月別アーカイブ: 2013年9月

パソコンの資格として「P検」をお勧めします

就職のためにパソコンの資格を取りたいという人に最近1カ月ほどパソコンを教えてきました。

一般に、求人募集の欄に書かれているパソコン資格の代表的なものといえば、「MOS」(マイクロソフトオフィススペシャリスト)というものがあります。

この資格はマイクロソフトが行っている資格試験で、ワード、エクセル、パワーポイント、アクセス、アウトルックなどの技術を問う資格です。このMOSの特徴は、ワードならバージョンごとに試験があるということです。つまり、ワード2003、ワード2007、ワード2010は、それぞれ別々の資格になるということです。

1つのソフトの1つのバージョンごとに資格を取るということも大変ですが、受験料が10,290円もするんですね。たとえば、Word,Excel,Powerpointのバージョン2010の資格を取るためにはトータルで30,870円の受験料がかかります。さらに、ワードとエクセルには、上級の試験もあり、そちらは1つのバージョンで12,390円の受験料がかかります。(合格しなければ、もっとかかります)

さらに、当然勉強するための教本や問題集、さらには講習などを受けることを考えると、かなりのお金が必要なことがわかると思います。

就職において、ワードやエクセルやパワーポイントという単にソフトの使い方だけを企業が求めているかというと、それは大きな間違いです。企業が求める人材は、トータルでパソコンを使える人材を求めているのです。それは、ソフトを使えるだけでなく、パソコンの基本的な用語を知っていることや、ICTのしくみを知って利用できること、そして一番大切なことは、セキュリティやネット上のモラル、知的財産権や、個人情報の保護などの知識を持っていることです。

残念ながら、MOS資格では、このようなトータルなパソコンの技能を評価することはできません。

一方で、パソコン資格の国家資格としての「ITパスポート」という資格があります。実際にこのITパスポートの試験勉強をするとわかるのが、直接的に実務にかかわるような試験ではなく、企業のマネージャーレベルの人が知っておくべき専門用語や知識を問う試験問題が多いということです。

ITパスポートは、日本の国策としてコンピュータを使える人材を増やすということで始まったものですが、実技を伴わないために、一般の資格試験と比べると違和感がありますし、何よりも資格の勉強していても、スキルが上がった感じがまったくないという問題点があります。(試験のレベルからみれば、MOS試験よりもずっと難しいレベルですが、概念的な問題が多いので実務と乖離しているところがあります)

このような資格試験の問題点を踏まえて、P検というパソコン資格を見てみると、P検が最もバランスよくパソコンのスキルを評価している資格であるということがわかります。P検の資格試験には、(1)タイピング試験、(2)パソコンのハードウェアや周辺機器に関する知識、(3)ICTに関する知識、(4)ネットモラルや権利に関する知識、(5)ソフト(ワード、エクセル、パワーポイント)に関する実技試験、などがあります。

さらに、受験料も4級で3000円、3級で5000円、準2級で5000円、2級で6000円と、良心的な受験料となっていますし、全国の大手のパソコン教室で常時試験を行っていますので、気軽に受験することもできます。

パソコン教室を長年運営してきていますが、資格として最も有効なパソコン資格は「P検」だと思います。P検は初心者の方から受けられる4級、ソフトの一般技能が問われる3級、より高度な知識と技能が問われる準2級や2級などがあり、実務に即した試験が行われています。

1ヶ月ほどパソコンの基礎から、ワード、エクセルを教えた生徒さんが、先週P検の3級を受験したのですが、高得点で合格したと、連絡がありました。 同時に、無事就職も決まったそうです。

就職をひかえた方のパソコン資格として、私は「P検」をお勧めします。

やっぱり便利だったPublisherでの名刺8面の作成

前の記事でワードによる名刺作成を書きましたが、ワードよりも便利なソフトがMicrosoft Publisherというソフトです。

通常のOfficeには入っていませんが、Office Professional版のパッケージを購入すると入っているソフトです。今回はPublisher 2010で名刺を作成して、名刺用紙8面に印刷する方法について書いてみたいと思います。

Publisherというソフトは、さまざまなサイズの用紙に印刷できるように開発されたソフトで、ポスター、カレンダー、はがき、ラベル、名刺、チケット、横断幕、賞状、封筒などに自由自在に印刷することができます。

一番すぐれているのは、多くのテンプレートが用意されており、それを簡単に使えることと、これらテンプレートを細かくカスタマイズできるという点で、他のソフトに比べ柔軟な性能を持っています。

今回は、名刺用紙8面(両面印刷タイプ)に対して、既存のテンプレートをカスタマイズして印刷する方法について説明します。

1.テンプレートを選択する

ファイルから新規作成として、テンプレートから名刺をクリックすると、多くのテンプレートが表示されます。

今回使用したテンプレートは「ブロック」という名前の名刺のテンプレートを選択して、作成ボタンを押しました。

名刺1

ページレイアウトタブを開けて、ページ設定ダイアログを出すと、以下のような画面が現れます。

名刺2

2.ページ設定を変更する

この設定を以下のような設定に変更しました。

名刺3

すると、名刺の1枚分のレイアウトが以下の図のようになります。

名刺4

3.余白部分にガイドをつける

ここで上下のルーラーでマウスをドラッグして、ルーラーガイドを名刺の周囲の余白部分に配置します。

名刺5

最後にテンプレート内に含まれる図形や文字をすべて削除します。

名刺6

4.自由にレイアウトする

このテンプレート上に自分のすきな名刺デザインを作成します。

名刺7

5.印刷する

最後に、ファイルから印刷とすると、印刷プレビューが表示されます。

名刺8

余白の部分にはみ出した部分は、名刺8面用紙ではミシン目でカットされるので、フチなし印刷の名刺を作ることができます。

このように、Publisherでは、1つの名刺レイアウトを編集するだけで、自動で複数枚の名刺印刷ができるので、とても便利です。

ワードを使って名刺カード8面用紙に印刷できるか?

一般の名刺作成ソフトが対応していない名刺カード8面用紙に、ワードを使って印刷することが可能かどうかを検討してみました。

ワードで検討してみた

ワードは印刷を行うためのソフトですので、名刺印刷は可能だろうと思われたのですが、実際にやってみると、それほど簡単ではないということがわかりました。

まず、最初に行ったのは、ワード上に表を作成して、1つ1つのセルの中に名刺の画像を配置したらどうかという案でした。名刺カードの横は91mmで、縦は55mmというサイズなのですが、8面のカードの場合はフチなし印刷を行うために、カードの周囲に3.5mm程度の余白を置くことにしました。

つまり、横97mmと縦62mmというセル、カードとカードの隙間のセル、横97mmと縦62mmというセルという3つのセルの並びを考えました。(以下がその全体像です)

ワードで名刺2

表中の縦のすきまを3mmとすることで、全体的にうまく配置できました。

ここでポイントとなるのが、表のプロパティでの設定です。

表のプロパティの中の「表」タブで「オプション」ボタンを押して、既定のセルの余白を上下左右とも0mmに設定することです。

また、表のプロパティの行タブ、列タブを使って、行の高さを固定値としてすべての行をミリ単位で設定することや、列の幅をミリ単位で設定することです。

ただし、ワードで作成する場合は、別のところで名刺の表画像と裏画像を別途作成したものを読み込んで、それぞれコピーと配置を行うことが必要です。

つまり、表を作る意味は、カードの画像を配置する基準位置を提供するだけです。ですから読み込んだ画像の文字列の折り返し設定は「前面」とすることが必要です。「行内」としてセル内に画像を読み込むと、セルの上端に小さな隙間が生じるために、正しい配置が行えなくなります。

画像は、読み込んだ後にサイズ設定で98mm×62mmと設定後、配置します。

それと、ワードの場合で注意することは、印刷で最初にプリンタを指定することです。プリンタが変わると設定も変更しなければならなくなることもあるので、注意してください。

名刺の画像自体はフォトショップなどの画像作成ソフトを使って、縦横比の比率を横98、縦62として、大きな画像で作成するほうがいいと思います。もちろん、周囲はフチナシとしてカットされることを意識して作成することが必要ですので、少し難しいです。

フォトショップなどの画像加工ソフトを持っていない場合は、ワードを使って、上記のような比率で大きな名刺を作ってから、それをコピーして、形式を選択して貼り付けから「図(拡張メタファイル)」として貼り付けたものを使うと、きれいな画像となります。いずれにしても、本来のサイズより大きなサイズで作成して、それを縮小して使うほうが、印刷時にはきれいな印刷になります。

今回は、私の手元にある名刺カード8面に合わせて表を作成していますが、他の名刺カード8面でも応用できると思います。