WordPressで作るホームページの問題点とは?

WordPressを学ぶ

今や、誰もが知っているWordPressですが、ブログとしてではなく、ホームページとして利用している人もかなり増えているように思います。

確かに、ホームページを一から作るという苦労をしないで、簡単にページが作れるということで普及しているように思うのですが、果たしてWordPressでホームページを作ることは本当に簡単なのでしょうか?

1.WordPressは、素人向きではない

長年ホームページ制作に関わり、パソコン教室でもWordPressのカスタマイズを日々教えている立場なので、あまり否定的なことは言いたくないのですが、WordPressでのホームページ制作については、ブラックボックス的な部分が多すぎるという点で、素人向きではないように思うのです。

ホームページを持ちたい人(特に初めてホームページを作る人)は、いろんなネットの評判などを聞いて、WordPressがとても便利で使いやすく、発展性もあると考えてしまいがちです。

確かに、一見するとスピーディーにサイト構築ができ、SEO的にも優秀で、記事は自分で書くということで、ホームページ制作にかかる費用も抑えられると考えてしまうと思います。

しかし、パソコンを長年使っている人であっても、いわゆるホームページスキル(HTMLやCSSやJavascriptやPHP)の知識がほとんどなかったり、レンタルサーバーの経験が少ない人の場合には、やはりWordPressというプログラムを使いこなすのは、かなり難しいと思うのです。

2.WordPressでは、毎日がバージョンアップの嵐です

WordPressでブログやホームページを作成した人であれば、日々のバージョンアップの頻度が半端ないということを感じると思います。

作った当初はいいものができたと思っていても、バージョンアップにより、ページが壊されてしまったり、ブラグインが動かなくなったりといろんな苦労をしょい込むことになります。

きちんとしたWebデザイナーがバックについている人ならいいのですが、独学で始めたような人にはサイト自体の構造がわからないため、トラブルに対応することがなかなか難しいと思います。

特に注意するのは、テーマのバージョンアップです。気に入ったテーマを選んでカスタマイズをしたのちに、テーマのバージョンアップをしてしまうと、カスタマイズした部分が跡形もなく消えてしまうのです。

3.WordPressはレンタルサーバーへの依存度が大きい

WordPress自体は、PHPで書かれたプログラムであり、その機能はphpのバージョンや、php.iniという設定によっても影響されます。

また、書いた記事やページの内容は、MySQLというデータベースに保存され、ページが表示される場合は、そのデータベースにアクセスして必要な情報のみを取得して表示するということを行っています。

一方で、アップロードした画像は、Wordpressのプログラム内の画像フォルダに保存されるようになっています。

つまり、サーバー環境、WordPress本体、データベース環境、画像ファイルなどが、別々に存在しており、それらが組み合わさることで、始めてページが表示されるという仕組みになっているのです。

つまり、サーバーが変われば、インストール方法も変わりますし、設定の方法も変わるのです。ですから、通常のホームページのように、ファイルをコピーして移動するだけで、サーバーの引っ越しができるわけではなく、一度作成したものは、簡単に動かすことができないというのがWordPressの宿命なのです。

4.WordPressで大切なことは何なのか?

まずは、どこのサーバーでWordPressを使うかということが重要です。最近は、SEO対策が万全のWordPress専用サーバーなども出てきていますが、性能よりも運用の安定性や、いざという時にきちんとした対応が可能なサーバーを借りることが大切です。

次に大切なことは、どのテーマを選ぶかということです。沢山のテーマが用意されており、テーマを変えることで外観デザインが変わるという点もWordPressの魅力です。

しかし、実際にサイトを構築する際には、選らんだテーマをカスタマイズすることで、サイトのデザインを構築していきますから、1度選んだテーマは簡単に変えられなくなるのです。もし、途中でテーマを変えたら、デザインのカスタマイズはまた一からやりなおしになります。

このような意味から、WordPressでは最初にどのテーマを選ぶか、ということが最も大きな課題なのです。

一般には、カスタマイズがしやすいテーマを探すのがいいのですが、テーマをインストールして使ってみなければいいかどうかはさっぱりわかりません。多くのテーマを入れ替えながら、どのテーマが自分の求める姿に合っているかを試行錯誤しながら探すということが、一番大切なことなのです。

5.選んだテーマにより、カスタマイズ方法は変わる

最近のWordPressのテーマは、テーマによりカスタマイズの方法が変わります。ですから、同じWordPressだとしても、一般的なカスタマイズ方法があるわけではないのです。そのカスタマイズのためのページはすべて英語で書かれていますし、初めてWordPressを使うような場合は、その設定方法も全く想像ができないと思います。

WordPressの設定や、記事の投稿、ページの作成、メニューの作成などは、すべて管理画面内で行うことができます。初めての方は、この管理画面の使い方がかなり難しいと感じてしまうと思います。どの設定がどの階層の中にあるのかを理解するのは、簡単ではありません。

幾重もの階層をたどりながら、カスタマイズを行うことや、目的とするカスタマイズをするためにはどの部分を変更すればいいのかについては、WordPressの管理画面に慣れるだけではなく、HTMLやCSSの深い知識が必要になります。

6.プラグインこそが、WordPressの財産です

WordPressには、プラグインと呼ばれるアドインプログラムが沢山用意されています。これらは一般のプログラマーがWordPressを便利にするために作ったプログラムなのですが、このプラグインこそが、WordPressの一番の財産なのです。

これらのプラグインは、簡単にインストールやアンインストールが出来るので、試しながらいいプラグインを探すことが出来ます。

ただし、WordPressのバージョンとプラグインのバージョンに互換性がないと動かないことが多いので、プラグインについても、絶えずバージョンアップをする必要があります。

7.それでも、WordPressを学ぶ人は増えています

私のパソコン教室でも、WordPressを利用して、ホームページ作成やブログ作成について習っている方は、年々増えています。

これは、通常のホームページ作成自体も、PCやスマホに対応できるようにするレスポンシブルデザインが求められるようになり、一般のホームページ作成ソフトで作るにしても、かなり難しくなってきたという事情があるからだと思います。

WordPressの場合は、ほとんどのテーマでレスポンシブルデザインに対応しており、何も考えなくてもPCやスマホやタブレットできれいなページが表示されるようになっています。

恐らく、この点こそがWordPressでホームページを作るという目的になっていると思うのです。

8.カスタマイズするには、HTMLやCSSの知識を深めていく必要がある

WordPressを使ってみたい、WordPressを使って自分のページやブログを作ってみたいということは、とてもいいことだと思います。

しかし、その目的を達成するには、WordPressの使い方に慣れ、カスタマイズできるだけのHTMLやCSSの知識や経験を身に着けることが必要です。決して、数か月で身に付くものではなく、何年もかかることだと思います。

Webデザインの技術は、現在の社会ではとても求められている技術の1つです。簡単に習得できないスキルではありますが、一旦スキルを身につければ、幅広く活躍できる可能性が生まれます。

また、単にスキルだけではなく、ホームページやブログを通して、世の中に有用なコンテンツを広めていくことは、ますます大切になってくると思います。

そういう意味から、焦らずにじっくりとWordPressで経験を磨きながら、コンテント制作を行うことで、プログラムスキルだけでなく、ネットでの言葉や画像の表現スキルなども磨かれていくと思います。

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