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  ◆◆◆◆ ひかり電話は普通の電話に戻せるか ◆◆◆◆
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これまで様々なトラブルが発生しているひかり電話です。

昨年の9月、10月には、NTT東日本で大規模なひかり電話のトラブルが
発生しました。これはビジネス系加入者の呼制御サーバーのソフトウェアの
不具合が原因でしたが、その後、中継系呼制御サーバーの数が少ないことで
もトラブルが発生するということから、NTTでは中継系呼制御サーバーの
数を増設してきているようです。

そして先月にはひかり電話対応ルータ「PR-200NE」のバージョンアップソフト
に不具合があって、ひかり電話がつながらないというトラブルがありました。

簡単にいえば、十分な機器とソフトと人材を揃えない状態で、ひかり電話を
始めたNTTに問題があるのですが、ただそれだけでなく、このような事例
は、NTTだけではなく、IT社会ではいつ起こってもおかしくない出来事
だと考えたほうがいいと思います。

先日発生した全日空の搭乗システムの不具合なども、IT社会の落とし穴の
一つだと思います。


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 ひかり電話とはどんな電話?
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ひかり電話にすると電話代が安くなるって本当だろうか?

ちなみに、以下は現在、私が支払っているひかり電話関連の費用です。

ひかり電話基本料金:500円
ひかり電話対応機器使用料:450円
VDSL100M装置使用料:350円

最後のVDSLというのはマンション内で光回線を引くために必要なモデムの
ことです。インターネットといっしょに加入すれば機器がいっしょなので
基本料金だけが純粋な電話基本料と考えることもできます。

しめて、1300円(税別)な〜り。

固定電話の基本料金は、1700円(住宅用)なので、確かに400円は安い。

ちなみに、基本料金500円コースとは別に通話料金込みの

安心プラン(1400円)   ・・・1280円分の通話料込み
もっと安心プラン(3900円)・・・4800円分の通話料込み

などは電話を頻繁に使用する方にはかなりお得なコースとなっている。

また、ひかり電話A(エース)というコースでは、
ナンバーディスプレイ、ナンバーリクエスト、キャッチホン、ボイスワープ
着信お知らせメール、迷惑電話おことわりサービスという付加サービスが
セットで付いて、さらに480円分の通話料が込みで1500円(税別)なので
たぶん一番お得のような気がする。

ひかり電話は、通常のIP電話ではかけられないような緊急電話にも電話する
ことができるなど、安心な部分も多い。

・・・というのがNTTの言う売りである。しかし・・・


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 ひかり電話の問題点とは
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通常の電話と一番違うのは、停電になると一切使えないということです。

昔ながらの固定電話では、電話線の中に電気が流れていてその電気で
電話機が動いていたので、停電でも電話することができました。
(いわゆる黒電話ですね)

でも、今の売られている電話機はすべて停電では動かないので、その点では
全く同じです。

なんといっても今回起こったような突然のトラブルというのが
ひかり電話の最大の問題点です。


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 ひかり電話はトラブルの時に、もとの固定電話に戻せるのか?
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ひかり電話のトラブルがあったときに、元の固定電話状態に戻すことが
できれば、トラブル回避できるとコーノは考えました。

そこで、今回「ひかり電話は元の固定電話に戻せるか」ということで実験
を行ってみたんです。


部屋の壁には電話線の差込口。

だったらここから電話線を差し込めばいいんじゃないか?

いや、そんな簡単ではないはず。

VDSLで信号が来ているわけだから、電話の信号とVDSLの信号を切り分ける
スプリッタがなくちゃいけないかも?

さらにノイズフィルタなどを途中に入れればいいんじゃないか?

などと仮説を立てて、こんな実験を行ってみた。

まずは、現在の状態はこのようになっています。

------ 現在の状態 -------------------------

壁→VDSLモデム→ひかり電話ルータ→パソコン
           ↓
          電話機

------ 実験計画 ----------------------------

(実験1)

壁→分配器→スプリッタ→ノイズフィルタ→電話機
   ↓
  VDSLモデム→ひかり電話ルータ→パソコン

(実験2)

壁→分配器→ノイズフィルタ→電話機
   ↓
  VDSLモデム→ひかり電話ルータ→パソコン

(実験3)

壁→分配器→電話機
   ↓
  VDSLモデム→ひかり電話ルータ→パソコン

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簡単な実験なので、3分くらいで終わってしまった。

結果は惨敗!ぜーんぶうまくいきませんでした。

電話機の受話器からは、まったく音なし!


原因をよ〜く考えてみたら、こんなことが予想できました。

1.フレッツ光の環境では、電話線の中には通常の音声信号が流れておらず、
  音声情報も光レベルの情報に置き換えられて伝えられている。

2.電話線の形はしているけれど、光ケーブル&VDSLという流れて部屋まで
  きているので、電話線であって電話線ではない。

3.ひかり電話以外のIP電話(YAHOO! BBフォン、@niftyフォン、
  OCNドットフォンなど)では、スプリッタで分けることで固定電話に
  戻せるのに対し、ひかり電話にはそのような手法が残されていない。

つまり、光電話は完全なIP電話(パケット通信電話)だということです。

NTT→光回線→VDSL回線(マンションの場合)→光電話対応機器→電話機

という流れは、まったく従来の電話とは違うものと考えた方がいいようです。


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 電話の未来は?
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本来は、スカイプみたいに自由にインターネット上で無料で電話ができるの
がいいと思います。

スカイプなんて世界中で使われているのに全く問題ないですから。

たぶん電話がすべてひかり電話になってしまえば安定化すると思うのですが
固定電話との混在がシステムを複雑化しているように思います。

いまや家電話は、インターネットを引くためや、何かの契約をするため
だけで、本来の電話は携帯電話に移行しているような気がします。

たぶん、家電話より携帯電話の方が使用料金が安ければ、家電話はなくなって
しまうのではないでしょうか?

最近NTTドコモでは、1台の携帯電話で2つ以上の番号を持てるという
ような仕組みを売り出しています。

だったら逆に、家電話に2つめの番号を取得して、それが携帯電話の番号に
当てられるというようなしくみを作って、携帯と家電話の料金をいっしょに
してほしいなと思いますね。

そうしたら、ドコモを使う意味って出てくると思うのですが・・・。
たぶん、会社が違うので難しいのでしょうけど。


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 IT社会の落とし穴
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ソフトウェアというというのはブラックボックスで、作った人以外が
チェックするのが難しい世界です。

ソフトウェアも、通常の製品と同じように公開前にたくさんの検査がある
のが普通ですが、その検査内容が甘いと公開してからいろんなエラーが
出てしまいます。

最近でも以下のようなソフトの不具合問題が発生しています。

全日空のシステムの問題

NTTのひかり電話対応機器のソフトの問題

トレンドマイクロのアップデータ不良の問題

マイクロソフトのWindows Update不具合問題


特に、現在稼動中のシステムを別のシステムの移行するような場合は、
旧システムから新システムに一気に移行するのは危険すぎるようです。

新システムを実験するシステムを作って、十分なデータをとることが大切に
なってくると思います。

また、いざというときに旧システムへ戻せるという体制をとることも
重要なポイントだと思います。

そういう意味でソフトの問題というのは、社内での意思統一ができていない
ことや、一方的なトップダウンの体質で起こることが多いと思いますので
そういう立場の方は、注意してください。


2007/6/03 第133号 反・資格宣言 copyright(c)NokoTech Lab. All Right Reserved.