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リモートワークは、chromeリモートデスクトップが簡単!

ここ1年あまり、企業、会社、事業所など多くの場所でリモートワークがあたりまえになってきました。

かと言っても、リモートって何?という方もいると思うので、記事を書くことにしました。

 

1.テレワークとリモートワークの違いって何?

いろんな外来語が使われているので、世の中はわかりにくいことが多いですよね。

「テレワーク」を英語で書くと「Telework」となります。この「テレ」というのは、「テレフォン」でも使われていますが、本来の意味は「遠い・遠距離の」という意味なんですね。

つまり、テレワークというのは仕事場から遠く離れた場所で仕事をしているということになります。

その場所は、自宅でもよければ、ホテルの中でも、カフェでも公園でもいいわけです。

一方の「リモートワーク」も基本的には同じ意味です。英語では「Remote work」となります。この「リモート」という意味も「遠い・遠隔の」という意味になります。

結局同じ意味じゃんとなるのですが、コンピュータを使った仕事から見ると、少し意味が違ってきます。

テレワークの方が大きな意味で「会社から離れた場所で仕事をすること」という意味になるのですが、コンピュータでいうリモートワークというのは、「会社のコンピュータ環境を使って、会社以外の場所で仕事をする」というような意味になるかと思います。

 

2.リモートワークの種類とアプリ

コンピュータによるリモートワークにも、いくつかのパターンがあると思います。

(パターン1)
会社のノートパソコンを持って帰って、会社のクラウドサーバーにリモート接続して仕事をする。この場合、サーバーのデータをダウンロードしてパソコン上で作業した後に、サーバーにアップロードするといった仕事内容となります。

(パターン2)
家にあるパソコンから会社の自分のパソコンにリモート接続して、会社にいるような状態で仕事をする。家のパソコンの画面上に会社のパソコンの画面が表示されるので、いつもの作業と変わらずに作業できるというメリットがあります。

パターン1の方は、サーバー接続という形で、パターン2の方はパソコン接続という形の違いになります。

特にパターン1の方は、セキュリティの高いVPN(Virtual Private Network)接続でサーバーにアクセスするケースが多いようです。VPNを使う場合は、直接サーバーに接続するのではなくて、リモートアクセスサーバ(RAS)という機器を仲介して接続する場合が多いようです。

一方、パターン2の会社の自分のパソコンに接続する場合は、VPN接続の場合もありますが、家のパソコンと会社のパソコンを直接つなぐことができるアプリを使って接続するのが一般的です。小さな会社でも設備や費用がかからずにリモートワークができることがメリットです。

このアプリは、一般的に「リモートデスクトップアプリ」と呼ばれており、様々なアプリメーカーやNTTのような回線事業者などから提供されています。

以前、本ブログで紹介した「シン・テレワークシステム(NTT東日本&IPA)」もこのアプリの1つになります。

 

3.セキュリティとリモートワークの狭間で苦しむ日本企業

大きな企業の場合は、使いやすさよりセキュリティを重視する傾向にありますが、実際のところ、使いやすくなければ、テレワークやリモートワークなんて意味がないのが本当のところです。

多くの大企業では、セキュリティを重視するあまり、仕事の効率が落ち生産性が低下しているケースが多いようです。

当然セキュリティは重要なのですが、意味のないセキュリティや、効果のないセキュリティを導入している企業も多く、社員がリモートワークをしたくても出来ないという企業ばかりです。

これは、企業や会社の上層部や中間管理職がIT技術に精通していないことが原因であり、無駄なコストをかけて意味のないシステムを作っていることが最大の要因です。

基本的には、「ユーザーの管理」と「パソコン自体のセキュリティ」と「サーバーやデータへのアクセス制限」を正しく設定してさえいれば、セキュリティ上は全く問題ありません。

 

3.最も使いやすいリモートデスクトップアプリとは?

リモートデスクトップアプリで最も使いやすいのは、Googleの「Chrome リモートデスクトップ」というアプリです。

このアプリは、何よりも使いやすいという点において優れています。

もちろん、完全無料で使えます。

もし、会社などで使う場合に問題があるとすれば、個人のGoogle IDを使用する場合、セキュリティ上の問題があるということです。

Googleの場合は、Google Workspace(旧Gsuite)などで会社専用のGoogle IDなどを取得することができますので、セキュリティを気にする場合は有料プランで始めるのがいいと思います。

小さな会社であれば、個人のGoogle IDとは別に会社用のGoogle IDを新規に登録して使えば、無料ですし、問題ないと思います。

ちなみに、マイクロソフトのWindows10についても、リモートデスクトップという機能を標準で持っているのですが、会社のパソコンがWindows10 Proである必要があります。Windows10 Homeではリモートデスクトップが使えないようになっていますので、注意してください。

昨今のリモートワークでは、マイクロソフトのリモートデスクトップを使用している会社が多いと思います。このマイクロソフトのリモートデスクトップについては、マイクロソフトアカウント(管理者)を使用した接続が一般的です。会社の各パソコンに別々のマイクロソフトアカウントを設定していない場合や、同じユーザー名でログインしているような場合は、個別のパソコンへのリモートは難しい状態になります。

これに対して、Googleの「Chrome リモートデスクトップ」は、Google IDのユーザーがパソコン別に認識できるコンピュータ名を定義でき、そのコンピュータ名に対してリモートを実行できるようになっています。

このことにより、社員が2台以上のパソコンを使用していたとしても、別々のPC名を定義しておけば、区別してリモート接続できるようになります。

とりあえず、「Chrome リモートデスクトップ」の特徴を表に簡単にまとめておきます。

名称 Chrome リモートデスクトップ
必要なもの 個人のGoogle IDを設定したChromeブラウザ
設定のためのURL https://remotedesktop.google.com/access/
インストール Chrome Remote Desktop Hostが自動でインストールされる
(インストール画面がでるのでインストールを実行する)
Chromeへの拡張機能 Chrome Remote Desktopが自動でインストールされる
(インストール画面がでるのでインストールを実行する)
リモートアクセス
(会社のパソコンを自宅で操作するために接続する場合)
・アプリを使って、同じGoogle IDを持つパソコンの画面を共有して操作できる。
・ホストで設定されたコンピュータ名(任意)と設定したPINコードで接続する。
・両方のパソコン間で文字のコピー&ペーストは出来るが、ファイルのコピー&ペーストはできない。
・ファイルの送信機能があり、両方向でファイルの受け渡しが可能。
・パソコンを再起動しても再接続が可能。
・パソコンをシャットダウンしたら接続はできなくなる。
リモートサポート
(他人のパソコンをサポートするために接続する場合)
・アプリを使って、異なるGoogle IDを持つパソコンに認可を得て接続して、パソコンの画面を共有して操作できる。
・ホスト側のパソコン側でアクセスコードを生成して、操作する側にアクセスコードを伝える。
・操作する側のパソコンでアクセスコードを入力して接続すると、ホスト側に共有を認可するかの選択が出る。
・共有を許可すれば、画面が共有される。
・両方のパソコン間で文字のコピー&ペーストは出来るが、ファイルのコピー&ペーストはできない。
・ファイルの送信機能があり、両方向でファイルの受け渡しが可能。
・パソコンからサインアウトや再起動・シャットダウンすると、接続が切れる。

 

4.Chrome リモートデスクトップの使い方(リモートアクセスの場合)

以下の設定は、まずホスト側(操作される側)で行います。

(1)Chrome リモートデスクトップのサイトに行きます。

https://remotedesktop.google.com/access/

Chrome リモートデスクトップ

(2)「パソコンにアクセス」ボタンをクリック

Chrome リモートデスクトップ

「オンにする」ボタンを押すと、インストール画面が現れるので、インストールを実行してください。

インストールするものは2つあります。

①Chromeの拡張機能(Chromeブラウザに組み込まれる)

Chrome リモートデスクトップ

② Chrome Remote Desktop のアプリ(パソコンに組み込まれる)

インストール画面に従ってインストールしてください。

インストールが終了すると、画面上に以下のアイコンが出てきます。

Chrome リモートデスクトップ

(3)上記のアイコンをダブルクリックして開きます。

Chrome リモートデスクトップ

上記の画面の「オンにする」をクリックします。

(4)パソコンの名前を入力します(任意の名前でOK)

Chrome リモートデスクトップ

パソコンの名前を入力して「次へ」ボタンを押します。

(5)PINのコードを入力します(6桁以上)

Chrome リモートデスクトップ

入力後、「起動」ボタンを押します。

(6)パソコンの名前が決定します。

Chrome リモートデスクトップ

上記のようにパソコンの名前が決定します。

※鉛筆アイコンで名前やPINコードはいつでも変更できます。
※ゴミ箱アイコンで、この設定を削除できます。

ホスト側の設定は、これですべてです。

次にホストに接続する側のパソコンの設定について説明します。

(7)ホストに接続する側へのアプリのインストール

ホストに接続する側のパソコンにおいても、(1)と(2)は同様に行い、アプリと拡張機能の2つをインストールしてください。

(8)ホストに接続する側のパソコンで、デスクトップ上の「Chrome Remote Desktop」 のアプリのアイコンをダブルクリックして起動します。

Chrome リモートデスクトップ

そうすると、ホスト側のパソコン名が見えてきますので、パソコン名をクリックします。

(9)PINコードの入力

Chrome リモートデスクトップ

ホスト側で設定したPINコードを入力して、矢印ボタンをクリックします。

(10)ホストの画面が共有されて表示されます

Chrome リモートデスクトップ

ホストの画面が表示されて、操作できるようになります。

ちなみに、この画面は、「Chrome Remote Desktop」のアプリの中の画面となります。このウィンドウは独立したウィンドウとなっており、サイズ変更もできます。

画面の右側の中央に矢印ボタンがあるので、クリックしてみましょう。

(11)設定画面となります。

Chrome リモートデスクトップ

この設定画面の一番上に「切断」という文字があります。この切断をクリックすることで、共有が停止されます。

この設定画面の中にファイルのアップロードやダウンロードができる機能があります。

操作中に再起動すると共有は切られますが、再度接続すればホスト側のログイン画面の状態が見えますので、ログインのパスワードやPINコードでログインすれば、デスクトップ画面になります。

つまり、ホスト側のパソコンにおいては、共有する段階で「Chrome Remote Desktop」のアプリを起動しておく必要はなく、パソコンの電源が入っていれば、リモート接続して画面を共有することができるようになります。

 

5.リモートサポートの機能について

Chrome Remote Desktopのもう1つの機能として、リモートサポートという機能があります。

これは、他人のパソコンの使い方や設定のサポートなどを、画面を共有して行うことができる機能です。

この機能は、Chrome Remote Desktopのアプリを起動すると、一番上に「リモートサポート」というメニューがあるのでクリックします。

Chrome リモートデスクトップ

基本的な流れとすれば、ホスト側では、「この画面を共有」の中の「コードを生成」ボタンを押してアクセスコードを作成します。(このアクセスコードには時間制限があり、時間内に接続する必要があります)

このコードを操作する側にメールや電話などで伝えます。

操作する側のパソコンでは、「別のパソコンに接続」の中に伝えてもらったアクセスコードを入力して「接続」ボタンを押します。

ホスト側のパソコンに共有を許可するかどうかの画面が出ますので、ホストの画面で許可します。

すると、操作する側のパソコンにホストの画面が表示されて、サポート作業ができるようになります。

ここでのポイントは、マウスポイントは共通化されており、操作する側はホスト側のマウスポインタを動かして操作するようになります。

リモートサポートの場合は、ホスト側で許可しない限り接続できませんので、セキュリティ上は安全と言えます。

 

6.最後に

Chrome Remote Desktopは、リモートアクセスとリモートサポートの2つの機能を保持したとても使いやすいアプリです。

個人の方や小規模の会社の場合は、気軽に使えるアプリですので、是非使っていただければと思います。

大企業の方の場合であっても、会社用のGoogle IDを取得して、会社のノートパソコンを使って、会社のホストパソコンに接続するのであれば、セキュリティ上はそれほど問題にならないと思います。

Google IDの場合、本来の@gmail.comのメール以外に、会社で使用しているメールをそのままGoogleのIDとして登録することも可能です。(本人確認はあります)

そうすれば、新たにメールが増えることもないので、登録しやすいのではないかと思います。

プロバイダーの変更方法~PPPoEとPoEの違いとは?

家でのインターネット接続は、コロナ下でテレワークをする人にとっては重要になっています。

すでに家にインターネット接続を持っている方が多いと思いますが、様々な業者からインターネット接続のチラシが入ってきたり、突然電話で勧誘があったりということで、戸惑っている方も多いのではないかと思います。

今回は、インターネット接続の仕組みの変化やプロバイダーの変更時に注意する点などをまとめてみたいと思います。

 

1.インターネット接続の仕組み

現在は、光回線が一般的になっていますが、過去を振り返れば、20数年前にISDN回線から始まり、その後ADSL回線になり、15年くらい前から光回線に変化してきたという歴史があります。

ISDN回線やADSL回線は電話回線を使用したインターネットであるのに対して、光回線は光ファイバーを使ったインターネットであり、同時に電話についても光回線を使用した電話に変化してきました。

一般的に「モデム」という機器がありますが、これは回線の伝送形式の変換に使用される機器で、ISDN回線やADSL回線の場合は、電話線の信号をデジタル信号に変換するものになります。

一方、光回線の場合は、光ファイバーの信号をデジタル信号に変換するものになり、機能的には「モデム」なのですが、光回線の場合は「ONU(回線終端装置)」と呼ばれています。

また、「ルータ」という機器は、外から入ってきたインターネットの信号を、内部のネットワーク内のパソコンに伝えたり、内部のネットワーク内のパソコンからの信号をインターネットに向けて発信するという役目を担っています。

ルータを通すことで、1つのインターネット回線を複数のパソコンで使用できるようになり、とても便利になります。

最近では、ONUとルータの機能が合体した「ホームゲートウェイ」と呼ばれる機器が使われています。

さらに、「ホームゲートウェイ」は、電話回線、無線LAN機能などを持つ複合型の機器になっています。

光回線を契約した場合、ホームゲートウェイはレンタルとなり、月額のレンタル料を払うという仕組みとなっています。

光回線の業者は、たくさんありますが、基本的にはNTTの光回線を基盤として使用していることがほとんどです。

しかし、実際には「〇〇光」という独自の業者がたくさんあって、いかにも私達が光を提供しているといったような顔をしています。

もちろん、ケーブルテレビの提供する光回線はケーブルで提供されており、その点は異なりますが、一般のプロバイダーの提供している「〇〇光」は、NTT回線を借り受けて利用していることがほとんどです。

また、ソフトバンクの「SoftBank Air」や、ポケットWiFiなどは、公共無線を利用した回線であり、上記の光回線とは異なります。

 

2.フレッツ光と〇〇光の違い

数年前から、突然電話がかかってきて「インターネット料金をまとめるとお得になります」という勧誘が増えました。

フレッツ光というサービスは、回線業者はNTTで、プロバイダーは〇〇というパターンのものです。

そのため、フレッツ光の場合、回線料はNTTに支払い、プロバイダー料は「〇〇」に支払うという別々に支払う形になっています。

ところが、回線料をプロバイダー料に組み込んで、まとめてプロバイダーに料金を支払うと1000円ほど安くなりますという勧誘が全国で行われるようになりました。

その当時、ノコテック・ラボのパソコン教室は、フレッツ光で、プロバイダーはOCNに加入していたのですが、突然電話がかかってきて、こんなふうに言われました。

「お客様のインターネットの支払いをOCNにまとめて1本化すると、料金が1000円ほど安くなりお得です。手続きも簡単で、これまでと何の変化もなく使えます。」

通常はお得になるのであれば、いいのかなあと思い契約する人がほとんどだと思います。

私も同じように考えて支払いをプロバイダーにまとめて支払うように契約をしました。

特に疑うこともなく、光回線のインターネットを使っていたのですが、たまたま今回、プロバイダーを変更することになり、気づいたことがありました。

それは、「フレッツ光でOCNに入っている」とずっと思っていたら、本当は「OCN光」に入っていたということです。

OCNに支払いを1本化した段階で、フレッツ光は解約していたということなのです。

つまり、回線業者もOCNに変わり、プロバイダーもOCNになっていたということなのです。

最近は、電気やガスもまとめませんか?というようなテレビCMも多いのですが、何も変わらず料金が安くなるという言葉に騙されて、契約そのものが変化していることに気づいていないことが多いと思います。

つまり、フレッツ光ではないところの、「〇〇光」というネーミングを持つ場合は、〇〇の業者が回線業者であり、かつプロバイダーであるという意味なのです。

 

3.「〇〇光」から別の「〇〇光」に変更する場合の注意点

プロバイダーを変更するということは、前のプロバイダーを解約して、次のプロバイダーと契約するということです。この解約と契約の手順はかなり難しくて、2つのプロバイダーに対して正しい手順で連絡する必要があります。

特に、インターネット接続が途切れることがないようにするためには、以下のような手順が必要です。

(1)回線業者を確認する

前のプロバイダーの回線業者と新しいプロバイダーの回線業者が共にNTTである場合は、フレッツ回線ということで変更はありません。

一方、前のプロバイダーの回線業者と新しいプロバイダーの回線業者が異なるような場合は、最初に回線の変更の手続きが必要になります。

この場合、前の回線業者に電話して、「事業者変更承諾番号」を発行してもらい、それを新しい回線業者に伝える必要があります。

契約がフレッツ光であれば、NTT東日本もしくはNTT西日本が回線業者となります。

例えば、契約がフレッツ光ではなく、〇〇光というものであれば、プロバイダー自体が回線業者となります。

(2)新しい回線業者及びプロバイダーとの契約を行う

前のプロバイダーに連絡する前に、新しいプロバイダーに電話をして、契約を行うようにします。

ここで注意することは、現在のプロバイダーを解約する時期です。プロバイダーは月末の解約になりますので、新しいプロバイダーと契約する場合は、少なくとも月の前半である必要があります。

また、回線業者については、インターネット接続を切らさないようにプロバイダーを変更したい場合、前の回線業者に対して、「事業者変更承諾番号」をもらうように依頼されると思います。

(3)前の回線業者に事業者変更承諾番号の発行依頼とIPoEの解除と解約の手続きを行います。

回線業者の変更がある場合は、前の回線業者に対して「事業者変更承諾番号」の発行を依頼します。(電話上ですぐに発行してもらえます)

プロバイダーに対しては、現在の接続タイプがIPoEの場合は、IPoEの解除の申請を行います。(必ず解約申請より前にIPoEの解除申請をするようにしてください)

新しいプロバイダーへの移行は最低でも1週間~2週間はかかりますので、月の前半でこのような手続きをすることが望ましいと思われます。

そして、月末での解約を申請します。

(4)新しい回線業者に「事業者変更承諾番号」を伝えます

回線業者としては、NTT東日本やNTT西日本(フレッツ)の場合と、通常のプロバイダーである場合とがあります。

次の回線業者に「事業者変更承諾番号」を伝えてください。

回線業者の変更は通常1週間以内に行なわれるようです。

(5)新しいプロバイダーから契約書類が送付されてきます

新しいプロバイダーからの書類が送られてきたら、ONUに対してプロバイダーの接続IDと接続パスワードを設定します。

(5-1)ONU機器が変更になる場合

ONU機器が変更になる場合は、入れ替えの工事をする人がやってきます。そして、光回線を新しいONU機器に入れ替え、電話の設定などをしてくれると思います。

新しい機器が設置されたら、プロバイダーから送られてきた契約に書かれた接続IDと接続パスワードをONU機器に設定します。

この方法は、ONU機器の背面にあるLANポートに有線LANケーブルを差し込んで、パソコンのLANポートに差し込みます。

もしくは、パソコンに有線LANポートがない場合は、ONUに無線機能があれば、SSIDと無線のパスワードを入れてONUと接続します。

その後、ブラウザ(Edge、Chrome、Firefox、Safariなど)を起動して、アドレス欄に「192.168.1.1」と入力してEnterキーを押します。

※絶対にIEブラウザは使用しないでください。IEには管理画面は対応していません。

そうすると、まず機器へのログインのためのパスワードを設定する画面が表示されます。すでにパスワードが工事の人によって設定されている場合は、この画面は表示されず、ユーザ名とパスワードでログインするようになります。

ユーザ名とパスワードは重要なので、必ず記録しておいてください。

その後、管理画面でプロバイダーの設定をする画面になりますので、プロバイダーの契約書に書いている接続IDと接続パスワードを設定します。

これで設定は完了です。

(5-2)同じONU機器を使う場合(PPPoEが有効の場合)

現在のONUの機器にログインしてください。

ログイン方法は、ブラウザ(Edge、Chrome、Firefox、Safariなど)を起動して、アドレス欄に「192.168.1.1」と入力してEnterキーを押します。

ログインIDとパスワードを入れて、機器の管理画面に入ります。

※絶対にIEブラウザは使用しないでください。IEには管理画面は対応していません。

基本設定の接続先設定のPPPoEのメインセッションを編集して、新しいプロバイダーの接続IDと接続パスワードを入れてください。

機器を再起動して、機器のPPPランプが点灯すれば接続できていることとなります。

(5-3)同じONU機器を使う場合(PPPoEが無効の場合)

管理画面に入ると、以下のようにPPPoEの設定がグレイアウトして、編集できない状態になっていることがあります。

ONU管理画面

この場合は、前のプロバイダーのIPoE接続が解除されていない状態です。

この場合、前のプロバイダーに連絡してIPoE接続の解除を要請するか、じっと待つしか方法がありません。

もう1つの手としては、機器の完全リセットを行なう方法があります。

リセットには管理画面からのリセットと、機器自体のリセットボタンからのリセットの2つの方法がありますが、どちらでも大丈夫です。

ONUとパソコンを有線のLANケーブル、もしくは無線LANで接続して、ブラウザ(Edge、Chrome、Firefox、Safariなど)を起動して、アドレス欄に「192.168.1.1」と入力してEnterキーを押します。

※絶対にIEブラウザは使用しないでください。IEには管理画面は対応していません。

完全リセットを行った場合、最初に管理画面へのログインパスワードの設定画面が出てきます。

そこで、新たなログインパスワードを設定してください。

その後、ログイン画面が出ますので、設定したパスワードでログインしてください。

次に新しいプロバイダーの設定画面が現れますので、そこで新しいプロバイダ名と接続ID、接続パスワードを入れて設定ボタンを押してください。

新しいプロバイダーに一時的に接続されて、PPPランプが点灯しますが、数十秒後には、前のプロバイダーのIPoE接続が有効になるため、PPPランプは消灯して、管理画面のPPPoE設定の画面はグレイアウト状態に戻ります。

この状態では、前のプロバイダーとの接続が継続していますが、いずれ前のプロバイダーのIPoE接続が解除された段階で、入力した新しいプロバイダーの接続IDと接続パスワードが有効化され、PPPoE接続に自動で移行しますので問題ありません。

また、新しいプロバイダーがIPoE接続を提供している場合は、上記のPPPoE接続の状態で1日ほど待つと、自動的にIPoE接続が有効化され、自動で設定が終了します。

この状態では、管理画面のPPPoE設定の画面は、再びグレイアウトされますが、新しいプロバイダーに入れ替わっているので問題ありません。

 

4.PPPoEとIPoEの違いとは?

私自身も久しぶりにプロバイダーを変更したことがキッカケで、PPPoEとIPoEの違いについて初めて勉強しました。

従来からあるインターネット接続形態がPPPoEとなります。自宅や会社にあるONUの機器のLEDを見ていただいて、PPPのLEDが点灯していたら、PPPoE接続ということになります。

一方、インターネット接続は出来ているが、ONUのPPPのLEDが消灯しているような場合は、IPoE接続となります。

新しくプロバイダーに加入した場合、新しいONUのタイプに変更されるケースが多いと思いますが、昔からのONUの場合は、NTTから無料で新しいONUに変更してくれるようなこともあります。

実は、古いONUだと、PPPoEの接続はできるが、IPoEの接続ができないというタイプになっています。

つまり、古いONUの場合は、プロバイダーはIPoE接続に対応しているのに、IPoE接続方式が使えないということになります。

(1)PPPoEとは?

PPPoEは、「PPP over Ethernet」の略で、PPPとは「Point-to-Point Protocol」という略になります。

このPPPというのは、電話回線を使ったインターネット接続方式で、ADSLの時代に普及した方式です。プロバイダーから発行される接続IDと接続パスワードを使ってインターネットに接続する方式です。

このPPPoEの場合、回線業者の持つインターネット終端装置(NTE)を経由することが必須であり、ここでIDとパスワードが認証されてからプロバイダーに接続するという2段階の行程を通る必要があります。

このため、一度に多くのアクセスが回線業者に来ると、NTEでの認証がボトルネックとなって、回線スピードが急激に遅くなるという現象が生じます。

この現象のことを、輻輳(ふくそう)が発生するといいます。

このため、最近はこのような輻輳を生じさせないために新しい接続方式であるIPoE接続に多くのプロバイダーが変更してきています。

(2)IPoEとは?

IPoEとは「IP over Ethernet」の略で、通常のLANと同じような方式でインターネットに接続する方式です。IPoE接続方式では、IPv6と呼ばれるIPアドレスでの接続が基準となりますが、「IPv4 over IPv6」という技術を使って、IPv6の上でIPv4も使用できるようになっています。

IPv4ではIPアドレスを32bitで構成していますが、IPv6では128bitで構成しています。IPv4の場合は約42.9億個のIPアドレスを提供できますが、これでは世界のIPアドレスが枯渇するということで作成されたのがIPv6です。

ちなみに、現在の私のパソコンのローカルのIPアドレスは以下になります。

IPv4 → 192.168.1.4
IPv6 → 2400:4051:5183:ef00:d4ed:ff4a:4c47:998f

IPv6は、すでに多くの機器で採用されていて運用されていますが、このIPv6を標準のIPアドレスとしてネット接続を行っているのが、IPoEになります。

IPoEの場合は、PPPoEのように回線業者側でインターネット終端装置(NTE)を経由して認証を行う必要がありません。直接プロバイダーとONUが接続できるような仕組みになっているので、輻輳(ふくそう)が生じにくく、安定した接続を維持できるようになっています。

このため、IPoEでは多くの人が使う夕方から夜の時間帯でネットスピードが遅くなるといった現象は生じないことになります。

私が体験したことをお話すると、プロバイダーがONUを認識するためには、最初はプロバイダーから提供された接続IDと接続パスワードをONUに設定する必要があります。(この場合、ONU機器をリセットしてから、最初の設定でIDとパスワードを入力します)

そして、前のプロバイダーのIPoEが解除されたと同時に、PPPoEが有効となり、新しいプロバイダー側で認証が行われ、ONUが新しいプロバイダーと接続されます。(この段階で、PPPランプは一時的ですが点灯状態となります)

その後、新しいプロバイダー側でIPoEが自動で有効化され、ONUの設定が自動的に変更されて、IPoE接続に移行していきます。(この段階でPPPランプは消灯することになります)

つまり、現実的にはONU自体をプロバイダーが認識するために、一時的にPPPoEを使用しているということになります。

ただし、一旦PPPoE接続になれば、ONU自体はプロバイダーの支配下に入るので、ユーザー側で接続設定を変更することはできなくなります。

 

5.プロバイダーの移行で注意すること

今のプロバイダーを変更したいと考えたときは、まずは現在の接続のことをよく知ることがまず一歩です。

・プロバイダーはどこなのか?
・回線業者はどこなのか?
・どういう接続プランに入っているのか?
・インターネットの接続料金はいくら払っているのか?
・電話回線は何本あるのか?
・契約のオプションに入っているのか?
・ONUの管理画面へのログインIDとパスワードは何なのか?

このようなことをまずは認識する必要があります。

でも、契約書類もなく、全くわからないという人も多いと思います。

そういう人は、クレジットカードの明細を見て、どのプロバイダーに入っているかを推測してください。

プロバイダーがわかったら、プロバイダーのサポートに電話して相談するのが一番です。契約内容がわからない場合は、サポートで契約内容の再発行をしてもらうこともできます。

新しいプロバイダーに変更するのは、その次のステップになります。

コロナウイルス下で必要となったパソコンとスマホの役割とスキル

コロナの前後で変わったこと

1.コロナウイルスの前と後で変わってきたもの

コロナの下でパソコン教室をずっと営業していて感じることは、以前よりも益々パソコンやスマホが必要になってきたということです。

特に、私自身として感じたのが、これまでスマホだけで生きていけると考えていた人達が、パソコンを買い始めたということです。

これは、会社のテレワークなどで、遠隔で仕事する場合には、パソコンでないと太刀打ちできないということがわかったからだと思います。

ただ、ここにきて必要となってきたパソコンのスキルは、従来型のソフトを使う能力というようなものとは異なり、ネットワークを介したファイルの管理や、遠隔という環境の中で、どのように仕事を効率的に行っていくかという「仕事の構成力」といったものになってきています。

当然ですが、多くのアプリや、それにかかわるネットワークの理解などは必要なのですが、無駄のない仕事のやり方を自分の頭で考えながら、会社のシステムの限界と戦ってゆくというようなサバイバル的な能力が必要になってきているということだと思うのです。

 

2.会社のセキュリティやシステムとの戦い

日本の会社は、旧来型の非常に古い考え方に支配されており、紙ベースの書類を作成することや、保管することが仕事であり、それと並行してローカルサーバーやクラウドサーバーなどのITの利用を促進しています。

このため、紙ベースの情報とオンラインベースの情報が入り交じり、情報としての統一性が全くない状態で、多くの会社では仕事をしています。

日本の多くの会社で見られる現象として、それぞれのデータは、個々のコンピュータの中ではエクセルファイルとしてまとめられているけれども、サーバーの中にあるデータベースとの情報とは絶えず差異が生じており、その情報の差異を埋めるために多くの社員が残業をしているという変な構造になっています。

つまり、個々のデータと、サーバー内のデータベースが並列して存在している状況を放置している状態がずっと続いているということです。

さらに、サーバー内のデータベースについても、部署が変われば別々のデータベースになっており、会社全体としての包括的なデータベースが構築されていないというような状況になっています。

このような不完全なIT化の中で、テレワークをしているわけですから、当然仕事は制限され、十分な成果を発揮できないというジレンマに陥っていることがとても多いように見受けられます。

加えて、テレワークを想定していない情報セキュリティシステムのために、複雑なネットワークを介した遠隔操作は、ネットワークスピードを低下させており、まともなネット環境の中で仕事ができるようになっていません。

 

3.コロナ下で必要とされるパソコンとネットワーク機器のスペック

今回、多くの方がテレワークでわかったことは、遅いネットワークスピードでは仕事はできないということです。

クラウドサーバーの場合、一見して便利そうに見えますが、多くの社員が一斉にアクセスすると、クラウドサーバー自体のアクセススピードが低下して、フォルダを開くだけで多くの無駄な時間が必要になったりしています。

また、クラウドサーバーへの接続は、セキュリティ上、権限を与えられたコンピュータからしかできないように制限されているので、会社所有のパソコンに限定されることと、権限のレベルにより出来ないことが多いと考えられます。

これに対して、リモート接続では、通常使っている会社のパソコンに1対1でアクセスして、会社のパソコンの画面を手元のパソコンで操作することができるので、環境も変わらず仕事の効率を高めることができます。

ただ、リモート接続のタイプによっては、ネットワーク機器の性能が低いと、接続が切れたり、再接続ができなかったりと問題もあります。

また、手元で操作するパソコンのスペックが低いと画面を表示するスピードが遅くなり、非効率となります。

このように、ネットを介して仕事をする場合は、パソコンの性能や、会社にあるネットワーク機器の性能により、大きく影響を受けることになります。

 

4.パソコンとスマホの連携で仕事をする

一方、スマホについても、コロナ下で様々な仕事を効率化するためのアプリが開発されてきています。

スマホがパソコンより優れている点は、写真を撮影して、それをネットワーク上にすぐに配信できるという点です。

これまで、紙ベースのものを相手に送るような場合は、プリンタや複合機で紙をスキャンしてPDFや画像ファイルとして、メールで添付して送るという必要がありました。

しかし、スマホの場合は、写真や動画に記録できることはもちろん、スキャン機能をもつアプリなども出てきており、簡単に情報の共有ができるようになってきています。

ここで重要になってくるのが、パソコンとスマホの両方に存在しているようなアプリです。

(1)情報やファイルを共有するためのアプリ

・OneDrive
・Google Drive
・DropBox

(2)遠隔でのコミュニケーションのためのアプリ

・Zoom
・Microsoft Teams
・Google Meet

(3)スマホの種類によらず使えるアプリ

・Gmail
・Google Photo
・Google Calendar
・Evernote ←無料は2つのデバイスまで

また、スマホ独自のアプリの中で仕事に使えるソフトがあります。

(4)画像をPDF化するアプリ

・Office Lens
・Adobe Scan ←店長お薦めです

これらのアプリを使って取得したデータをパソコンと共有するとことで、より早く仕事の材料をパソコンに取り込むことができます。

最終的には、パソコンでまとめて形にすることで、共有の資産になっていきます。

 

5.データベースと上級エクセルのスキルがこれから必要になる

上にも書きましたが、テレワークに限らず仕事の効率を上げたり、仕事の見える化を行うためには、社内のデータの一元化を実現していく必要があります。

ただし、実際のデータはパソコンで入力していくものなので、個々のデータを統合して統一的なデータベースをリアルタイムで構築していくような仕組みを作ることが最も合理的です。

これまでのエクセルから卒業して、データベースを考慮に入れたデータ構造を持つエクセルファイルの作成が最も必要なことだと思われます。

同時に、これまでの情報セキュリティの在り方を見直して、効率的で理解しやすいセキュリティの仕組みを作ることも大切です。

そして、そのための第一歩しては、社内のペーパーレス化と、ファイルの保管、ファイルの維持・廃棄をどのようにするかを考えることだと思います。

個人のレベルとしても、今後は上級エクセルとデータベースがわかる人材が増えていくことが必要だと思われます。

世の中ではAIという言葉が頻繁に出てきますが、データベースなくしてAIは存在できませんので、まずはしっかりしたデータベースを作ることが大切となります。

 

6.コロナ下で必要なってきた動画作成スキル

最近は、新しい仕事の形として、動画作成のスキルが求められてきています。

これは、ユーチューバーということではなくて、従来の仕事の延長線上に動画を使ったサービスを始めていくという意味です。

これまでは、イラストや文字を使って、スライドを作るというパワーポイント的なものが主流だったと思いますが、ここに来て、動画でより分かりやすく広まりやすい形のものを作ることが求められてきているようです。

動画の作成は一朝一夕で覚えられるものではなくて、計画→撮影→編集という流れで作成する必要があります。

最近は、スマホを使った撮影が最も簡単でいいのですが、問題は撮影した動画をパソコンに移して編集ソフトで編集していく部分です。

Macパソコンでは、「iMovie」というソフト、Windowsでは、「フィモーラ(Filmora)」というソフトが人気があります。

編集ソフトは簡単なほどいいのですが、いかに早く編集して、わかりやすいものを作るかという部分が最も大変な部分です。

いずれにしても、Youtubeなどにアップして見せるか、ホームページなどに組み込んで見せるかが、最終的な形になると思います。

 

7.個人として何ができるかを考える

コロナ下で、私達は制限された日常を送っていますが、少しづつですが、それぞれの個人が新しい何かを模索しているように感じます。

特に、芸術関係(演劇、音楽など)の方は、多くの模索を行っている最中だと思います。

個人としての仕事の仕方や、会社としてのサービスの在り方などが変化してゆく時代なのかもしれません。

ノコテック・ラボも、オンラインレッスンなども行っておりますが、遠隔で教えるということの難しさも感じています。(教えるという効率は落ちます)

やはり、動画などで配信した方が、より多くの方に届くし何度でも見れるので、今後はそちらの方にも力を入れていきたいと考えています。

また、ネット上の便利なツールを使うことで、不可能と思っていたことが実現できたりすることもあるので、これから出てくる様々なツールをいち早く試しながら、皆さんに紹介できたらと思っています。

固定概念にとらわれず、何事も、まずは、やってみてから考えるということが、今の私達に必要なことだと思います。

無線WiFiが遅い!~原因とその解決方法

1.無線WiFiのスピードが遅いのはどうして?

ノートパソコンで無線LANを使っていると、突然ネットの接続が遅くなって切れるということはありませんか?

最近は、テレワークなどでZoomが途中で切れてしまうという方も多いようです。

無線WiFiでパソコンをネットに接続することは、とても便利なのですが、もともと無線は有線にくらべると非常に不安定であるということを認識する必要があります。

一番やっかいなのは、無線自体は目に見えないので、トラブルになった時に何が原因で遅くなっているのかがつかめないという点です。

今回の記事では、そういう不安定な無線を目に見える形にして、無線WiFiのスピードを改善する方法について書いてみたいと思います。

 

2.無線WiFiのスピードを測定する方法とは?

無線WiFiのスピードというのは、パソコンやスマホやタブレットで測定することができます。

ただし、そのスピードは測定する機器自体の性能にも依存しています。パソコンやスマホのCPUのスピードや付属している無線子機の性能などに依存します。

といっても、持っている機器で測定するしかないので、まずは測定してみましょう。

Fast Speed Test: https://fast.com/ja/

Fast Speed Test 無線のスピードを測定

このFast Speed Testは、このアドレスに行くだけですぐに無線のスピードの測定が始まるので、とても簡単です。

スマホやタブレットの場合は、Apple StoreやGoogle Playから「Fast Speed Test」というアプリをダウンロードできます。

このサイトやアプリは、「NETFLIX」が提供しているんですね。

大きく出ている数字が「ダウンロードスピード(Mbps)」です。また、「詳細を表示」ボタンを押すと、アップロードスピードも表示できます。

つまり、家や会社などのパソコンやスマホを使う場所で、無線のスピードを直接測定することができるというわけです。

無線のスピードは、「測定している機器」、「測定する場所」に依存しますので、無線自体のスピードではなく、その機器で受け取っているスピードだと考えてください。

 

3.正しい評価のための測定方法とは?

ネットからパソコン(スマホ)までの流れは、

プロバイダ ⇒ インターネットルータ ⇒ 無線親機 ⇒ パソコン(スマホ)

というようになっています。

①有線LANでの測定

まず、自分の家に来ているネットの最高スピードを測定するためには、パソコンを有線LANケーブルでインターネットルータに接続してから、Fast Speed Testで測定します。

もちろん、パソコンのCPUのスピードにも依存しますが、有線LANで接続されたときのスピードが最高スピードだと考えてください。

 

②無線LANでの測定

次に、無線WiFi(電波の種類はA)でパソコンをネットに接続して、測定します。

無線親機の電波の種類にはAの電波とGの電波の2種類があります。Aの電波は5GHzという周波数の電波で、非常に高速で電波ですが、届く範囲はGの電波よりも短くなるのが特徴です。

一方、Gの電波は2.4GHzの周波数の電波で、こちらは障害物などがあってもより広い範囲に届くといわれている電波です。

最近の無線親機の場合では、Aの電波で最高で1733Mbps、Gの電波で最高で800Mbpsという仕様を持つ機器もあるのですが、あくまでもスペックですので、実際に測定した結果とは、異なります。

測定するポイントとしては、必ずAの電波とGの電波の2種類で測定してください。

また、親機のすぐ近くや、家の2階・3階などの離れた場所などで測定するのがいいと思います。

 

4.無線が遅い場合の解決方法とは?

無線が遅いという場合、単純ではなく、何が原因で遅くなっているのかを調査する必要があります。

①そもそもプロバイダーからのネット速度が遅い

自分が加入しているプロバイダのプラン、ポケットWiFiのプランなどがそもそも遅いという場合があります。家に光回線が来ているという方は、この問題は特にないと思いますが、ポケットWiFiやSoftBank Airなどの無線を使っている方は、家の場所や構造などによって、回線が遅くなっていることがあります。

このような場合は、新しい光プランの導入などが必要になります。

 

②無線の親機の性能が劣化していて遅い

今回、いろいろと調査してみると、無線の親機の性能劣化という場合が一番多いように思われました。無線親機は、一度購入してから何年も同じ機種を使っている人が多いと思います。

ところが、無線の親機自体は、経年劣化によって無線のスピードが遅くなったり、不安定になったりします。

特に、Fast Speed Testで測定した時に、数回同じ場所で測定して、測定値が速くなったり、遅くなったりするような場合は、無線親機の性能が劣化していることがあります。

一般に、無線親機は3年くらいで交換して、新しい機種に変えたほうがいいと思われます。

特に、古い無線親機の場合は、暗号化のレベルが低いとパソコン側で電波を受け入れられないということもありますので、買い替えは必須となります。

 

③パソコンやスマホの無線子機の性能が低い

これはどうしようもないということもありますが、古いパソコンの場合では無線子機のドライバーが古く、更新もないということで、たとえ無線親機のスピードが上がってもパソコン側でのスピードが上がらないということがあります。

また、スマホの場合も、スマホの無線のスピード性能は、最初から決まっており、一定以上のスピードがでないということもあります。

パソコンの場合であれば、USBタイプの無線子機を別途購入して接続するという手があります。また、Gの電波よりAの電波の方が高速なので、Aの電波を使うようにする手があります。

スマホの場合には、Aの電波を受けられない機種もありますが、Aの電波を受けられる機種の場合は、Aの電波を使うことでスピードが速くなります。

 

④Windows UpdateやOSのアップデートをさぼっていると遅い

こんなことはマイクロソフトは言っていないのですが、実際にWindows Updateが少しでもたまってくると、無線の速度が急激に遅くなることがあります。

一つは、Windows10においては、Windows Updateにより自動でダウンロードが始まって、パソコン自体のスピードの低下が起こることがしばしばあります。

それとは別に、Windows Updateの中には、たびたびセキュリティ関連のアップデートがあって、その更新がされていないパソコンにおいて、ネット接続がブロックされるようなことが実際にあります。

最近は、パソコンをスリープだけで使って、めったに再起動しないという方も増えていると思いますが、再起動しないで使っていると、確実にパソコンの速度の低下が起こりますので、頻繁に再起動するようにしてください。

 

5.圧倒的に無線より有線の方が高速です

多くの方は、無線と有線のスピードは同じくらいだろうと思っていると思います。

ところが、実際に測定してみると、有線LANでの接続の方が、無線LANでの接続よりも圧倒的に高速であるということがわかります。

今後は5Gなどの参入もあるのでわかりませんが、今のところは有線の勝利です。

でも、これからの時代はLANケーブルをオフィスや家の中でひっぱっていくという時代ではありません。

なので、対策方法としては以下の点を検証してみてください。

  • インターネットプランの見直し
  • 最新版の無線親機に買い替える
  • Aの電波を使うようにする
  • 自分のパソコンでの無線速度を認識する
  • Windows Updateをこまめに行う
  • パソコンを再起動して、たえずリフレッシュする

無線が遅いという場合に、パソコンが悪いと考える人が多いのですが、原因はいろんなところにありますので、冷静に検証してみましょう。

また、スマホを購入する場合、今後は無線のスピードなども気にかけて、購入するのがいいかもしれません。

NTT東日本-IPA「シン・テレワークシステム」を無料で使おう!

新型コロナウイルスの感染対策として多くの会社では、テレワークが普及してきています。

2020年4月21日に、NTT東日本とIPA(独立行政法人情報処理推進機構)は、コロナウイルス対策として新たに「シン・テレワークシステム」を公開し、2020年10月31日まで、無償でこのシステムを提供することを発表しました。

つまり、私達はこのテレワークシステムを約半年間無料で使用できるのです。

テレワークをしたいが、会社にテレワークシステムやクラウドシステムがないという方は、この「シン・テレワークシステム」を使うことができます。

巨大なネットワークインフラを持つNTT東日本と日本のITセキュリティを担当するIPAが作ったテレワークシステムですが、これは「実証実験」ということでソフト自体はベータ版として提供されています。

ベータ版というのは開発中ということですが、使ってみたところ十分に使える性能がありますので、安心して使用できると思います。

ただし、ベータ版の宿命として、バージョンアップが随時行われますので、最新のソフトウェアをダウンロードして使用するようにしてください。

なお、本システムはWindows専用です。Macには対応していません。

 

1.「シン」は「新」ではなく、「Thin」という意味です。

「シン」という言葉ですが、「シンクライアント」という意味から来ています。

私も詳しくはないので、詳しくは以下のページを見てください。

シンクライアント製品紹介|種類・デスクトップ環境も徹底比較

要するに、ホスト側のパソコンにリモートで接続して、ホスト側のパソコン画面だけですべて作業し、作業ファイルはクライアント側のパソコンには一切ダウンロードさせないというようなシステムであるということです。

 

2.「シン・テレワークシステム」のダウンロード

以下のページから、ソフトをダウンロードできます。

https://business.ntt-east.co.jp/service/thintelework-system/

NTT東日本-IPA「シン・テレワークシステム」

上記ページの「ダウンロード」というメニューをクリックします。

シンテレワークシステム ダウンロード

ソフトには、以下の3つのタイプがあります。

(1)サーバー (共有機能有効版) + サーバー (共有機能無効版) + クライアント のセット

(2)サーバー (共有機能無効版) + クライアント のセット

(3)クライアントソフトウェアのみが入っている ZIP ファイル

通常は、(1)のすべて入っているセットものをダウンロードするのがいいと思います。

共有機能有効版と共有機能無効版の違いは、テレワーク上で会社のパソコン内のファイルの持ち出しができるのが共有機能有効版で、持ち出しが出来ないのが共有機能無効版です。

会社側のセキュリティポリシーに従ってどちらのソフトを選ぶかは選択するようになります。

 

3.サーバー側のパソコン(会社にあるパソコン)へのインストール

まず、「サーバー (共有機能有効版) + サーバー (共有機能無効版) + クライアント のセット」をダウンロードしたファイルをダブルクリックします。

シン・テレワークシステム サーバー側へのインストール

次へボタンを押します。

シン・テレワークシステム サーバー側へのインストール

ここでは、「シン・テレワークシステム サーバー(共有機能無効版)を選択して、次へボタンを押します。

シン・テレワークシステム サーバー側へのインストール

使用条件を読んで、次へボタンを押します。

シン・テレワークシステム サーバー側へのインストール

重要なお知らせを読んで、次へボタンを押します。

シン・テレワークシステム サーバー側へのインストール

ここでは、インストール先を選択して、次へボタンを押します。このソフトの場合、ユーザーアカウントの領域にインストールが行われるようです。

シン・テレワークシステム サーバー側へのインストール

次へボタンを押すとインストールが実行されます。

シン・テレワークシステム サーバー側へのインストール

いわゆるUAC(ユーザーアカウント制御)の確認画面が、リモート中に出ないように設定しましたという確認ですので、OKボタンを押します。

シン・テレワークシステム サーバー側へのインストール

セットアップが完了しましたという画面です。そのまま完了ボタンを押すと、初期設定の画面が出てきます。

シン・テレワークシステム サーバー側へのインストール

まず最初に、リモートアクセス用のパスワードの設定を行ってくださいという画面が出てきますので、ここでは「パスワードを今すぐ設定する」というボタンを押します。

シン・テレワークシステム サーバー側へのインストール

セキュリティ設定の画面となりますので、パスワードを設定してください。パスワードはクライアント側のパソコンからサーバー側(ホスト側)のパソコンに接続するときに入力するものです。忘れないようにメモを取ってください。設定したらOKボタンを押します。

シン・テレワークシステム サーバー側へのインストール

これが、サーバー側の設定画面になります。

コンピュータIDは自動で設定されていますが、自分で好きな名称に変更することもできます。(そのままでも大丈夫です)

「セキュリティ設定ボタン」を押すと、パスワードを設定(再設定)できます。

「動作設定ボタン」を押すと、以下の画面になります。

シン・テレワークシステム サーバー側へのインストール

特に変更する必要はないと思います。

「設定用パスワードの設定」ボタンを押すと、以下の画面になります。

シン・テレワークシステム サーバー側へのインストール

この画面では、本設定画面自身を起動するためのパスワードを設定することができます。外部からアクセスされて、設定を変えられる危険性がある場合は、パスワードを設定しておいたほうが安全です。パスワードを設定する場合は、必ずメモしておいてください。

設定は以上です。設定画面の「閉じる」ボタンで閉じてください。

この「シン・テレワーク サーバー設定」は、スタートメニューの中に設定されていますし、デスクトップ上にもショートカットが生成されています。

シン・テレワークシステム サーバー側へのインストール

上の図は、スタートメニューの中のソフトの表示です。この中には、このソフトをアンインストールするためのメニューも含まれています。

 

4.クライアント側のパソコン(家で作業するパソコン)へのインストール

まず、「サーバー (共有機能有効版) + サーバー (共有機能無効版) + クライアント のセット」をダウンロードしたファイルをダブルクリックします。

シン・テレワークシステム クライアント側へのインストール

次へボタンを押します。

シン・テレワークシステム クライアント側へのインストール

「シン・テレワークシステム クライアント」を選択して、次へボタンを押します。

シン・テレワークシステム クライアント側へのインストール

使用条件を読んで、次へボタンを押します。

シン・テレワークシステム クライアント側へのインストール

重要なお知らせを読んで、次へボタンを押します。

シン・テレワークシステム クライアント側へのインストール

インストール場所は、Program Filesの中になります。そのままでいいので、次へボタンを押します。

シン・テレワークシステム クライアント側へのインストール

次へボタンを押すとインストールが開始されます。

シン・テレワークシステム クライアント側へのインストール

無事にインストールが完了したら、完了ボタンを押します。完了ボタンを押すと、クライアントソフトが起動します。

シン・テレワークシステム クライアント側へのインストール

これが、クライアントソフトの起動した画面です。

サーバー側で設定された「コンピュータID」を入力して、「接続」ボタンを押します。

シン・テレワークシステム クライアント側へのインストール

次にパスワードを求められますので、サーバー側で設定したパスワードを入力して、OKボタンを押します。

シン・テレワークシステム クライアント側へのインストール

サーバー側のパソコンに接続が成功すると、上の図のような画面が出てきますのでOKボタンを押します。

そうすると、サーバー側のパソコンの画面が、クライアント側の画面に表示され、リモート操作ができるようになります。

 

5.このシステムを使用する際のポイントについて

(1)サーバー側のパソコンは、常時ONでなければなりません

サーバー側のパソコン(会社のパソコン)にクライアント側のパソコン(家にあるパソコン)がアクセスするためには、サーバー側のパソコンが常にONでなければなりません。

もし、サーバー側のパソコンが、シャットダウンされたときには、完全にアクセスすることができなくなります。

さらに、サーバー側のパソコンが再起動した場合も、起動時の初期画面は、Windows10の場合は、ロック画面となっており、さらにロック画面の先には、Windows10へのログインの画面があります。

このシン・テレワークシステムは、アカウントにログインしない状態では起動することができませんので、ロック画面やログイン画面の状態では、クライアント側からはアクセスすることができません。

つまり、再起動してしまうと、クライアント側からアクセスすることが出来なくなるということです。

※今後、バージョンアップによって、Windowsのサービスとして本ソフトがインストールすることができるようになれば、上記の問題は解決するのかもしれません。

また、サーバー側のパソコンにおいては、以下のような環境にすることが賢明だと思われます。

  • スクリーンセーバーを無効化する
  • スリープをしないように設定する
  • Windows Updateを7日間更新を一時停止にする(設定画面で)

Windows Updateについては、再起動が必須のアップデートがあるため、一時停止しておいたほうがいいと思われます。

ただし、Windows Updateは重要ですので、たまに会社に行って、パソコンの更新作業を行うことが望ましいと思われます。

 

(2)サーバー側のパソコンとクライアント側のパソコンの画面解像度が異なる場合は、画面解像度の調整が必要です。

会社のパソコンがデスクトップのため、解像度が高いことが多いと思います。

家で使用するパソコンがノートパソコンの場合、クライアント側でサーバー側の画面を見た場合、全体を表示することができなく、画面のスクロールが必要になることがあります。

そこで、クライアント側でサーバー側の画面を表示した際に、サーバー側のデスクトップを右クリックして、ディスプレイ設定を選択し、クライアント側のディスプレイ解像度と同じ解像度にしておくことが大切です。

サーバー側の画面が表示されたときに、一番上には以下の図のようなツールバーが表示されています。

シン・テレワークシステム ツールバー

このツールバーの一番左にあるのが、「接続設定の変更」ボタンです。

このボタンを押すと、以下のような画面が表示されます。

シン・テレワークシステム 接続設定の変更

サーバー側のパソコンの画面解像度をクライアント側のパソコンの画面解像度に合わせた後に、この接続設定の画面に入って、表示の縮尺%を87%に設定すると、サーバー側の画面が、ピッタリとクライアント側の画面に入るようになります。

 

6.サーバー側のパソコンが再起動しても使えるようにする方法

本システムの問題点の1つが、サーバー側のパソコンが再起動した際に、クライアント側からの接続ができなくなるという点です。

この問題を解決するためには以下の2つの点を解決する必要があります。

(1)画面ロックをしないように設定する。

Windows10のパソコンでは、再起動時の初期画面で綺麗な写真が表示されていますが、これは画面がロックされている状態です。この画面を1回クリックするとログイン画面に行きます。

この画面ロックが起こると、クライアント側からアクセスができなくなります。

この画面ロックをオフにするためには、以下のページの方法でレジストリの設定を変更する必要があります。(それほど難しくはありませんが、慎重に行ってください)

Windows10 ロック画面を完全に無効化して、すばやくサインイン

 

(2)ログイン画面を表示させずに自動ログインに設定する

さらに、ログイン画面についても、同様にクライアント側からアクセスできない状態となりますので、ログイン画面を表示させないで、自動的にログインさせるように設定を変更する必要があります。

この自動ログインの設定は、以下のページを参照してください。

Windows10 自動ログイン 起動時のパスワード入力を省略

 

上記の2つの設定をすることで、サーバー側のパソコンを再起動しても、クライアント側のパソコンからアクセスできるようになります。

ただし、セキュリティの面を考えると不安もありますので、注意して運用するようにしてください。

 

7.テレワークシステムで大切なこと

本シン・テレワークシステムは、2020年10月31日までは無料で使用することができます。

この無料の期間はソフトの実証実験の段階であるため、たえずソフトのバージョンアップがなされます。

新しいバージョンが出たら、古いバージョンのソフトを削除して、新しいバージョンのソフトをインストールするようにしましょう。

恐らく、どんどん機能の追加が行われてくると思います。

 

テレワークのやり方としては、

・今回のようにリモートで会社にある自分のパソコンと接続する方法

・ゼロ・クライアントのパソコンを使って仮想化したデスクトップで作業する方法

・クラウドシステムを利用して、手持ちのパソコンからデータにアクセスする方法

・VPNソフトを利用して、会社のサーバーの中にあるデータにアクセスする方法

・パスワードロックをしたUSBメモリにデータを入れて、家に持って帰って作業する方法

・会社のノートパソコンを自宅に持って帰って作業する方法

など様々な方法があると思います。中にはあまりお勧めできない方法もあるかと思いますが、数人でやっている会社と大企業では、当然やり方も変わっていいと思います。

それぞれの会社ごとに適した方法を工夫して作っていくことで、テレワークは可能だと思います。

テレワークで大切なことは、会社の中でいつも行っているような仕事のやり方はできないということです。ですから、上司の方はテレワークで無理な要求を部下にすることは絶対にやめてください。

むしろ、仕事の効率化をするために、無駄な仕事をできるだけ省いて、本質的な部分だけに集中して仕事をすることが大切です。

そうすることで、本来の働き方改革につながっていくのではないかと思います。