Windows Vistaはなぜ使いづらいのか メルマガ 反・資格宣言 パソコンの実力をつけるメルマガです まぐまぐ 町田 横浜

NokoTech Lab
Windows Vistaはなぜ使いづらいのか

メルマガ「反・資格宣言」211号

多くの企業や会社では未だにWindows XPを使い業務を行っています。

これらの企業や会社では、パソコンの入れ替えのタイミングとして
Windows Vistaのパソコンの採用は見送り、一気にWindows 7に入れ替える
としているところが多いようです。

マイクロソフト側も、企業でのWindows Vistaへの移行が進んでいないこと
を認識していて、Windows Vista BusinessやUltimateからWindows XP
Professionalへのダウングレード権を、有名パソコンメーカーに与えて
暗にWindows XPの市場を支えているようです。

現在、ヒューレットパッカードやDELLとった世界的パソコンメーカーや
NEC、FUJITSU、EPSONといった日本メーカーに対して今年の6月まで期限
付きで与えていたWindows XP Professionalへのダウングレード権を
さらに伸ばすことが予想されています。

Windows Vistaは、「この上ない優れたOS」として2年半前に発売された
OSでしたが、XPが圧倒的な安定感をもっていたこともあって、この2年は
普及にかなり苦労していると思われます。

しかし、Vistaがこれほどまで普及していない原因は、やはりVistaがXPに
比べると「圧倒的に使いづらい」という印象を与えたことにあると思います。

今回のメルマガでは、「なぜVistaが使いづらい印象を与えているのか」
について考えてみたいと思います。

 

■私が2年前に感じた印象について

私がやっているパソコン教室でも、ちょうど2年前にVistaに対応しなければ
ならないと考えて、Windows Vistaを導入しました。

既存のXPが入っていたパソコンにインストールしてみると、メモリ不足や
CPUの性能不足から、Vistaの画面の動きはとても遅く、メモリの増設だけ
では、Vistaにアップグレードするのは難しいなと思いました。

つまり、Vista発売当初は、パソコンのハードの性能がVistaが要求するレベル
になかったということが言えます。

当初発売されたVistaのパソコンは、現在販売されているVistaのパソコンに
比べると、性能はかなり悪かったと思います。

高性能CPUの価格が下がり、やっと手が届く価格帯になってきたのは、去年
2008年の春ごろからだと思います。

ちょうどVista SP1の公開時期を過ぎた2008年6月くらいからが、
パソコンが低価格化してきて、Vistaパソコンが買いやすくなってきた時期
ではないでしょうか。

 

■Vistaの優れている機能について

当初、Vistaを導入した時に感じたVistaならではの優れた点があります。

それは、

(1)OSのインストールが簡単であること

基本的に、パソコンにOSを自分でインストールする人は少ないかもしれま
せんが、Windows XPに比べ、Windows Vistaの場合は、ウィザード形式で
画面が進むため、安心してOSのインストールができると思います。

特に、ハードディスクの領域の削除やフォーマットなども、ウィザードの
中でできるのと、その操作性がいいことは特筆すべき点です。

(2)画面がきれいであること

デスクトップの「きれいさ」は、Vistaの優れている点のひとつです。
アイコン画像とデスクトップ背景画像の境界部分の処理などは、とても
よくできていると関心しますし、エアロと呼ばれるウィンドウの半透明化も
とてもきれいだと思います。

また、サイドバーのガジェットの使いやすさは、これまでのデスクトップ
アクセサリーに比べると、きちんと整列しており、使いやすさを感じさせ
ます。

(3)検索が早く、正確なこと

これは、ウェブ技術の進歩がOSにも繁栄されている例だと思われますが、
Vistaでのプログラムの検索や、ファイルの検索、ヘルプの検索はかなり
正確で、その上速いというのが驚きでした。

Windows XPのファイルの検索スピードに比べるとVistaはとても速くなって
います。これは、ファイルをデータベース化してインデックス検索ができる
ように改良されているからです。

(4)周辺機器への対応がしっかりとられていた

Vistaでは、昔の周辺機器(プリンタなど)を単に接続するだけで、
簡単にドライバが導入されるという特徴を思っています。
これは、周辺機器メーカーとの連携がうまくいって、多くのドライバーを
あらかじめ用意して持っていたということだと思います。
このため、Windows XPの発売当初よりも、周辺機器のトラブルは少なかった
ように思います。

 

■Vistaが使いづらいと感じられた理由

なぜWindows Vistaは使いづらいという第一印象を持たれたのでしょうか?

私個人の意見ですが、大雑把に言えば5つの理由があると思います。

(その1)「Office 2007と同時に発売した」

(その2)「Windows XPとフォルダや機能のカテゴリー構成を変えた」

(その3)「OSのバージョンを5種類にした」

(その4)「ネットワークとセキュリティーの仕様を大きく変えた」

(その5)「ウィンドウのメニュー表示を出さなくした」

以上が私が考えた5つの理由です。

 

■Office2007の印象がVistaの印象を悪くした

もし、Vistaの標準のOfficeが2003で売られていたとしたら、おそらく
Vistaはかなり普及していたというのが私の考えです。

OSの変化についていけないというより、Office2007の変化について
いけなかったというのが本音ではないでしょうか?

Office2007の売りは、2003までのメニュー階層から選択するという構造
を廃止して、すべての機能を横並びに並べて、リボンというタブ構造で
表示したということです。

奥まった機能も一目でわかるという点や、細かい設定まで行かなくても、
適当にスタイル選択をすることで、ドキュメントを作り上げることができる
ということを売りにしているわけです。

ところが、実際に使ってみると、機能がたくさん見えすぎて、目的とする
機能のボタンがどれなのかを探し出せないということになってしまった
わけです。

結局、昔の2003を使っていた人は右クリックから適当な機能を選択する
ということで急場をしのいでいるのが現状です。

 

■Vistaは、フォルダの構成を大幅に変えた

これは、悪いということではないのですが、Windows 95→98→Me→2000
→XPと脈々と続いていたフォルダの階層構造を変化させたということです。

いままですぐに行けていた画面が、なかなか出せないといういらだち
がVistaを使いづらいと感じさせたかもしれません。

フォルダ構成では、「マイドキュメント」の中に「マイピクチャ」や
「マイミュージック」や「マイビデオ」があるWindows XPに対して、
それらのフォルダをすべて並列に並べ、アカウント名フォルダの中に配置
しました。

ですから、スタートメニューの右上端には「アカウント名」が書かれて
いて、ここが出発点フォルダとなっています。

アカウント名のフォルダの配下には、

「ドキュメント」「ピクチャ」「ビデオ」「ミュージック」というよく
知られたフォルダと共に、

「お気に入り」「アドレス帳」といったこれまですぐには見えなかった
フォルダがあります。

さらに、インターネットからダウンロードしたソフトなどが入る
「ダウンロード」というフォルダも用意されています。

基本構造さえ理解すれば、このフォルダの意味はすぐに理解できると
思います。

実際には、Cドライブの直下に「ユーザー」というフォルダがあって
その中に「アカウント名」のフォルダがある構造になっていますので、
以前の「Documents and Settings」という長くて分かりにくい名前が
単に「ユーザー」になっているだけです。

 

■Vistaは、設定画面の構成を大幅に変えた

一方、パソコンの設定を行うコントロールパネルでも、これまで深い部分
にあった設定が1つのコントロールパネルのアイコンになっています。

コントロールパネルを「クラシック表示」にしていただくと、1つ1つの
設定がアイコンで表示されます。

この中で、「デバイスマネージャ」は本来奥まった設定にあったものですが
見つけやすくするためにコントロールパネルに置いているようです。

今回特にXPと比較して新しく加わったものが、

「ウェルカムセンター」
「ネットワークと共有センター」
「バックアップと復元センター」

の3つです。ともに「センター」という表記です。

●ウェルカムセンター

ウェルカムセンターというのは、パソコンが起動したときにデスクトップに
表示されるものです。一体何の意味があるの?と思った人も多いと思いますが
ここには、コンピュータの素性が書かれているのです。

OSのバージョン、CPUの種類、RAMの容量、ビデオカードの種類、それと
コンピュータ名です。

これまでは、マイコンピュータのプロパティで表示されていたものが、ここに
表示されているわけです。

さらに「詳細を表示します」という部分をクリックすると、詳細情報の画面が
表示されます。

●ネットワークと共有センター

この部分が今回大幅に変化して、わかりにくくなった部分です。Vistaは接続
したネットワークの違いを識別して別々にネットワークのセキュリティーの
設定ができるように作られています。

特に、接続するネットワークを「プライベート」にするか「パブリック」に
するかは、大きな違いになります。

●バックアップと復元センター

この画面では、コンピュータの中のファイルやフォルダのバックアップを
とったり、コンピュータ全体のバックアップをしたりすることができます。

このバックアップや復元の機能はVistaのバージョンによる違いが大きく
バージョンにより機能が制限されています。

 

■なぜVistaのバージョンは5つもあるのか?

一番の疑問は、バージョンが5つもあることです。

Home Basic(最下位バージョン)

Home Premium(一般に普及しているバージョン)

Business(ビジネスタイプのバージョン)

Enterprise(個人販売はなし、企業オンリーのバージョン)

Ultimate(最上位バージョン)

これらのバージョンは購入する時点で決まっていますので、注意する必要
があります。

また、あとで上位バージョンに変更するのはとても面倒です。

不思議なのは、上のバージョンを購入すると、下位のバージョンを含んで
いて、下位バージョンのインストールもできます。
(パッケージで購入した場合です)

ここで注意しなければならないのは、Businessというバージョンには
エンターテイメント的なソフトが導入されていないという点です。

具体的には、ビデオ制作して、それをDVDに焼くというような標準ソフト
がBusinessには入っていません。

逆に、BusinessとUltimateは、コンピュータのフルバックアップが可能
となりますが、それ以外はファイルとフォルダのバックアップのみです。

一番いいのはUltimate入りのVistaパソコンなのですが、店頭などでは
Home Premiumが主流なのでネット販売などで買う必要があります。

このような、バージョンの多さはユーザーに混乱を招き、Vistaパソコンは
わかりにくいといった印象を与えていると思います。

 

■ネットワークはWindows XP Proを継承している

ネットワークでのファイル共有や、そのアクセス制限などは、
Windows XP Proffesionalの仕様をそのまま受け継いて、セキュリティー
の高い設定をデフォルトにしています。

会社などでネットワークを組むと、XPのパソコンとのネットワークが
うまくできないのはこのためです。

本来、XP Home Editionレベルの設定をデフォルトにして、セキュリティー
のほしい人だけが、セキュリティーレベルを上げていくという設定にする
べきなのですが、これが一様に高いセキュリティーレベルになっているので
戸惑ってしまうことが多いと思います。

特に、パブリックネットワークとプライベートネットワークの選択画面
のわかりにくさは特別で、ファイル共有の許可画面などでは、間違った
選択をする人が多くいるのではないかと思われます。

このような点でWindows XPのパソコンとの混在がややこしいと思われ、
Vistaが企業サイドで敬遠されたのではないかと思います。

 

■メニューが表示されなくなったウィンドウ

一般の方が一番使いにくいと感じたのは、ウィンドウにメニューがない
ということではないかと思います。

これは、通常のウィンドウだけでなく、Internet Explororや、
Windowsメール、Windows Media Playerなども、ことごとくメニューを
デフォルトで表示させない設定にしています。

メニューを表示させるためには「Altキー」を一度押せばいいのですが、
それがわからない人はたくさんいると思います。

また、ウィンドウの一番上にあるアドレスバーの表示形式も、最初は
戸惑ってしまうと思います。

XPでは「C\・・・・・」という表示なのですが、Vistaではフォルダ名の
表示だけなので、絶対位置がわかりにくくなっています。

このようなインターフェース部分についても、Windows XPとの違いが
大きく、使いづらいと思われたのではないかと思います。

 

■全体的に感じるVistaの思想

OSには、作った人の思想(考え方)が入っています。

おそらく、VistaはXPを改良したというよりは、全く違った思想で作り上げ
それをXPとの間で継承させる作業を行ったOSではないかと思います。

Vistaの場合、「カテゴリー」とか「階層」という考え方からの脱却を
テーマとして掲げて開発を行ったのではないかと思われます。

そして、その代りに「検索」や「直感的な操作」を重視したのではないか
と思われます。

しかし、Windows XPが長く続き、パソコンの使い方が定着した中で、
Vistaのそういう考え方は、逆に使いづらいと受け取られたのでは
ないでしょうか。

パソコンの場合、直感も大事ですが、きちんと手順と理屈を考えながら
使うことが求められます。

この手順と理屈はコンピュータ側のやり方に合わせて人が覚えるものなの
ですが、その部分をあいまいにしてしまうと、逆に人間の方が混乱して
しまうのではないかと思うのです。

一言で言えば、「マクロソフトはアップルを目指す必要はない」ということ
で、マイクロソフトらしいOSを作ればいいだけだと思います。

そういう意味で、次期OSの「Windows 7」への期待が高まってきています。


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