1.マイクロソフトの対応のまずさ
マイクロソフトは、Windowsのセキュリティーを高めるために、Windows10への移行を推進しており、最近ではWindows Updateの重要な更新を使って半強制的にWindows10へのアップグレードが行われるようになってきています。
これに対して、Windowsユーザーからは、「突然Windows10になってしまった」という苦情が増えていて、マイクロソフトとしても連日対応に追われている状況のようです。
マイクロソフトが言うように、セキュリティ面の向上はありますが、Windows7やWindows8のパソコンをWindows10にアップグレードすることで何らかの問題点が生じる可能性は否定できません。
一番問題なのは、Windows10にアップグレードして不具合が出たとしても、1ヶ月間しか元のOSに戻す期間がないことです。
Windows10にしてから表向きは不具合がないように見えても、使っている中で問題点に遭遇するようなこともあり、1ヶ月間という短期間で問題点がないかを検証することは一般のユーザーにとっては無理があるのではないかと思われます。
また、パソコンのメーカー保障に入っていても、Windows10にアップグレードしてしまうと、購入時点でのOSではなくなるために、正式な保障が受けられないというデメリットも生じてしまいます。
このような意味から、Windows10にアップグレードすべきか、すべきではないかという問題は、ユーザーがゆっくりと判断すべき問題であり、マイクロソフトに強制されるものではないと思われます。
マイクロソフト側としては、お知らせも何度も表示しているし、インストール直前には予約をキャンセルする方法もあると言ってはいますが、実際には間違ってインストールされてしまう人も多く、Windows10の無料アップグレードに対して「No」といえるような画面は用意されていません。
この点において、マイクロソフト側の対応は十分な配慮がないと言えます。
さらに、これまでこのような事態に発展しているにもかかわらず、日本ではテレビニュースなどで大きなニュース報道などがなく、テレビ局側のこの問題に対する消極的な姿勢は何なのか?と疑問を持たざるを得ません。(おそらく、マイクロソフトがスポンサーということで、強く言えないということだと思います)
2.マイクロソフトが提供しているWindows10のアップグレードを阻止する方法
この問題に対して、毎日新聞のデジタル報道センター記者の岡礼子氏が適切なニュースを伝えていますので、見てください。(メディアとして初めて問題をとりあげています)
→ 毎日新聞 注目ニュース90秒 ウィンドウズ10「強制」更新トラブル
このニュースの中では、Windows10にアップグレードさせないようにする方法や、たとえWindows10のインストールが始まっても、途中でインストールを中止する方法をマイクロソフト側が提供していると述べています。
そこで、その方法が記載されているページを調べてみました。
(1)Windows10アップグレードが開始された後のキャンセル方法
この動画を見ると、インストールの途中ではキャンセルすることはできず、画面が止まって「次へ」ボタンがある画面で「次へ」を押した後に出てくる「利用規約に同意する画面」において「拒否」をすれば、元のOSに戻すための処理が始まって、Windows10にはならないということです。
恐らく、インストールの時間も、元に戻すための時間も、相当な時間がかかるものと思われます。
(2)絶対にWindows10にアップグレードさせないための設定
こちらの方は、FUJITSUやNECのメーカーで提供されていた方法で以前見たことがあったのですが、マイクロソフトとしても、技術情報で提供しているようです。
この方法では、コマンドプロンプトを用いて、このページで提供されているコマンドを実行して、その後パソコンを再起動すると、Windows10へのアップグレードが阻止されるようです。
以下の2行のコマンドをコピーしてから、コマンドプロンプトに貼り付けて、Enterキーを押すといいようです。
reg add HKLM\Software\Policies\Microsoft\Windows\Gwx /v DisableGwx /t REG_DWORD /d 1 /f
reg add HKLM\SOFTWARE\Policies\Microsoft\Windows\WindowsUpdate /v DisableOSUpgrade /t REG_DWORD /d 1 /f
このコマンドではWindowsのレジストリの中を書き換えているようですので、根本的な部分で阻止ができると思われます。
この方法は、もしかしたら今後Windows10にアップグレードするかもと考えている人にはおすすめできません。
いずれにしても、2016年7月29日までが無料アップグレードの時期ですので、アップグレードしたい人もしたくない人も7月29日までが悩める時期になりますので、十分に考えて選択してください。