古いMacMiniのリカバリー方法。BootCampも。

MacOS High Siera パソコントラブル

Macパソコンでは、かなり古いパソコンであっても、ネット上からリカバリーする方法が用意されています。

この方法は、MacパソコンのSSDを交換するような場合に、MacOSをゼロから導入することができるので、有効な方法になります。

古いMacパソコンのAppleのサポートは終了していたとしても、リカバリーのためにネット上に過去のOSが用意されているというのは、とてもすごいことです。そこがAppleとMicrosoftとの大きな違いと言えるでしょう。

 

1.古いMacMiniの起動が全く出来なくなる

昔から使っていたMacMini(MacMini Server Mid 2011年モデル)が、先日突然起動しなくなりました。このMacはハードディスクをSSDに変更して使っていたもので、さらにBootCampにWindowsを入れていて、当初はWindows7 Proを導入しており、その後Windows10までアップグレードしていました。

最近、Rufusを使ってWindows11までアップグレードして、順調に使えていたのですが、先月(2025年9月)のWindows Update後の再起動したところ、起動できなくなりました。たぶん、Windows11の要件とするハードウェアでは当然ないので、このようなことが起こったのだと思います。

ちなみに、もう1台の古いMacMiniも持っているんですが、こちらのMacのバージョンはLate 2014なのですが、こちらでもBootCampを使用しており、Rufusを使ってWindows11までアップグレードを行っていますが、こちらは最新のWindows11のWindows Updateで不具合は起きていません。

たぶん、2011年のMacMiniなので、最新のWindows11との相性が悪かったのだと思います。しかし、その後、MacOS側も起動できなくなり、完全に起動不可となってしました。とりあえず、SSDの不調かもしれないということで、SSDを交換することとしました。

 

2.新しいSSDへの交換

MacMiniの利点は、裏の蓋を開けると、メモリ増設やSSDを交換できる点です。この時注意することは、分解は結構難しいので、Youtube動画で同じモデルの分解動画を見ながら行うことです。

参考にした動画です
MacMiniの分解動画(Youtube)

SSDは、標準のMacフォーマットをしておいた方が、SSDとして認識されやすいので、他のMacを使って、SSDをUSB接続して、Macフォーマットをしておきました。

無事、SSDの取り付けが終わったら、MacOSのインストールとなります。

 

3.MacOSのネットからのリカバリー方法

実は、全くOSの入っていないSSDに、MacOSをインストールするというのは、ほとんどの方は体験したことがないのではと思います。

ところが、実はMacには「必殺技!」が用意されているんです。

Macは、WiFiでインターネットに接続さえできれば、初期の工場出荷の状態のOSをネットからインストールできるんです。

・Option+Command+Rキー(購入時のOSにリカバリー)
・Option+Shift+Command+Rキー(そのMacが対応している最新のOSにリカバリー)

ただし、そこには条件があるんです。キーボードは純正のキーボードである必要はありませんが、マウスはアップル純正のマウスが必要になるんです。

リカバリーをする上で、マウス操作が必須なのですが、アップル純正のマウスでないと認識されないということがあります。

今回は、MacMiniというデスクトップパソコンのリカバリーなので、純正マウスが必要なのですが、ノートパソコンの場合は、タッチパッドがあるので、マウスは不要だと思われます。

接続したMacキーボードの Option+Command+Rキー(Windowsキーボードの場合はAlt+Windowキー+Rキー)を押しながら、電源ボタンを押してしばらくすると、画面上にリカバリーの起動アイコンが現れてきます。

※今回のMacMiniは、かなり古いOSのためか、最新OSにリカバリーする方法を試してみましたが、うまく行きませんでした。なので、購入当初のOSへのリカバリーを選択しました。

ここで、まず最初に、起動アイコンの下にあるWiFiのネットワークの選択欄から、使用可能なWiFiを選択して、接続パスワードを入れ、あらかじめWiFiを使える状態にしておく必要があります。

あとは、リカバリー起動アイコンを選択し、Returnキー(Enterキー)を押して、長く、長く、待つということになります。

たぶん、アップルのサーバーがMac本体を認識すれば、購入時の初期OSがダウンロードされて、インストールが行われるようです。

MacOSがインストールされると、最初にキーボードの言語設定のために、キーボードにある左右のShiftキーの横にあるキーを押すように指示されます。

この操作により、キーボードの言語が設定されます。(私の場合は日本語キーボードが認識されました)

その後、ユーザー名とパスワードなどの設定をすれば、無事MacOSとして起動できるようになります。

ちなみに、今回のMacMiniの初期MacOSは「Lion」でしたので、その当時の「Lion」が無事インストールされました。2011~2012年ごろのMacOSですので、はっきり言って、かなり古いアプリが入っている状態です。Safariを開いても、現在のネットのセキュリティにブラウザが全く対応していないので、インターネットのページは全く見えない状態です。

とりあえず、LionのMacOSの最新アップデートをしましたが、Lion以上のMacOSになることはありません。

このような状態から、MacOSをどうやって、新しいMacOSにアップデートしていくのかというのが次の課題になります。

ちなみに、Mid2011モデルのMacMiniの場合、アップデートできる最も新しいMacOSは「High Siera」となるようですので、「High Siera」までのアップデートを目指しました。一度に「High Siera」までOSをアップデートすることはできませんので、段階的にアップデートしていくことにしました。

(参考)年代別MacMiniとアップデート可能OSとの関係(現時点)

CPU 年代 発売時のOS アップデート最大OS
Intel Early 2006 Tiger (10.4) Snow Leopard (10.6)
Intel Late 2006 Tiger (10.4) Snow Leopard (10.6)
Intel Mid 2007 Tiger (10.4) Lion (10.7)
Intel Early 2009 Leopard (10.5) EI Capitan (10.11)
Intel Late 2009 Snow Leopard (10.6) EI Capitan (10.11)
Intel Mid 2010 Snow Leopard (10.6) High Siera (10.13)
Intel Mid 2011 Lion (10.7) High Siera (10.13)
Intel Late 2012 Mountain Lion (10.8) Catalina (10.15)
Intel Late 2014 Yosemite (10.10) Catalina (10.15)
Intel 2018 Mojave (10.14) Sequoia (15)
M1 2020 Big Sur (11) Tahoe (26)
M2 2023 Ventura (13) Tahoe (26)
M4 2024 Sequoia (15) Tahoe (26)

ちなみに、MacOSのバージョンと名前は、以下のページで確認できます。

Macに搭載されているmacOSを調べる

 

4.段階的にOSをアップデートしてHigh Sieraまで上げてゆく

まず、参考にしたのは、以下のページです

macOSをダウンロードしてインストールする方法
https://support.apple.com/ja-jp/102662

このページの「App Storeを使う」の中のMacOSの種類をクリックしてもインストールはできるのですが、今回リカバリーしたMacOS Lionは古すぎて、App Storeが起動しないため、この項目でのインストールはできませんでした。

そこで、このページの中の「古いバージョンをダウンロードするにはWebブラウザを使う」の項目の中にあるMacOSを、「macOSディスクイメージ(.dmg)ファイル」をダウンロードして、ローカルでインストールすることにしました。

今回は、「EI Capitan 10.11」のdmgファイルをダウンロードしました。

残念ながら、リカバリーした古いMacからはネット接続ができませんので、別のMacパソコンを使って、上記のdmgファイルをダウンロードして、それをMacでフォーマットしたUSBメモリにコピーします。その後、古いパソコンのUSB端子にUSBメモリを接続して、USBメモリの中にあるdmgファイルをダブルクリックします。

dmgファイルをダブルクリックすると、自動的にインストールが進みますので、手順に沿ってインストールすることができます。

この手順で、EI Capitanがインストールされました。その後、このOSの最新のアップデートを実行しましたが、自動でHigh Sieraをインストール画面は出てきません。

しかし、EI CapitanのOSでは、なんとかネット接続が出来る状態になっていましたので、上記の「macOSをダウンロードしてインストールする方法」のページに行って、今度は、「App Storeを使う」の中にある「High Sierra 10.13」をクリックしました。

そうすると、App Storeが起動して、本来の方法でMacOSのアップグレードが実行されました。

High Sieraのインストール後、最新のアップデートを行うことで、MacOS上での動作は問題なく行われるようになり、安定したOSとして動作するようになりました。

 

5.Bootcampで、Windowsを導入する

過去のMacは、CPUとしてIntelのCPUを使用しています。これらをIntel Macと総称するのですが、このIntel Macには、MacとWindowsを並列にインストールして使用することができるBootCampという仕組みがあります。

BootCampの歴史は2007年から始まり、MacのCPUがArm系のM1 Macが生まれる2020年頃まで使われていました。

今回リカバリーしたMacMiniには、CPUとしてCore i7が搭載されており、十分にBootCampが使える環境が用意されています。また、メモリも増設して、16GBにアップしています。

しかしながら、High Sieraは2017年頃のMacOSであり、インストールできるWindowsはWindows7のみとなっていました。

 

(1)Windows7のISOファイルをダウンロードする

BootCampではWindows7の「ISOファイル」を元にして、Windows7をインストールするのですが、残念ながらMicrosoftのダウンロードページに行くと、Windows10とWindows11はあるのですが、Windows7のISOファイルがすでに置いていません。

そこで、利用したのが、なんと「Yahoo!知恵袋」という質問サイトでした。

Windows7のISOファイルがダウンロードできるYahoo!知恵袋

・win7SP1 pro 32bit x86 japanese iso(Windows7 pro 32bit)
・win7SP1 pro 64bit x64 japanese iso(Windows7 pro 64bit)
・win7SP1 home 32bit x86 japanese iso(Windows7 home 32bit)
・win7SP1 home 64bit x64 japanese iso(Windows7 home 64bit)

上記4つの種類の日本語版のWindows7のISOファイルをダウンロードできます。

もし、日本語版以外のWindows7が欲しい場合は、以下のサイトに行ってください。
https://archive.org/search

そして、上記ページの右上の検索欄に「Win7_Home_SP1」や「Win7_Pro_SP1」などの文字を入れて検索すれば、各国版のWindows7のISOを探せると思います。

 

(2)BootCampアプリを起動して、Windows7のインストール

MacMini BootCamp

BootCampでは、
(1)Windows7のインストールUSBの作成
(2)最新のWindowsサポートソフトウェアのダウンロード
(3)Windowsパーティションの作成して、Windowsのインストール

という3つのステップでWindowsのインストールを行っていきます。

上記の図は3つのチェックがすべてONになっていますが、上から1つずつチェックしながら、各工程を順番に行っていきます。

まず、インストール用のUSBメモリを用意し、MacMiniのUSB端子に差し込んでおきます。
(このUSBメモリの内容は自動的に消去され、インストールデバイスになります)

まず(1)の工程で、ダウンロードしたWindows7のISOファイルを元として、USBのインストールデバイスを作成します。

次に、(2)の工程で、最新のWindowsサポートソフトウェアをAppleからダウンロードし、それを解凍してから、その中にあるフォルダとファイルをすべて、上記のUSBインストールデバイスの中にコピーします。

最後に、(3)で、MacパーティションとWindowsパーティションの比率を決めてから、インストールを実行します。最初にインストール先パーティションを指定する画面になりますので、そこでは、bootcampという名称のパーティションを選択して、オプションからパーティションの削除を行います。そうすると、そのパーティションにWindowsがインストール可能となりますので、次に進みます。

USBデバイスからWindowsのインストールが行われ、Macが何度か再起動を繰り返しながら、インストールが終了していきます。

この場合、BootcampのWindows7はローカルユーザーとして設定され、パスワードなしの状態でデスクトップが表示されてきます。

デスクトップの画面上に「ようこそBootcampインストーラーへ」の画面が表示されるので、インストールを実行します。

ここまでで、Windows7のインストールは終了です。
実際には、MacMiniには「Windows7 Pro 64bit」をインストールしました。

 

(3)Windows7のアップデートが必要です

ここで、Windows Updateを行う必要があるのですが、Windows Updateがエラーになってしまいます。原因はわかりませんが、正常にWindows Updateを行うために以下の操作を行います。

以下の2つの修正ファイルのインストールが必要なのですが、Windows7にはIEしかありませんので、ネットがつながりません。なので、別のWindowsパソコンで以下の修正ファイルをダウンロードして、USBメモリでファイルをコピーしてから、実行します。

(その1)Windows Updateカタログのページに行きます。
https://www.catalog.update.microsoft.com/Search.aspx?q=KB3138612

このページの中の、
Windows 7 用更新プログラム (KB3138612)・・・32bitの場合
Windows 7 for x64-Based Systems 用更新プログラム (KB3138612)・・・64bitの場合

ここでは、Windows7のbit数に合うものをダウンロードし、インストールします。

(その2)もう1つのWindows Updateカタログのページに行きます。
https://www.catalog.update.microsoft.com/Search.aspx?q=kb2533552

このページの中の
Windows 7 用更新プログラム (KB2533552)・・・32bit、64bit共通

をダウンロードして、インストールします。

(その1)、(その2)の修正プログラムを入れた後に、一旦再起動してから、Windows Updateを行うと、正常にWindows Updateが行われるようになります。

 

(4)Microsoft Edgeをインストールする

Windows Updateをすべて行ったら、その後はEdgeのインストーラーを別のWindowsパソコンでダウンロードして、USBでコピーしてインストールしてください。

オフラインでEdgeをインストールできるインストーラをダウンロード
https://www.microsoft.com/ja-jp/edge/business/download?form=MA13FJ

上記ページで64bit、もしくは32bitのEdgeのインストーラーがダウンロードできます。

 

(5)Windows7のライセンス認証を行う

この段階で、Windows7のPCのプロパティ画面からライセンス認証を行います。プロダクトキーを入れることで、オンラインでライセンス認証が行えます。(上記のWindows7のWindows Updateが行われていないと、ライセンス認証は通りませんので注意してください)

このプロダクトキーですが、私は、MacMiniに当初導入していたWindows Proのプロダクトキーを入れて認証を通しました。

以上で、Windows7も最新となったわけですが、Windows7では不便なので、Windows10を次に入れることにしました。ちなみに、Windows7のライセンス認証が通っていれば、Windows10でのライセンス認証は必要ありません。

 

6.Windows10のインストール

次に、別のWindowsパソコンで、「Windows10 ダウンロード」と検索して以下のページに行きます。

Windows 10 のダウンロード
https://www.microsoft.com/ja-jp/software-download/windows10

上記ページから、「Windows 10 のインストール メディアを作成する」を選択して、ファイルをダウンロードします。そのファイルを起動後、他のパソコンのUSBメディアを作成するとして、USBインストールデバイスを作成します。

このUSBインストールメディアをMacMiniのUSB端子に差し込み、この中のSetupファイルをクリックすることで、Windows10のインストールを開始しました。

何度かの再起動後に、Windows10の画面が出てきました。

あとは、Windows10のWindows Updateを実施するのですが、2025年10月14日でWindows10のサポートが切れていますので、Windows Updateが出来ません。

そこで、Windows10延長サポートプログラムに登録するために、マイクロソフトアカウントでのログインに切り替えて、それから、延長サポートに登録しました。

これにより、Windows Updateが正常に行われるようになりました。

 

7.Windows11にはアップグレードできるのか?

基本的にはApple側では、BootCampでのWindowsが使えるのはWindows10までと言われていますが、以前はRufusを使ってWindows11にアップグレードできたので、一応チャレンジしてみました。

結果としては、インストールはできたものの、起動してデスクトップが出た直後に、デバイスのエラーが出て、画面が消えてしまうという現象が起きてしまいました。

このため、トラブルシューティング画面から、セーフモードで起動して、システムの回復からWindows11からWindow10に戻す操作を行いました。

Windows11にアップしてから10日以内であれば、Windows10に戻せるので、それを使って戻すことができました。

やはり、古いMacMini(Mid2011)は、ハードウェア的にWindows11を入れるのは限界のようでした。

 

8.まとめ

トラブルで起動が出来なくなったMacMini(Mid2011)でしたが、インターネットからのリカバリー、MacOSの段階的なアップグレード、BootCampを使ったWindows7のインストールと、Windows10へのアップグレードと、多段階の工程を経て、使える状態に回復させることができました。

MacとWindowsの切り替えでは、Bootcamp本来の切り替え機能は使えなくなっていますので、Optionキー(WindowsキーボードではAltキー)を押しながら起動して、OSを選択する必要がありますが、特に不自由はない状態で使えています。

こんな古いMacが使えるのかという声もあるかと思いますが、できるだけ長くパソコンを使えるように維持していくことも、パソコンの技術の一つなので、今回の記事が参考になればと思います。

現在の最新のMacでは、すでにBootCampの機能はありません。そのため、Parallels Desktopというアプリを使用して、Windowsを同居させている方も多いと思います。

Apple側のCPUがIntelからArm系(Apple Silicon:M1,M2,M3,M4)に変化したことと、MicrosoftのWindows11のシステム要件が厳しくなったことで、WindowsもMacも古いパソコンからのアップグレードが簡単にできなくなってきています。

こういう時代ですが、新しいパソコンの脇に、古いパソコンも置いて、何かあったときに備えるということも意味があると思いますので、古いパソコンも大切に使っていただきたいと思っています。

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