WindowsやMacはいつも使っていても、Linuxは使ったことがないという方に最適なのが、Parallels Desktop for Macを使ったLinuxの導入です。
1.OSの歴史
歴史的には、Unixを起源として1990年代に独自OSとして生まれたLinuxは、無料で使用できるOSとして世界中で普及してきましたが、その多くはサーバーや一部のプログラマが使用するものといった認識だったように思います。
1960年代の末期、コンピュータはUnixとして始まりました。当初は業務用や研究用のためのコンピュータでした。その後、1970年代の中期に個人のためのコンピュータを目指したAppleやMicrosoftが生まれて、それ以来、様々なOSが乱立する時代を経て、個人のためのパソコンが世界中に普及するようになります。
代表的なものは、1980年に生まれたMS-DOS、1987年に生まれたMacintosh、1995年に生まれたWindows 95、2001年に生まれたMacOS XとWindows XPなどです。
一方で、Unixの系譜でありながら、無料で使用できるFreeBSDや、Linuxが1990年代から主流となり、インターネット上のサーバーとして普及していきます。
日本でもTRONというOSが1980年代に生まれ、そこから派生した機器組み込み型のOS(ITRON)は、今でも世界中で使われています。一方でパソコン版のOS(BTRON)は残念ながら日米貿易摩擦により普及できませんでしたが、現在でも「超漢字」というOSとして生き残っています。
WindowsやAppleのOSは、一般のユーザー向けのOSとして、ほぼ世界中で使われています。しかしながら、Linuxは一般のユーザー向けといったパソコンとしては販売されておらず、私達が知る機会が少ないOSとなっています。
2.経済安全保障としてのLinuxの役割
近年、ヨーロッパの国々では、WindowsやAppleやGoogleなど、アメリカの巨大企業が運営しているOSに対して、安全保障上の観点とコストの観点から、独立したOSを持つことを目指してきています。
特に、ドイツやフランスでは、官公庁で使用するコンピュータをLinux OSに置き換えていく動きが進んできています。
現在、世界ではセキュリティが脅かされる事態が頻繁に起きていて、従来のコンピュータでは防ぎきれないほどの問題が増えてきています。
このような中で、Linux OSを業務に使うという選択肢が求められてきているようです。
3.安全にLinuxを勉強できる環境がParallels Desktopです
私たちは、パソコンと言えば、WindowsかMacという二択と思っていますが、今や無料でどのパソコンにも導入できるChrome OS Flexもありますし、数多くの種類のLinux OSも無料で使用することができます。
しかし、残念ながらLinuxパソコンはほとんど販売されていませんし、私達が所有しているパソコンに、どうすればLinuxを導入することができるのかは、簡単ではありません。
ここで、知識として知っておいてほしいことは、Linux OSと一言で言っても、たくさんの種類があるということなのです。これらの種類をLinuxディストリビューションといいます。
多くのLinuxディストリビューションの中で、サーバー側でよく使われているのがRed Hat系と呼ばれるLinux群です。Red Hat、CentOS、Fedoraなどがあります。
一方で、個人が使用する形で普及しているのが、Debian系のディストリビューションで、Ubuntu、ZorinOS、Raspbianなどがあります。(Raspbianは、Rapsberry PiのOSです)
これらのLinuxをWindowsパソコンなどに直接導入することもできますが、その操作はとても難しく、うまく行かないこともあります。そこで、Windows機能は残したまま、Windows上に仮想環境を作成できるVMwareなどの仮想環境構築アプリを使って導入する方法が一般的です。
Parallels Desktop for Macも仮想環境構築のアプリですが、Macパソコン上に簡単に導入できることから、昔から使われている有名なアプリです。
Parallels Desktop for Macを使用して、仮想環境にWindows11を入れている方も多いと思いますが、Ubuntu、FedoraなどのLinuxを簡単な操作だけで、仮想環境にインストールすることができるのです。

Parallels Desktop for Macは、永久版とサブスク版の2つのタイプがありますが、MacOSが大きくアップグレードするような場合は、永久版でもアップグレード版を後から購入する必要が出てきますが、とりあえずは、永久版で始めるのがお薦めです。
初心者が使いやすいLinux OSはUbuntuですので、まずはUbuntuの仮想環境を作ることから始められるのがいいと思います。
Parallels Desktop for Macで有難いのは、Mac上で仮想環境をつくることで、Macのネットワーク環境、USB環境などを引き継げることです。また、iCloudとの共有環境を作れることで、Macとの間でファイルの出し入れが可能となる点です。
つまり、Linuxをこれから勉強したいという方には、とてもいい環境が作れるということです。
4.Linuxでの最初の難関とは?
Parallels Desktopを使用すると、とても簡単にLinuxを仮想環境にインストールできるのですが、最初にどうしても通らなくてはならないのが、日本語入力の設定です。
皆さんは意識していないかもしれませんが、Windowsにしても、Macにしても、日本語版のOSを最初から使えるようにメーカー側が配慮してパソコンを提供しています。また、キーボードは日本語版のキーボードが付いている状態です。
しかし、Linux OSをインストールすると英語版がインストールされており、これを日本語が使えるようにすることと、日本語キーボードを認識させることが、必要になってきます。
このやり方は、Linuxディストリビューションごとに微妙に異なるので、多少の試行錯誤を繰り返す必要があると思います。(AIなどに相談しながら行うのがいいと思います。)
5.Linuxコマンドを覚えること
Linuxであっても、WindowsやMacと同じように画面を操作することで使えるように作られていますので、起動や終了の動作はWindowsやMacと同じようにできます。
しかし、ソフトやツールのインストールの際には、ターミナルと呼ばれる黒い画面上で、コマンドを使うことが多いので、最低限のコマンドを理解しておく必要があります。
ただ、少しづつLinuxに慣れることが大切なので、失敗を恐れずにチャレンジすることが一番大切です。
Parallels Desktopの最も良い点は、仮想環境を何個でも作れたり、削除したり自由にできることです。OSのインストールに失敗してもMacに影響が出るようなことは全くありません。仮想環境を削除して、何度もインストールにチャレンジすることもできます。
そういう意味で、Linux初心者にとって最も有難い環境がParallels Desktopなのです。
6.Linux上で導入するアプリとは?

基本的に最初から入っているのは、FireFoxブラウザです。FireFoxがLinuxでは最も安定して動作するブラウザとなります。GoogleにもFireFoxからログインするのがお薦めです。
最近のMacはArm系のCPUを使用していますので、Google Chromeはインストールできませんが、Chromiumというブラウザはインストールできます。
Officeアプリとしては、LibreOfficeが最もよく使われています。こちらはネット上からダウンロードしてインストールできますが、日本語化パックも一緒に貰ってくる必要があります。
画像編集アプリとしては、GIMPが主流です。ネット上にあるPhotopeaの方が圧倒的に使いやすいとは思います。
PDFについては、Adobe ReaderがLinuxに対応していないので、ブラウザ上でPDFを開くことになりそうです。
基本的には、ネットでのツールや、クラウドを使うことで、WindowsやMacと同じようなことができると思います。
Linuxには、「ソフトウェア」というアプリがあって、現在インストールされているアプリの一覧を確認したり、削除もそこから出来るようになっています。また、新しいアプリも、検索してインストールできるようになっています。
Linuxのディストリビューションの違いとCPUタイプにより、インストールできるアプリは異なりますので、そこに注意しておく必要があります。
7.Macbook NeoでもParallels Desktop for Macが動く
最近は、Macbook Neoを購入されている方も多いと思います。8GBというメモリではありますが、Parallels Desktop for Macは問題なく動くと言われています。
特に、Linuxはメモリ消費量も少なくて動きますので、これからLinuxを体験される方には最適な選択肢だと思われます。
Linuxを使用する最大の利点は、プログラム学習にあります。
Linuxのシェルスクリプト自体もプログラムを作れる機能もありますが、Pythonなどのプログラミングを学ぶには、とてもいい環境だと思われます。
特に、AIプログラミングなどについては、Linuxの方が環境構築が簡単に出来ますし、プログラムが高速で動きます。
ということで、まずはMacを手に入れて、Parallels Desktop for Macのアプリを導入して、それからLinuxを入れて、未知の領域を楽しんでください。






















