は、使用しているパソコンがWindows11のシステム要件をクリアしていないということと、それらを承知した上でインストールしているかという確認の画面です。

ここでは、「承諾する」というボタンを押します。

次の画面が最後の画面となります。

RufusでWindows10をWindows11に安全にアップグレードする方法

この画面では、Windows11のインストールの確認と、個人用ファイルを引き継ぐかどうかの選択の画面となっています。

パソコンのOSが「Windows10 Home」の場合は「Windows11 Home」がインストールされますし、「Windows10 Pro」の場合は「Windows11 Pro」がインストールされます。

個人用ファイルを引き継いだ場合は、個人のデータはそのままWindows11に引き継ぎが行われます。ここで引き継ぐものを変更することもできますが、複雑になるので、そのままで問題ないと思います。

最後に「インストール」ボタンを押すと、Windows11のインストールが開始されます。

しばらく、青い画面になりインストールが進行した後、黒い画面で何度か再起動が行われます。

 

6.Windows11のログイン画面

すべての処理が終わると、Windows11のログイン画面が出てきます。ここでは、Windows10のアカウント情報が引き継がれていますので、これまでと同じようにログインしてください。

ログイン後は、アカウントの設定などでしばらく待たされますが、最終的にデスクトップが表示されたら、インストールは成功です。

デスクトップでは、スタートメニューが開いた状態で画面が出てきます。

RufusでWindows10をWindows11に安全にアップグレードする方法

スタートメニューの中には、「Windows10のアプリ」というようなアイコンがグループ化されています。

 

7.Windows11へのアップグレート後の作業

無事、Windows11にアップグレードがされても安心してはいけません。

まず行う作業が、USBメモリの取り外しです。安全な取り外しを行ってください。
USBメモリ自体は、インストール用として作成されたものですが、再度使用することがなければ、再度フォーマットして、通常のUSBメモリとして使用してください。

次に、スタートメニューから「設定」アイコンをクリックして設定画面を出します。

設定画面の左メニューの一番下にある「Windows Update」をクリックして、手動でWindows Updateを実行してください。「最新の状態です」と表示されるまで、アップデートを行ってください。

 

8.Rufusというアプリの有用性について

Rufusは、Pete Batardさんという方が作成したアプリです。Rufusの公式ページから推測するとアイルランドの方のようです。おそらく、世界中でRufusが使用されていると思われます。

Rufusは、単にWindows10からWindows11へのアップグレードを仲介するだけではなく、Windows11のバージョンである21H2、22H2、23H2から、24H2へのアップグレードの仲介しています。Windows11の場合、バージョンごとにサポート期限があり、パソコンスペックの関係で上のバージョンにアップグレードできないという問題がよくあります。

さらに、私のように昔のMacを使っていたような場合で、MacにWindowsを導入するBootCampという機能があったのですが、CPUがIntelからARM系のCPUに変更になったため、BootCampという機能がなくなりました。

以前のMacでBootCampでWindowsを導入されていた場合、現在Windows10をMacで使用している方も多いのではないでしょうか。このような場合でもRufusを使用すれば、BootCamp上のWindows10をWindows11にアップグレードすることが可能です。

Rufusを使ってアップグレートした場合、パソコンのスペックが足りていないことは事実なので、そういう意味でWindows11の標準機能で何らかの制約があるかもしれませんが、それを加味しても、十分に動くパソコンを廃棄せずに、有効に使う方がより意味あることだと思います。

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