1999年に購入した 「iMac DV」をずっと捨てずに持っています。
何しろ、ブラウン管のパソコンなので重いのですが、久しぶりに出してきて、電源を入れました。
以前に電源をつけたときは、全く動かなかったので、たぶん壊れたなあと思っていたのですが、今回電源をつけると、不思議なのですが画面が出てきて正常に起動しました。
25年も経って動くパソコンは奇跡的です
さすが、Appleのパソコンは凄い!と思われますが、実はこのiMac DVは、その昔ハードディスクを自力で交換したことがあるんです。
Macパソコンを持っている方はご存じだと思いますが、Macのパソコンを分解することは、かなり困難で難しいんです。
10年くらい前に、内臓のIDEハードディスクを交換したんですが、ずっと押し入れに入っていたので、数年前に出して電源を入れた時は全く動かなかったんですよ。
なので、そろそろ廃棄するかなあと思って、押し入れから出してきて電源を入れたら、ちゃんと起動してきたんです。かなりの奇跡だと思います。
MacOS 9.2とMacOS XのハイブリッドOSで動きます
1999年といえば、ちょうどMacOSの切り替え時期でした。AppleではCPU自体も模索していた時期であり、ハードウェア的にもソフトウェア的にも新しい時代への切り替えが進む時期だったと思います。
MacOS9.2は、90年代に活躍したMacの最後のOSでした。その後、MacOS Xが生まれて、Macは新しい時代に入っていきます。
ちょうどその時期のモデルということで、古いOSと新しいOSの両方が動くiMacになっています。
MacOS9.2の起動
このMacOSのロゴのセンスは素晴らしくて、2人の人の顔が向き合ったデザインになっています。
古いMacOSでは、起動時に画面下に機能が1つ1つ読み込まれていくのをアイコンで表示させています。
起動してデスクトップが出てきますが、とてもシンプルなデスクトップですが、Macでは、デスクトップと呼ばずに「Finder」と呼びます。
久しぶりに古いMacOSに出会うと、アプリの起動方法を忘れていていました。昔のMacOSでは、アプリとファイルが混ざりあった状態で存在しており、今のパソコンとは全く異なる構造をしています。
ちなみに、1999年といえば、はじめてAdobeのイラストレータとフォトショップのソフトを秋葉原のソフマップで購入しました。この2つで16万円もする高いソフトでしたが、私がパソコンのインストラクターになれたのも、この2つのソフトがあったからです。
MacOS Xの起動
MacOS Xの起動は、シンプルで青いアップルのマークが新鮮です。MacOS Xは、それまでのAppleのOSとは全く異なり、Unixの流れを汲んだFreeBSDを基として作成されたDarwinというOSをベースとして使っています。
今現在販売されているMacパソコンの最初の形が、このMacOSであり、名称は「Aqua」という名称です。
ここで、初めてDockという言葉が生まれ、Mac画面の一番下にアプリが並ぶ構造が生まれました。
MacOS Xになって、ある意味Windowsと似てきました。デスクトップ、ドキュメント、ミュージック、ムービーなどのフォルダが生まれ、書類を整理して保存できるようになりました。
このOSで初めてiTunesというソフトが登場します。その後、iTunesからiPodが生まれ、音楽を持ち歩くことが当たり前になってきて、iPodからiPhoneが生まれてきて、スマートフォンの時代がやってきます。
2.5インチSATAハードディスクに改造
とりあえず、起動したというだけで、問題はありました。それは日付が1904年1月1日になっている点です。つまり、日付を保存するリチウム電池がダメになっていました。
アマゾンで純正のリチウム電池を購入しました。
このリチウム電池は、Tadiranというメーカーで3.6Vというものです。通常のリチウム電池とは異なる形状をしています。(イスラエル製です)
もう1つの改造は、IDEハードディスクをSATAハードディスクに入れ替えました。
IDEのハードディスクは、今では全く販売されていないものなので、SATA-IDE変換アダプタを購入して、SATAの2.5インチハードディスクに入れ替えました。
2.5インチハードディスク用のブラケットは、たまたま以前に購入していたものがあったので、それを使いました。
iMac DVの分解は、久しぶりに行ったのですが、なんとかリチウム電池交換と、ハードディスクの交換ができました。
ちなみに、MacOSのオリジナルディスクからOSのインストールも出来るのですが、DVDドライブがディスクを飲み込むと出てこなくなる可能性が高いので、昔のIDEハードディスクを新しいSATAハードディスクへコピーマシンで完全コピーして、使用しました。
これで、iMac DVDの改造は終了しましたが、このMacを何に使うのかという問題が残っていました。
MacOS Xでは、「iTunes」が使える
現在のMacでは姿を消したiTunesが、iMac DVのMacOS Xでは使用することができます。
iTunes Musicに保存されていた音楽も無事再生することができました。
しかし、DVDドライブが不調なので、CDからの音楽取り込みができません。
そこで、今でもiTuneをインストールすることができるWindows11のiTunesでCDをインポートして、その音楽ファイルをUSBメモリ経由でiMac DVに移動してみました。
ここで注意するのは、昔のiMac DVでは「.aif」という音楽ファイル形式が主流になっており、これに合わせた音楽ファイルを作成する必要があります。
この問題は、Windows側のiTunesにおいて、CDのインポート形式を「.aif」形式にすることで解決しました。
かくして、無事にiMac DVは、音楽を再生するパソコンとして日々使えるようになりました。
今更ながら思ったのは、iMac DVの「DV」ってDVDドライブ搭載という意味かもということです。
ちなみに、当時の価格を調べたら、17万8000円でした。今のMacと比べると非力で比べることもできませんが、当時は画期的なデザインと機能を持ったパソコンでした。
25年前に購入したパソコンが、今でも動作するということは、奇跡的だと思います。どこまで壊れずに使えるかはわかりませんが、大切に使ってみようと思っています。