
新しいパソコンをセットアップした時に、最後に紹介されてくる機能が「スマートフォン連携」です。そこでは「あとで」というボタンや「スキップ」というボタンを選択して、設定されていないという方が多いと思います。
これらのマイクロソフトが提案する新しい機能というのは、ユーザーが使用するか使用しないかによって、今後に引き継がれるか、それとも廃止されるかが決まってきます。
覚えていない方も多いかと思いますが、Windows11が新しく出てきた当初、その機能の中に「アンドロイドアプリが使える」というものがありました。これは、アマゾンのサービスを経由してWindows11側でもアンドロイドアプリをインストールして使えるようにするものでしたが、今や影も形もなくなっています。
つまり、「スマートフォン連携」という機能についても、今後引き継がれるかどうかはわかりませんが、この機能は一体どのようなことなのか?ということを今回は説明していきたいと思います。
1.スマートフォン連携の機能とは?
スマートフォン連携とは、パソコンとスマートフォンを連携するということなのですが、どのような機能があるのかについて、まず説明します。
- パソコン側でスマートフォンの通知を表示できる
- パソコン側でスマートフォンの電話をかけることができる
- パソコン側でスマートフォンのショートメール(SMS)のやりとりができる
- パソコン側とスマートフォン側で双方向に写真やファイルのやりとりができる
- パソコン側とスマートフォン側でコピーとペーストが出来る
- パソコン側にスマートフォンの画面が表示されて、パソコンからスマートフォンのアプリ操作ができる
ざっと言えば、このような機能があるようです。
しかし、実はこれらの機能がすべて使えるのは、特定のスマートフォンだけであり、自分のスマートフォンが対応しているかどうかは、試してみるしかありません。
2.スマートフォン連携に対応できるスマートフォンとは?
スマートフォンの種類と対応する機能についてまとめてみました。
| スマートフォンの種類 | メーカー | 対応する機能 |
| Android ※Android10以降のバージョンが必要 |
Samsung Galaxy(韓国) HONOR(中国) OPPO / OnePlus(中国) Xiaomi(中国) |
1. 通知の表示 2. 電話 3. SMS 4. ファイル交換 5. コピーペースト 6. 画面表示とアプリ操作 |
| Google Pixel SHARP AQUOS Sony Xperia その他 |
1. 通知の表示 2. 電話 3. SMS 4. ファイル交換 5. コピーペースト |
|
| iPhone | Apple | 1. 通知の表示 2. 電話 3. SMS |
上記の表のように、スマートフォン連携のすべての機能に対応するのは、ほんの一部の機種だけであり、韓国系や中国系のAndroidスマホに限られています。
iPhoneにいたっては、ファイル交換も出来ないというレベルです。
なお、パソコン側で言うと、スマートフォン連携は、Windows10(2022年10月更新移行)とWindows11の両方で使えるのですが、すべての機能が使用できるのはWindows11のみです。
このように、たとえWindows11のパソコンを持っていても、持っているスマホへの依存性が高いのが「スマートフォン連携」と言えます。
3.スマートフォン連携の設定とは
スマートフォン連携をするための設定ですが、パソコン側の設定とスマートフォン側の設定の2つが必要になります。
また、両者を同じWiFiに接続しておく必要があります。
(1)パソコンとアンドロイドスマホとの連携設定
- 設定→「Bluetoothとデバイス」→「モバイルデバイス」に行く
- 「このPCによるモバイルデバイスへのアクセスを許可する」をオン
- 上記がすでにオンになっている時は、「デバイスの管理」のボタンを押して、次の画面で、「デバイスの追加」ボタンをクリックする
- PCからモバイルデバイスを使用する画面→Androidを選択
- 画面上にQRコードが表示される
- スマートフォン側で、Google Playから「Windowsにリンク」をインストールする
- Windowsリンクを開き、最初の画面で「PCでQRコードを使用してサインイン」をタップする
- 「写真と動画の撮影をWindowsリンクに許可しますか」とくるので、「アプリの使用時のみ」を選択
- スマートフォン側にQRのスキャン画面が出てくるので、パソコン側に表示されたQRコードを読み取る
- モバイルデバイスをMicrosoftアカウントにリンクする画面が出てくるので「続行」
- パソコン側に表示された6桁のアクセスコードをスマホ側に入力する
- 画面ロックを使用する(指紋認証する)
- 「AMSメッセージの送信と表示をWindowsリンクに許可しますか」→「許可」
- 「電話の発信と管理をWindowsリンクに許可しますか」→「許可」
- 「連絡先へのアクセスをWindowsリンクに許可しますか」→「許可」
- 「通信履歴へのアクセスをWindowsリンクに許可しますか」→「許可」
- 「このデバイス内の写真と動画へのアクセスをWindowsリンクに許可しますか」→「すべて許可」
- 「通知の送信をWindowsリンクに許可しますか」→「許可」
- 「このデバイスの位置情報へのアクセスをWindowsリンクに許可しますか」→「アプリの使用時のみ」
- 「アプリにバックグラウンドでの常時実行を許可しますか」→「許可」
- 「オプションの診断データを共有する」→「拒否」
- Windowsリンクの新機能を見る画面で「続行」
- Windowsリンクのトップ画面となる。
- パソコン側の画面は、「準備が完了しました」となるので、「続行」
- モバイルデバイスの画面が表示されるので、その中にある「スマートフォン連携を開く」をクリック
- スマートフォン連携が起動して、「スマートフォン連携にようこそ」の画面が出てくる
- 「Windowsにサインインするときにスマートフォン連携を開く」にチェックして「開始」ボタンを押す
- ここまでで、スマートフォン連携のメイン画面が表示され設定が終了する
(2)パソコンとiPhoneとの連携設定
- 設定→「Bluetoothとデバイス」→「モバイルデバイス」に行く
- 「このPCによるモバイルデバイスへのアクセスを許可する」をオン
- 上記がすでにオンになっている時は、「デバイスの管理」のボタンを押して、次の画面で、「デバイスの追加」ボタンをクリックする
- PCからモバイルデバイスを使用する画面→iPhoneを選択
- iPhone側の画面で、Apple Storeから「Windowsにリンク」のアプリをインストールして、開く。
- 「PC上のQRコードをスキャンする」をタップ
- カメラのアクセス権を許可する
- QRコードのスキャン画面となるので、パソコン側に表示されたQRコードを読み取る
- Bluetoothとのペアリングを続行する→「続行」ボタン
- デバイスのペアリングを許可する
- パソコン側の画面で、「デバイスをペアリングしますか?」となり番号が表示される
- iPhoneとPCの間でファイルを共有する→ファイルの共有を設定する
- iPhoneをMicrosoftアカウントにリンクします→「続行」
- サインイン画面となるので、マイクロソフトアカウントのメールを入力
- 確認メールのメールアドレスを入力
- メールに来たコードを入力してサインイン
- 「Windowsリンクは通知を表示します」→「許可」
- PCでファイルなどを共有する準備ができました→「確認」
- 品質向上にご協力ください→「拒否」
- パソコン側の画面で、「iPhoneとPCの間でファイルを共有する」→「続行」
- このアカウントを使用(マイクロソフトアカウントの選択)
- 準備が完了しました→「続行」
- モバイルデバイスの画面が表示され、その中にiPhoneが設定されている
- iPhoneの設定の中にある「スマートフォン連携を開く」をクリック
- スマートフォン連携が開き、「スマートフォン連携にようこそ」の画面が表示される
- 「Windowsにサインインするときにスマートフォン連携を開く」にチェックして、「開始」ボタンを押す。
- iPhoneへのアクセス許可を有効にする→iPhoneの画面でアクセス許可を有効にする
- iPhoneの設定の中の「Bluetooth設定」からPC名を見つけて、そのPC名の右側にある「iマーク」をタップ→「システム通知を共有」をオン、「通知を表示」をオンにする
- 続いてパソコンの画面に移り、スマートフォン連携の画面の上部にある「通話」タブをクリックする
- 「モバイルデバイスからアクセス許可を付与する」と表示されている
- iPhone側で、設定の中の「Bluetooth設定」からPC名を見つけて、そのPC名の右側にある「iマーク」をタップ→「メッセージ通知を表示する」と「連絡先の同期」の2つをオンにする
- 通話タブの中の「モバイルデバイスからアクセス許可を付与する」の「完了」ボタンをクリック
- パソコンのスマートフォン連携画面の右上のiPhone表示の下にある「更新ボタン」を押す。
- パソコンのスマートフォン連携画面の左側の通知の上にある「デバイス間でファイルを共有する」をクリック
- 「iPhoneとPCの間でファイルを共有する」→「続行」
- 「準備が完了しました」→「続行」
- 以上で設定が終了しました。
(3)上記の設定における注意点
設定がかなり複雑であり、パソコン側とスマートフォン側の画面を交互に操作するようなことが多々あります。操作が遅くなったり中断したりすると、設定がうまく行かなくなることがあります。
そのような場合は、パソコン側の「設定」→「Bluetoothとデバイス」→「モバイルデバイス」に行き、「デバイスの管理」ボタンを押して、途中まで設定したデバイスが表示されていたら、「このモバイルデバイスの削除」にある「削除」ボタンを押して、一旦消去します。その後、「デバイスの追加」ボタンから再度設定を開始するようにしてください。
特に、iPhoneの場合は設定を迅速に行わないとと失敗する傾向があります。
また、Bluetoothの接続からやり直す場合は、「設定」→「Bluetoothとデバイス」の画面で、表示されているスマートフォンの機種名の右上の「…」をクリックすると、デバイスの削除を行うことも出来ます。
逆に、スマートフォン側の「設定」のBluetoothの接続設定の中にPC名がある場合、その機種名をクリックすると、そこから接続の解除もできます。
さらに、アンドロイドスマホのみになりますが、パソコン側のアカウントフォルダ(C:\Users\アカウント名のフォルダ)の中にある「CrossDevice」というフォルダが生成されています。この中を見るとアンドロイドスマホの機種名のフォルダが作成されています。
もし、完全に設定を削除したいような場合は、こちらの機種名のフォルダも削除するようにしてください。
また、スマートフォン側についても、完全に設定を消したい場合は「Windowsにリンク」アプリを削除することで、設定も削除されます。
私も、何度も設定に失敗して、リセットするために以下の操作を行いました。
- パソコン側:モバイルデバイスの削除
- パソコン側:Bluetoothのスマートフォンデバイスの削除
- パソコン側:CrossDeviceフォルダ内のデバイス名フォルダの削除
- スマートフォン側:BluetoothのPCデバイスの削除
- スマートフォン側から「Windowsにリンク」を削除
- パソコン側:スマートフォン連携をオフ
- パソコン川:このPCによるモバイルデバイスへのアクセスを許可するをオフ
- パソコンの再起動
- スマートフォンの再起動
なお、完全に設定が出来ていても、スマートフォン連携がうまくいかないような場合は、スマートフォンを再起動することで、復活することがあります。
特にアンドロイドスマホの場合は、スマートフォン側のMTP(Media Transfer Protocol) を使ってパソコンとやりとりをしています。このMTPをリフレッシュするためには、スマートフォンの再起動が必要です。
4.アンドロイドスマートフォンの写真をパソコンにコピーする
アンドロイドスマホの中にある撮影した写真が、スマートフォン連携の「フォト」タブに表示されているのだろうと最初は勘違いしてしまいます。
実は、「フォト」タブの中にあるのは、スマートフォンのスクリーンショットの画面のみで、カメラで撮影した写真が表示されていません。
そこで、スマートフォン連携の「フォト」タブの画面の右上にある「エクスプローラーを開く」ボタンを押します。
ここで最初のみ、「スマートフォンをオンにしてすべてのファイルアクセスを有効にする」というダイアログが出ますので「続行」ボタンを押します。
続けてスマートフォン側の通知に「このデバイスでファイルを管理するためのアクセス許可が必要です」と出てくるので、タップして開き、「すべてのファイルへのアクセスの画面」で「全ファイルの管理権を付与」をオンにします。
これらの操作により、パソコン側からエクスプローラーが開き、以下のような画面が見えるようになります。エクスプローラーのナビゲーションウィンドウ(左側のカラム)にアンドロイドの機種名が表示されていますので、そちらをクリックしてみてください。

この画面の中の「画像」ファイルを開くと、最近撮影した写真が表示されるようになります。
これらの写真をデスクトップにドラッグするだけで、パソコン側にファイルがコピーされます。
「ビデオ」フォルダには動画があり、「ドキュメント」にはPDFファイルなどのファイルがあり、「ミュージック」には音楽ファイルがあります。
また、スマートフォンでダウンロードした各種ファイルは「ダウンロード」フォルダの中にあります。
すべてのファイルは、パソコン側にドラッグするだけでコピーされるようになっています。
ここで注意して頂きたいのは、あくまでもスマートフォンからパソコンへのコピーであり、その逆はこの画面からは出来ませんので注意してください。
5.パソコンのファイルをアンドロイドスマートフォンにコピーする
それでは、パソコンの各種ファイルをスマートフォン側にコピーする方法について説明します。
まず、アンドロイドスマートフォン側の「Windowsにリンク」のアプリを起動させます。
1.パソコン側にある送信したいファイルを右クリックします。
2.「共有先」→「スマートフォン連携」を選択します。
3.スマートフォン側の「Windowsにリンク」の画面に、そのファイルが表示されています。(すでにスマートフォン側に保存されています)
4.表示されているファイル名の右側の「…」をクリックします。
5.「ファイルの保存場所を開く」を選択すると、ファイルを確認できます。
6.基本的には、アンドロイドスマホのダウンロードの中にファイルが保存されるようです。
6.スマートフォン連携をスタートアップに登録する
スマートフォン連携はアプリではないので、プログラムの中に存在していません。
ただし、バックグラウンドで動いているので、問題はないのですが、スマートフォン連携の画面を開くために、たびたびモバイルデバイスの設定に行くのは面倒です。
パソコンの起動時に画面を起動するようにするためには、アプリをスタートアップに登録する必要があります。
「設定」→「アプリ」→「スタートアップ」の画面に行きます。
リストの中から、「スマートフォン連携」を探してオンにしてください。
パソコンを再起動すると、最初に起動するようになります。
7.果たして便利なのか?
スマートフォン連携は、果たして便利なのか?
アンドロイドスマホの場合は、ファイルの相互やりとりが出来るので、ある程度は便利になるのではと思いますが、iPhoneの場合は、通知、電話、SMSだけなので果たして便利かどうかは微妙です。
本来は、パソコンの画面上でスマートフォン画面を操作できるということがメリットだったと思うのですが、アンドロイドの機種により出来たり出来なかったりということは、安定した機能ではないということになります。
あくまで個人のパソコンと個人のスマートフォンの間の連携であって、会社などで使用すると情報漏洩と見なされますので、使うことはできないと思われます。
何よりも、設定の複雑さとステップの多さで、誰もチャレンジする前にあきらめるのではないかと心配します。
もともと、Windowsパソコン、Googleが作ったAndroidスマホ、Appleが作ったiPhoneという全く別の会社での連携ですので、障壁が大きく設定が複雑になるのは仕方がないような気がします。
画像ファイルや動画ファイルをアンドロイドスマートフォンで撮影して、すぐにパソコン側にコピーして作業したい人、SMSのやり取りが多く、パソコンのキーボードからメッセージの送受信をやりたい人、パソコンで作成や編集した画像やファイルをスマホにコピーして、SNSなどで活用したい人、このような人には便利なのかもしれません。
興味があれば、是非使ってみてください。


