Windows11を使いやすくする超極端なアドバイス

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Windows11を使いやすくする超極端なアドバイス

パソコン教室として、ここ数年の間、Windows11のトラブルに遭遇してきました。
多くの一般のパソコンユーザーがどのようにしたら、快適にWindows11を使えるのかをずっと考えてきて、最近その結論に到りました。

今回のブログでは、Windows11の問題点と、それをどのように克服していけばいいのかを順を追って説明していきたいと思います。

 

Windows11には、複数のバージョンがある

過去のWindows OSについても、SP1とかSP2といったような内部的なバージョンあり、Windows Updateにおいて、バージョンアップが必要でした。

Windows11については、以下のようなバージョンがあり、そのサポート終了日は以下のようになっています。

Windows11のバージョン サポート終了日
21H2 2023年10月10日
22H2 2024年10月8日
23H2 2025年11月11日
24H2 2026年10月13日

これまでのWindows OSと異なるのは、多くのバージョンを持っていることと、それぞれのバージョンのサポート期間が非常に短いということです。

さらに、それぞれのバージョンを1つ上のバージョンにアップデートする段階で、ハードウェアの必要条件も厳しくなっており、バージョンアップできない機種も増えてきています。

かく言う私自身も、メインで使っているWindows 11がハードウェアの条件をクリアしているにも関わらず、23H2から24H2のバージョンアップが失敗して、未だ23H2のままで使用せざるを得ない状況です。

特に、Windows10から、Windows11にアップグレードされたパソコンについては、バージョンアップができない可能性が高いのではないかと思われます。

さらに、Windows11のハードウェアの構成を満足していない機種を、Rufusなどのアプリを使ってWindows11にアップグレードした場合も、バージョンアップができません。

※実は、Rufusを再度使うと、22H2や23H2から、24H2にアップデートできます。ただし、新しいバージョンが出るたびにRufusでバージョンアップするというのもどうかと思います。

では、考え方を変えて、サポート期間が過ぎたバージョンで、バージョンアップ出来ない場合はどのようにすればいいのでしょうか。

安心してください。バージョンアップしなくてもWindows11はそのまま使えます。マイクロソフトのサポートがなくなるだけで、不具合は特にありません。

 

Windows11の24H2では、最初からハードディスクの暗号化が有効になっている

最近発売されているWindows11については、HomeもProもハードディスクの暗号化がONに設定されています。

以前からProについては「BitLocker」という暗号化技術が使われていることもありました。しかしながら、その場合にはパソコンのセットアップの時点で、BitLockerを使用するかどうかの選択肢が表示され、ユーザー側で選ぶことができました。

しかし、Windows11になってからは、選択の自由もなく、Homeエディションでさえ暗号化が標準でONの状態になっています。

一般にハードディスクやSSDやUSBメモリなどを暗号化する理由としては、そのデバイスを盗まれ、外部のパソコンに接続されても、データは読み取りができないというデータ保護のための機能です。

しかし、一般のユーザーにとっては、それだけの重要なデータをまず持っていませんし、パソコンを持ち歩かないユーザーにとっては、暗号化する必要は全くありません。

会社のパソコンで、外部に持ち歩く人だけが、暗号化をONにする必要があるだけで、それ以外の人は、この機能は全く必要がないと思われます。

さらに、この暗号化がONになっていると、パソコンが不調になったときに、パソコンの修復やリカバリーなどを行うための「ブルースクリーン」画面になることがあるのですが、この先頭画面で、暗号化の回復キーの入力を求められるようになるのです。

暗号化の回復キーとは、48桁の数字で構成されるキーで、マイクロソフトアカウントのページに行って、デバイス固有の暗号化キーを本人確認の認証を通して得ることできるものです。

問題は、この本人確認の認証なのですが、マイクソフトアカウントのメールアドレスとは異なるメールアドレスか、もしくは電話番号での認証になります。

もし、この本人認証で使われるメールアドレスもしくは電話番号が過去のもので、すでに使われていなかったとしたら、回復キーを得ることは不可能になり、パソコンの修復やリカバリーもできなくなってしまいます。

ちなみに、すでに使われなくなったメールや電話番号を登録していた場合、新しいメールアドレスや電話番号をマイクロソフト側に申請する必要があります。しかし、その申請後30日間は、情報が変更されないので、30日待った後で、認証コードを受け取り、回復キーを得られることになります。

もし、あなたが会社員で、自分が使っていたパソコンが30日間使えなくなったら、どのように対処するでしょうか。仕事ができなくなりますよね。

つまり、ハードディスクやSSDの暗号化を必要とするような人は、マイクロソフトアカウントのページに事前に入って、暗号化の回復キーを持っておくことが必須となるのです。

このような説明もなしに、マイクロソフトは、Windows11のパソコンの暗号化を勝手に行って、ユーザーには何も説明していないのです。

このようなトラブルに会わないためには、パソコンのセットアップ後に、速やかに暗号化機能をOFFにすることが大切です。

ちなみに、暗号化している場合と、暗号化していない場合とで、パソコンの操作スピードを比べると、暗号化していない方が、圧倒的に速くなります。

暗号化の解除方法は、「設定」の左メニューから「プライバシーとセキュリティ」をクリックして、「デバイスの暗号」をクリック。そして、一番上にある「デバイスの暗号化」のスイッチをOFFにします。

デバイスの暗号化をOFFにすると、すべてのファイルやフォルダの暗号化を解除するのにかなりの時間がかかることがありますので、しばらく待つ必要があります。

 

Windows11ではOneDriveへのバックアップを頻繁に要求される

Windows11にしてから、最も煩わしいのが、OneDriveへのバックアップを頻繁に要求されることです。

Windows11のパソコンを購入して、セットアップすると最初にマイクロソフトアカウントの入力を求められます。つまり、通常のセットアップ手順では、ローカルアカウントの設定はできなくなり、すべてマイクロソフトアカウントでログインすることが必須となります。

この状態でセットアップを終わると、自動的にOneDriveもマイクロソフトアカウントで接続され、さらに、自動でデスクトップ、ドキュメント、ピクチャーのフォルダがOneDriveにバックアップされる設定になります。

このバックアップの意味は、バックアップではなく、上記3つのフォルダをOneDriveの中にクラウド化して使用するという意味になります。OneDriveの容量が大きい場合であれば、バックアップは問題ないのですが、Microsoft365(Office365)を使っていない人の場合は、OneDriveの初期容量は5GBしかありません。

つまり、デスクトップとドキュメントとピクチャのすべての容量を5GB以内で収めて使えばいいのですが、そんな容量で足りるわけはありません。

つまり、バックアップが有効になると、OneDriveの容量は5GBから、いずれ100GBにする有料プランを購入する必要が出てくるということです。

Microsoft365を契約している人は1TBまで使用できますが、契約を辞めれば、5GBになってしまうので、OneDriveにバックアップしすぎるというのは危険です。

さらに、デスクトップ、ドキュメント、ピクチャーがバックアップされた場合、OneDrive側と絶えず同期が行われることになります。たとえば、ドキュメントに保存されたワードのファイルを編集するたびにOneDriveとの通信が生じますので、パソコンの速度低下を招くことにもなります。

これらの問題を解決手段として、3つの方法があります。

(1)バックアップが有効になっても、OneDriveの容量を5GB以下にする方法

この方法は簡単です。デスクトップ、ドキュメント、ピクチャーにファイルやフォルダを置かないことです。

この場合、アカウントのフォルダを開くと、デスクトップ、ドキュメント、ピクチャーのフォルダが見えると思いますが、それらフォルダの横に、新規フォルダを作成して、「書類フォルダ」と「画像フォルダ」という2つのフォルダを作成します。

つまり、ファイルを作成したら、「書類フォルダ」に保存し、写真が画像については「画像フォルダ」に保存するのです。このようにすれば、使うのはデスクトップだけになりますよね。

デスクトップ上にファイルや画像がたまってきた段階で、「書類フォルダ」と「画像フォルダ」に移動していけば、OneDriveの使用容量を減らすことができます。

ちなみに、作成した「書類フォルダ」や「画像フォルダ」を右クリックして、「クイックアクセスにピン留めする」を選択すると、エクスプローラーの左のカラムにフォルダが表示されるようになるので、ファイルを保存する時に簡単にアクセスできるようになります。

この方法のいい点としては、OneDriveへのバックアップは有効なので、デスクトップに重要でいつも使用するファイルを置いておけば、クラウド上にバックアップされ、別のパソコンからも簡単にアクセスできるようになります。

 

(2)OneDriveを使わない設定にする

たとえば、使用しているパソコンが1台のみで、他のパソコンからデータにアクセスすることがないという場合は、OneDrive自体を使用しないという設定がベストです。

実は、OneDrive自体もアプリであり、削除が可能なのです。ただし、すでにデスクトップやドキュメントやピクチャーにファイルやフォルダが保存されている場合は、いきなり削除してはいけません。削除すると自分のファイルやフォルダがすべて消去されパニック状態になります。

なので、OneDriveアプリ自体を削除するというのは、セットアップ直後で全くファイルやフォルダがない状態で、OneDriveの設定から、3つのフォルダのバックアップを解除した後に行う必要があります。

すでにセットアップから時間が経っているという場合は、この方法ではない方法をお勧めします。

 

(3)アカウントをローカルアカウントにする

実は、OneDriveが有効に働くためには、マイクロソフトアカウントでのログインが必須なのです。つまり、ローカルアカウントに変更すれば、OneDrive自体は機能できなくなります。

ただし、注意することがあります。すでにバックアップを有効にしている場合は、ローカルアカウントにすることで、ファイルやフォルダが消えてしまう可能性があります。

そこで、アカウントフォルダの中に3つのフォルダを作成します。「デスクトップバックアップ」「ドキュメントバックアップ」「ピクチャーバックアップ」という3つのフォルダを作成します。

ここに、それぞれ3つのフォルダにあるファイルやフォルダをコピーして、これらバックアップフォルダ内に貼り付けてバックアップをとってください。

その後、OneDriveの設定から、バックアップを無効化します。これにより、デスクトップ、ドキュメント、ピクチャーのファイルやフォルダが消えることもありますが、事前にバックアップフォルダにコピーしているので、問題ありません。

この準備ができたら、現在のマイクロソフトアカウントをローカルアカウントに変更します。

ローカルアカウントの設定は、「設定」の中の「アカウント」の中の「ユーザーの情報」の中の「Microsoftカウント」の項目の右側に「ローカルアカウントでのサインインに切り替える」から可能です。

ローカルアカウントになると、OneDrive自体は機能できなくなるので、バックアップを求められることもなくなります。

あとは、バックアップフォルダから、デスクトップ、ドキュメント、ピクチャーにファイルやフォルダを戻せば、通常どおり使えるようになります。

 

Windows11では、ウイルス対策ソフトに加えて広告ブロックソフトを入れよう

Windows11になって、セキュリティレベルが上がっていると言われていますが、インターネットの世界では、フィッシング詐欺や危険なマルウェアが、絶えずパソコンに侵入してきます。

皆さんは、ウイルス対策ソフトを入れていても、Outlookなどに入ってくるウイルスや詐欺メールはブロックされていないことをご存じでしょうか。

いつの頃からか、メールに関わるサービスをウイルス対策ソフトはやらなくなったんです。

つまり、一般的なOutlookなどのメールソフトは詐欺メールやウイルスメールから守られていないということです。

もし、メールを完全にウイルスや詐欺メールから守ろうと考えるならば、Gmailを使うことしか方法はありません。Gmailは、ウイルスメールを完全にブロックし、詐欺メールやスパムメールを区分けして迷惑メールに完全に振り分けることができる唯一のメールソフトです。さらに、Gmailでは広告メールについても、プロモーションとして別のタブで区分けしています。

安全にメールを受け取りたい人は、是非Gmailを使うようにしてください。

一方で、インターネットブラウザについても大切なことがあります。

Windows11のデフォルトのブラウザはEdgeですが、Microsoft Defenderというアプリで、Edgeは最初から守られています。つまり、パソコンをセットアップした時点で、ウイルス対策ソフトがインストールされていなくても、Edgeを使うと安全にネットを見ることができます。

一方、あとからインストールするGoogle Chromeなどのブラウザは、Microsoft Defenderは守ってくれません。なので、ウイルス対策ソフトを入れることが必須なのです。

逆に言えば、Edgeのみしかブラウザがなければ、ウイルス対策ソフトは必要ないのかもしれません。しかし、いろんな意味において、ウイルス対策ソフトを入れておいた方が、安全なことは間違いありません。

もう1つの問題として、ネットに表示される広告の問題があります。最近では広告の中のプログラムが動いて、画面を乗っ取り詐欺まがいの脅迫を行う事例が増えています。

多くのサイトは、広告収入のために、広告バナーを置いていますが、これらの広告の中に危険なものがあることをチェックしているわけではありません。

広告はターゲット広告と呼ばれる手法で、ユーザーごとに異なる広告が自動で出てくる仕組みになっており、サイト側で選択しているわけではないのです。

なので、今の時代、安全にネットを使用するためには、広告ブロッカーというアプリを使うことをお勧めします。

ウイルス対策ソフトのカスペルスキーには「バナー広告対策」という機能があるので、それを有効にすることで、安全にネットを見ることができるようになります。

私が使用しているのは、AdLockという広告ブロックアプリです。

AdLockのサイト
https://jp.adlock.com/

無料版でお試しも出来ますが、有料版で「無期限版」を購入するのがお薦めです。
9台までのパソコンやスマホに導入できます。

このAdLockの利点は、バナー広告をすべてブロックしてくれるので、ページの表示速度が速く快適にネットを使用することができます。

ただし、広告ブロックをしていると見ることができないページなどもありますが、そのようなページこそが、一番危ないページなので、見ない方が安全だと考えてください。

もし、問題が生じる場合には、AdLockを起動して、広告ブロックを一時的に解除することもできます。

ちなみに、iPhoneやAndroidでもAdLockは使えます。スマホを安全に使いたい人にもおすすめです。

 

Windows11のネットワークに関わるトラブルを解決しよう

Windows11においては、イントラネットにおいてのフォルダ共有において、接続する側に対して、資格情報を要求するようになりました。このため、資格情報を有さないゲストが共有フォルダにアクセスすることができなくなっています。

実際のトラブルで最も多いのが、中小の会社で使用しているバッファローのNAS(Network Attached Storage)であるLinkStationやTeraStationなどへのアクセスがブロックされる現象です。

また、プライベートネットワークでのパソコン間のファイル共有などに関しても同じようにブロックされることが報告されています。

これらの問題への解決方法としては、以下のページが参考になります。
バッファローのサポートページ
Windows 11 24H2を搭載したPCで共有フォルダーを開けません
https://www.buffalo.jp/support/faq/detail/124162678.html

この方法では、Windows 11 HomeとProで解決方法が異なりますので注意してください。

大きな企業では、NASよりもクラウドストレージを使うことの方が多いので、この問題は大問題にはなっていないようですが、中小の会社ではファイルサーバーとしてNASを利用していることが多いので、これらのネットワークトラブルは致命的なものになっているようです。

 

Windows11のセットアップで注意すること

Windows11の入ったパソコンを新しく購入する際に大切なことがあります。

できれば、きちんとしたセットアップの説明書が入っている日本のメーカーのパソコンを購入することをお勧めします。

セットアップの説明書に従って、正確にセットアップをするようにしてください。
いい加減にセットアップすると、大きなトラブルに発展することがあります。

最近は、過去のパソコンから新しいパソコンにデータやアプリを移動というような選択肢が出てくることがあります。この選択肢を選べるのは、前のパソコンでOneDriveにすべてのデータをバックアップしている場合です。そうでない方は、新しいパソコンとしてセットアップを選択するようにしてください。

Microsoft Office Home and Business(2024など)が付属するパソコンを購入した場合、Officeのライセンスキーのカードは付属していません。最初にセットアップで設定したマイクロソフトアカウントに自動的に紐づけが行われる「Digital Entitlement(デジタルエンタイトルメント)」または「Digital License(デジタルライセンス)」という仕組みになっており、パソコンの中にあるワードやエクセルを起動するだけで、設定が行われるようになっています。

この時に注意することがあります。

以前にパソコンを所有していた方は、マイクロソフトのアカウントページに行くと、過去に所有していたOffice2019、2021などのバージョンがある場合、上記のデジタルライセンスで設定すると、過去のOfficeがなぜかインストールされ、最新版のOfficeになっていないという現象が生じることがあります。

このような場合、インストールされているワードを開いて、ファイルからアカウントという項目をクリックしてください。右側にOfficeのバージョンが書かれていると思いますが、そのすぐ下に、「ライセンスの切り替え」というボタンがあります。このボタンを押して進むと、別のバージョンのOfficeを選択する画面になります。そこで、本来の最新のバージョンのOfficeのライセンスと切り替えることができます。

この問題は、通常の場合には発生しませんが、過去のOfficeがインストールされてくるという不思議な現象が存在しています。

各メーカーの説明書には、リカバリーディスクを作成するような記述があります。メーカーによてリカバリディスクの作成方法が異なることがありますので、注意してください。

 

Windows10を持っている人はどうすればいいの?

現在、Windows10を持っている人は、マイクロソフトのサポートが2025年10月で切れるということで、Windows11の購入もしくは、Windows10から11へのアップグレードを考えているのではないでしょうか。

Windows10から11へのアップグレードが可能な機種もあると思いますが、メモリ容量が8GB以上あることと、ハードディスク(SSD)の空き容量が十分あることが必要です。

Windows10のパソコンにエラーがあると、Windows11のアップグレードが失敗して、トラブルに巻き込まれることがあるので、無理にアップグレードはしないほうが安全です。

現在快適にWindows10を使っている方は、そのまま使い続けることをお勧めします。サポートの期限が過ぎても、パソコンは問題なく使用できます。

これまでの経験から、サポートが切れても2年くらいは問題なく使えると思います。

もしかしたら、その時にはWindows〇〇が出ているかもです。

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